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30日間かけてカフェインレス生活をしてみて

久しぶりの投稿となった。
今回は私の体験記をまとめてみようと思う。

毎日コーヒーや紅茶や緑茶を飲んでいる方や、カフェインを摂ってるのになんか疲れてると感じる方に何か参考になれば幸いだ。

■背景

初めてカフェインを摂取したのは多分高校生からだと思う。その頃は、大事な練習や競泳のレースの前に気合いを入れるためにリポビタンDを飲んでいた。毎日飲むようなことはなかったと記憶している。
浪人していた18,19歳の頃に、ワンダのモーニングショットにめちゃくちゃハマり、ほぼ毎日カフェインを摂取していた。もはや毎朝飲まないと勉強できないくらいに思っていた。
大学生・大学院生の頃は、毎日カフェイン摂取をしていた記憶はないが、レース前はほぼ欠かさず摂取していた。
社会人になってから、ブラックコーヒーを飲むことが習慣となった。この4年間くらいはコーヒーをほぼ毎日2,3杯飲んでいた。習慣化しており、カフェインを摂取してやる気チャージという感覚はなく、日常の一部であった。

カフェインレス(カフェインを一切摂らない期間を設けること)を知るきっかけは忘れたが、「カフェインを断つことでむしろ体調が良くなる」ということを聞き、今年の年始めに軽い気持ちでコーヒーを飲まない生活を始めてみた。すると開始2日目でとんでもない頭痛に襲われ、その時はこの2日間でカフェインレス生活が終わった。

今回はその時の反省を踏まえて、カフェインレスについて調べてから、時間をかけてカフェインを断つ生活を行うことにした。

■カフェインとは

そもそもカフェインとは、緑茶や紅茶、コーヒーなどに含まれる苦味をもった天然成分である。
一般的なカフェインの効果としては、以下のようなものが挙げられる。最も有名なのは、覚醒作用(眠気覚まし)ではないだろうか。

・覚醒効果
・利尿作用
・筋肉収縮効果(筋疲労の回復促進)
・基礎代謝を高める
・消化促進(胃液の分泌を活発にする)
・血圧上昇作用

カフェインは小腸で吸収され、肝臓で分解されるまで全身の組織に行き渡りながら体中を循環する。
摂取してから約30分程度で脳に届き、効果が表れ始めるとされている。また、摂取してから約3時間後が効果の最大となり、効果が完全になくなるまでに、5~7時間ほどかかるとされている。

カフェインの含有量について、一部を紹介する。

ドリップコーヒー(150ml):80〜120mg
インスタントコーヒー(150ml):50〜70mg
ウーロン茶(150ml):50mg
玉露(150ml):240mg
緑茶(150ml):30mg
コーラ(150ml):60mg

余談だが、玉露のカフェインの含有量がコーヒーのそれの2倍あることに驚いた。

成人の場合、1日200~400mg程度の摂取であれば体に影響を及ぼすような問題はないとされているが、カフェインの代謝には個人差があるため、適量は一概には言えない。

■カフェインレスで身体に何が起こるか

それでは、カフェインをしばらく断つことで身体で何が起こるのか簡単にまとめてみる。
観点としては、脳と内臓(副腎)の2点だ。(注)かなり掻い摘んで説明するので、何か間違いがあればご指摘いただけると幸いです。

1. 脳内での反応

まず、カフェインの代表的な効果である覚醒作用がどのように起こるのかを説明する。
一般的に人間の身体は活動していくうちに、脳内でアデノシンという物質を分泌する。また、アデノシンと結合する器官をアデノシン受容体という。アデノシンが、アデノシン受容体と結合することで眠気を引き起こして、脳を休めて回復させようとするのだ。
カフェインは、このアデノシンの代わりにアデノシン受容体と結合し、アデノシンとアデノシン受容体の結合を阻害し、眠気を引き起こさないようにしているのである。
これが覚醒作用で起こっていることだ。

では、カフェインを慢性的に摂取し続けると身体はどう反応するのか。
「本来は眠いはずなのに眠くない、じゃあもっと眠くさせよう」という生理反応が起こるため、アデノシンがガンガン分泌され、さらにはアデノシン受容体もガンガン作り出される。しかしカフェインを摂取しているため、アデノシンとアデノシン受容体が適切に結合されず、脳内には、結合されないアデノシンと、結合されたカフェインとアデノシン受容体が増えていく。
これを続けると、脳内でアデノシンとアデノシン受容体がひたすら増えるため、カフェインを少し摂ってもなぜか眠く感じ、さらにカフェインを摂りたくなる。この負の連鎖が繰り返されるようになる。
これにより、たとえ身体は休めていたとしても脳が、疲れている眠い、と錯覚し慢性疲労に繋がる。そして、常に何かに追われているような焦燥感すら感じるようになる。
カフェインをしばらく摂取しないことで、過剰に増えたアデノシンとアデノシン受容体の数を徐々に正常になるまで減らすことができる

2. 内臓での反応

カフェインを摂取することで、交感神経が刺激される。簡単に言うとリラックス状態からやる気満々になるということだ。
交感神経の支配を受けている副腎という臓器がある。交感神経が刺激されて優位になることで、副腎からアドレナリンというホルモンが生成される。これによりさらにやる気満々になる。
つまり、カフェインを摂取し続けると、この副腎が常にアドレナリンを分泌するために働き続けることになってしまう
これがカフェインの慢性的な摂取による、副腎疲労というものだ。
カフェインをしばらく摂取しないことで、この副腎の過剰な活動を正常に戻し、副腎の疲労を取り除くことができる

以上これらが、カフェインレスによって身体の中で起こる反応だ。

■カフェインレス生活とは

カフェインレス生活とは実際にはどのようなものか。
意外とシンプルで、1週間から2週間程度、一切カフェインを摂らない期間を設けることだ。

一般的に、カフェインを一切摂らない期間を14日間ほど取ると、脳内と内臓の状態が正常に戻るとされている
その期間は、コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレートなどカフェインを含む食材を一切摂らなければオッケーだ。もちろんカフェインそのものの錠剤などは論外だ。
飲んで良いものは、水、炭酸水、ハーブティー、麦茶などだ。これらにはカフェインは含まれていない。

このカフェインを摂らない期間の最初4~9日間に、

・激しい頭痛
・全身の倦怠感
・日中の眠気
・イライラ感

などの症状が出ることがあるとされている。これがカフェインの離脱症状というものだ。もちろん症状の出現には個人差がある。
年初めに、試しにカフェインレスをしてみて私がとんでもない頭痛に襲われたのは完全にこの離脱症状である。

■カフェインレス生活の体験記

最後に私のカフェインレス生活について簡単にまとめる。
年初めの失敗経験にめちゃくちゃなトラウマがあったため、段階的にカフェイン摂取量を減らすことにしてみた。

具体的には、

9/01〜10:カフェイン摂取量を200mg以内
9/11〜19:カフェイン摂取量を100mg以内
9/20〜30:カフェイン摂取量を0mg

としてみた。

それぞれの体調の特徴をまとめる。

9/01〜10:カフェイン摂取量を200mg以内

私はコーヒーでしかカフェインを摂らない生活だったので、ドリップコーヒーを1日2杯にした。
この期間はそれほど身体の変化はなかった。
最初の2日間だけは軽く頭痛がする感じもあったが、午後一の2杯目のコーヒーでほぼ無視できた

9/11〜19:カフェイン摂取量を100mg以内

この期間は、ドリップコーヒーを朝一の1杯に制限した。
午前中はいつも通りなのだが、午後からがめちゃくちゃキツかった。
具体的には、午後は頭痛、全身の倦怠感、注意散漫が酷かった。デスクワークや読書は手がつきにくくなっていた。ただ、意外とやり始めるとそれなりに集中はできた。
倦怠感は強いのだが、身体を動かすことやトレーニングに関しては、やり始めると思いの外身体は動いてくれた。また、その最中は頭痛などの離脱症状は消えた。

9/20〜30:カフェイン摂取量を0mg

この期間は、完全にカフェインの摂取を断った。
この期間の2日目が、この30日間の離脱症状のピークだった最初の7日間は、日中の頭痛と全身の倦怠感でとにかくしんどく、必要最低限の作業以外ほぼ手を付けられなかった
しかし、4日目の朝から不思議とスッキリ起きられるようになってきた。5日目くらいから朝コーヒーを飲みたいと思うことはなくなった。
8日目でほぼ完全に離脱症状がなくなり、日中の集中力と意欲が高いレベルで一定になる感覚があった。その代わり夜がめちゃくちゃ眠くなった。10時くらいにはもう眠くて力尽きるように寝ていた。

総括

離脱症状を経て、カフェインの慢性的な摂取によって長らく身体に負担をかけていたのだと実感できた。また、終盤で体調が好転するのことも実感でき、カフェインに頼らず何かに取り組む人間らしさを取り戻す良い機会になった。
カフェイン摂取量を徐々に減らすことで耐性を作りながらのチャレンジだったが、カフェインレス生活全体の11日目から26日目までずっとしんどいダルい感覚があったため、次からはさっさとカフェイン摂取を0mgにして、しんどいダルい期間を少しでも短くしても良いかもと思った

■余談

知識を得ることは強さだと実感した。
前回のカフェインレス生活開始時は、何も下調べせずに始めて、しんどくて一瞬で諦めた。今回は身体の中で何が起こっているのかある程度事前に知っていたため、耐えることができた。この経験は今後の人生にも活かせると思う。

今朝飲んだ12日ぶりのコーヒーはめちゃくちゃ美味しかった。
今後は、コーヒーは毎朝1杯だけにして、2ヶ月に1度のペースでカフェインレス期間を設けようと思っている。この身体とは一生付き合うはずなので、できるセルフケアは率先して取り入れようと思う。

おしまい。

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