プレスリリースは、料理だ
こんにちはKAIです
今回は前職PR TIMESにいる中で実感した「よいプレスリリースとはどんなものか?」について語ります。
※前提としてこれは会社は関係なく、KAI個人の主観です。あしからず。
・広報PRの担当者
・プレスリリース配信を検討している方
・スタートアップで働く方々(魅力的なものもその魅力を伝える術が必要です)
・ライティングについて悩んでいる方(セールスライティング・コピーライティング的な話も絡みますからね)
・なんとなく広報PR職にチャレンジしてみたい/キャリアチェンジを考えている方
・よいプレスリリースに溺れたい方
まずはみなさんも、読み進める前に「よいプレスリリースとはどんなものか?」に対する自分なりの回答を出してみてください!
答えはないですし、いろんな価値観に触れることこそ、プレスリリースをよりよいものにする真髄だとも思います。
◼︎プレスリリースの基本構成と重点ポイント
まずはプレスリリースの基本構成をおさらいしましょう。
ご存知の方は、実例までスキップでOKです!
①タイトル/サブタイトル
②リード文
③メイン画像(サムネイル)
④機能・特徴・背景・今後の展望
⑤画像
⑥企業/団体概要
⑥報道問い合わせ先
各項目の詳細についてはそれこそPR TIMESにてまとまったページがいくつかあるので、それをご覧ください(笑)
○そもそもプレスリリースとは何?配信する効果は?
https://prtimes.jp/magazine/effect/
◯【現役広報が教える】プレスリリースの書き方10のコツ・基本の5構成
https://prtimes.jp/magazine/10-tips/
なのでこのnoteでは上記の中でも「いろんな広報担当者と話し、たくさんのプレスリリースを見てきた中で、ここを意識できると特に強い!」とKAIが感じた基本ポイントを重点的に書きます
<タイトルが最重要>
9割ここで勝負が決まるといっても過言ではないです。
タイトルはプレスリリースの顔・第1印象なので、よくわからんタイトルだと彼氏・彼女のご両親への挨拶に「タンクトップ・ジーパン」で行くぐらいの無理ゲーになってしまいます。
大事な要素は
(i)誰でもイメージできる解像度になっているか?
(ii)受け手が関心がある情報を盛り込めているか?
の2つです。
(1)誰でもイメージできる解像度になっているか?
広報界隈では「小学生でもわかるタイトルがよいプレスリリース」と言われたりするそうです。
タイトルでは専門用語はあまり使わず、誰が受け取っても誤解なく伝えたいことが伝わる粒度にしましょう。
また、大体タイトルは30文字前後、かつ受け手はそのうち15〜20文字ぐらいしか読んでいないこともザラなので、
大事な情報ほど前に記載しないと読んですらもらえない悲しい現実があります。
「早い話が、このプレスリリースで何を誰に伝えたいんだっけ?」と自問し、回答を一言でまず列挙してみることをオススメします!
出てきた情報の中で優先順位をつけて、タイトル案を3つぐらい作成してみるとよいものが作成しやすいですよ!
ここらへんはコピーライティング的な考えが近しいかもしれません。
たとえば下記の高橋書店さんのリリースは、タイトルからターゲット・特徴が明確ですし端的だと感じます。
気になってページを見るとサブタイトルで補足情報がありますし、
本文の中には裏付けとなる調査結果も入っているので十二分な情報量になっている印象です!
また、よくある質問として「企業名を知って欲しいのですが、企業名はタイトルに入れてもいいですか?」というものがあります。
KAIの回答としては「時と場合と目的によります」という感じです。
プレスリリースを出す目的が「会社名を広げたい」であればタイトルに記載して少しでもメディア・生活者の目に止まりやすくするのはありです。
とはいえ新規公開情報ではないですし、相手視点からしたら「●●会社、よく知らないや」となり本文まで進まない・印象にも残らない危険性もあることは意識しなくてはなりません。
「こんな面白い取り組みをしている会社さんはどこなんだろう?」「なんのこっちゃわからないけど続きが気になるぞ」というような読者が自ら進んで企業名まで知りたくなるタイトルをつけられることがベストではあるとは思います。
たとえば株式会社yutoriさんが出されたこのリリースのタイトルは奇抜に見えますが、想いが込もっていて面白いと思いますね!
(2)受け手が関心がある情報を盛り込めているか?
プレスリリースはプロモーションではないので、受け手の視点が必要不可欠です(今のご時世ではプロモーションでも相手視点は必要ですけどね)
「こんな新商品出したんです!すごいでしょ!?」だと自慢話なので、世間はあんまり興味を持ってもらえません。
受け手がどんなことに興味を持っていて、自分が発信したい情報との共通点は何か?を想像することがとても大切です。
なお基本的に人が関心を持ちやすい話題はPRフックという考えがいきます。
◼︎9つのPRフック
①時事性:世の中のトレンド、時流、世相、季節と関連しているか(ex. いい夫婦の日、ハロウィンシーズン)
②新規性:まだ一般的に知られていない新しい情報か(ex.新機能リリース、イベント開催)
③独自性:他にない独自の取り組みか(ex.◯◯初、日本最大級、国内唯一)
④社会性:社会問題や注目テーマと関連があるか、社会や公共に役立つか(ex.インバウンド、AI、不妊治療)
⑤意外性:逆説、矛盾、ギャップなどあっと驚く要素はあるか(ex.渡さない名刺交換、洗わないシャンプー)
⑥影響性:多くの人が名前を知っていたり、関心を持つテーマがあるか(ex.大企業や注目企業のニュース、エンタメ)
⑦人間性:感情を動かすような人間味やストーリーがあるか(ex. 起業ストーリー等のインタビュー記事)
⑧地域性:地域の人が愛着を感じ、盛り上がるような要素があるか(ex. 隅田川で◯◯を開催)
⑨最上性:価値の度合いが明確に伝わるもの(ex. 世界初、××を開発)
◯プレスリリースで目に留まるタイトルをつける7つのコツと注意点
https://prtimes.jp/magazine/title-points/
まずは、上記に該当する情報がないか、先ほど列挙したものから探してみるのがよいです。
独りよがりの発信だと、せっかく時間をかけてプレスリリースを作成しても、誰にも届かないばかりか、悪評につながってしまう危険性すらあります。
届けたい情報(行動や成果)がどんなように社会に良い影響を与えるものなのか、そしてそれが受け手の人にどのようなメリットがあるのか、自分事として受け取ってもらえるように想像力を働かせましょう!!
もしかしたら強みやどんな良い影響があるのかはすぐに言語化するのが難しいかもしれませんが、思考を止めずに考え続けましょう!
おそらくそれは自社・自団体の存在意義やブランディング、競合優位性などあらゆるものを言語化する作業になり、大変なものになりますが、これはプレスリリース作成・広報活動だけでなく、採用活動や資金調達など多くの場面で役立つはずです。
(と、こんな偉そうに言っていますが私も未熟者ですので、引き続き勉強いたします・・・!!)
もしKAIへ添削・作成を依頼されたい方は、ココナラをご用意していますのでお気軽にどうぞ!
https://coconala.com/services/2015628
さらっとに質問されたい場合はTwitterのDMでOKです!
繰り返しになりますが、伝えたいこと・強みが見つかったら、受け手・社会のことを考えましょう。
プレスリリースはプレゼントです。自分がキャンプ好きだからって、インドア派の彼女にテントを贈っても喜んでもらえません。
また、相手が海外旅行好きだからって、今のこのご時世で新しいキャリーケースなんて贈っても微妙かもしれません。
相手が受け取って喜ぶものは何か?これは誕生日前日から考え始めても遅いですよね。
日頃からアンテナを貼っておいて「そういえば最近もっと大きなカバンが欲しいって言っていたな」「世の中的に流行っているカバンってどんなのだろう?」とかって考える必要があります。
プレスリリースも同じで、業界・社会・受け手の関心ごとに常にアンテナを貼っておけると強いです。少なくとも競合他社がどんな情報発信をしているのかは見ておけるといいですね!
◼︎KAIがすごい!と感じたプレスリリース10選!
ここからはKAIが見てきたプレスリリースの中で、これはすごい!と感じたプレスリリースたちをコメントとともに紹介いたします!
繰り返しになりますが、PR TIMESは関係なくKAIの主観なのであしからず。
また、順不同です!
①株式会社ニットさん(HELP YOU)
TwitterやVoicyで発信されている小澤さんが広報を務めるニットさんのプレスリリースです。
あの、もう、本当にすごいです。さすが、元リクナビ副編集長、という感じがします。
そもそもこんなに情報発信の機会を探せるのがすごいです。
広報プレスリリースを始めた方で最も多い悩みが「そもそも出すタイミングがわからん」なんですよ。
それなのに月に10回以上の頻度で安定して発信できているのがもう神です。
そのうえで、ちゃんと効果的な機会でタイミングで、さらに1つ1つのプレスリリースが伝わりやすい文章で記載できているのが本当にすごいです。脱帽。
ぜひ時期をわけていくつか見てみてください!
情報の粒度がブラッシュアップされていくのがわかると思います!
②株式会社資さん(すけさん)
福岡県北九州市小倉に本社を置くうどん屋さんです!
私は仕事するまで知らなかったのですが、妻が北九州市の出身で「知ってる?」と聞いたら「当たり前じゃん!」と言われました笑
キーワードは情報のリアル感・身近さでしょうか。
上記の添付オープンのリリースでは、お客さまの期待の声としてTwitterのコメントを引用されています。
「北九州に新しいうどんチェーンのお店がオープンする」という情報だけでは「ふーん」で終わってしまうメディアさんも少なくないかもしれませんが、
「Twitterで大きな反響があったうどん屋さんが、大分県に初出店する」とまで情報を入れられれば反応も変わる気がしませんか?
メニューの説明も画像もわかりやすく、アクセスマップも用意されているので、近くに住んでいる方であれば「あぁあそこか!」ともなりやすいですよね。
さらに店舗説明だけでなく「資さんという会社は何のために存在しているのか?」をちゃんと記載されているのも素敵だなあと感じました。
◼︎資さんの使命「幸せを一杯に。」
私たちは、いつの時代も、どんな場所でも「最高の一杯」をお届けし、一杯を通じて幸せを分かち合い続けます。そのためにも、「味と品質にこだわり、すべてのお客さまに満足いただける一杯をお届けすること」「気持ちの良い接客と心地よい雰囲気で、いつでもホッと安らげるお店をつくること」「互いに尊敬し合い、相手を思いやることで、安心して働ける職場をつくること」を、資さんで働くすべての仲間が共通で持つ3つの約束として掲げています。多くの幸せと笑顔、活気、ぬくもりを地域に届けていく存在に、そして、「この街に資さんがあってよかった!」と思われる地域の一番食堂となれるよう全スタッフで目指します。
SDGsに関連したリリースもありますし、飲食業界でプレスリリース配信を検討されている方はぜひともご参考にしてみてください!
③アークランドサービスホールディングス株式会社さん(かつやさん)
PR TIMESといえばこの企業様は語らずにはいられないです!笑
プレスリリースを出すたびにランキングで上位を獲得されています。
この企業様を「まあ有名な会社さんだし、BtoCだし、そりゃあPV数稼げるでしょ」と簡単に終わらせてしまうのはもったいないです(その気持ちはわかります)
プレスリリース配信が上達しやすい企業様/広報担当の方はどれだけ業種・規模・知名度が違くても盗める技術を探して自社の活動に取り入れられていることが多いです。ベンチマークして、構成や情報量を真似ることで変わることがあるので貪欲にいきましょう!
さて、情報量は多いなあでも少ないなあでもなく、ちょうどいい塩梅ではないかと思います。
リード文は上記の企業様たちと比べると短めですね。
特徴的なのは「商品発売の背景を端的に表現されていること」だと感じます。
◼︎から揚げだって全力だ!
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、ご自宅で食事をするテイクアウト需要が高まり、とんかつ専門店「かつや」でも、店内で作りたての揚げ物をお弁当やお惣菜としてご利用いただく機会は増え続けています。中でも、住宅地など立地に応じて惣菜が充実した「かつ弁」メニュー販売店舗限定の「から揚げ」は、鶏のから揚げが2個入って1パック150円(税込162円)と手軽でお値打ちとお客様から好評です。
今日のごはんのおかずに、そのままはもちろん、から揚げアレンジメニューも楽しめる、1キロ(約18個)入りの「全力1キロから揚げ」が「かつ弁」メニュー販売店舗にて2021年1月20日(水)に期間限定で登場いたします。
なお、「全力1キロから揚げ」は約18個で1,000円(税込1,080円)と、通常価格1パック2個入り150円(税込162円)よりお買い得価格のため、割引券の併用はできません。
ここがあることで「新しい商品出したぞ!(≒プロモーション)」ではなく「こんな社会的な背景から、新商品を出すことになりました(≒PR=パブリックリレーションズ)」になっている印象が強まります。
また、PR TIMESでは実際に同社の広報担当のお方にインタビューも実施しています。業界が違くても参考になる情報が満載なのでぜひとも読んでみてくださいね。
◼︎「つっこみドコロ」で話題の連鎖を作り出す
本文は長くなりすぎないように気をつけています。
それから「WHY」をできるだけ入れること。
通常、プレスリリースを準備する際に現場から寄せられる情報は「販売時期」「価格」「商品説明」など。それだけでなく、企画時の裏側や、開発者のこだわりをきちんと載せる、ということですね。
「シリーズ化」を提案することもあります。バラバラに発表するより、「〇〇企画・第〇弾!」という形でお届けした方がピンときてもらいやすいこともあるので。
あとは、お客様や記事を書いてくださる方に面白がってもらえたらいいなということで、私たちらしさを強調した企画にすることも。例えばかつやであれば「唐突感」や「ボリューム感」などを意識してつっこみドコロを作っています。
◯発表のたびにプレスリリースランキング首位。PR TIMESを知り尽くした「かつや」広報の秘策
https://prtimes.jp/magazine/katsuya-case-interview/
④株式会社リチカさん
ちょっとテイストを変えて、次はこちらの企業様のリリースをご紹介。
これはもう語るより見てもらったほうが早いです。
※スクショは貼れないので上記URLからぜひとも確認してみてください!
かつて、画像挿入をこのように使用する企業様がいたであろうか(いやいない)
これはもうプレスリリースの無限の可能性を感じさせられるリリースですよね。
社名変更時にこのリリースを出されることで、会社の雰囲気も伝わりますし、いや〜本当にアイデアと実行した決断力に感服です。
このぐらい柔軟に使用してもいい、という一例にもなりますね!
⑤クックパッド株式会社さん
続いてはクックパッドさんの本社移転のプレスリリースです。
反響の大きいプレスリリースの特徴の1つとして「その時の事実情報だけでなく、時系列に沿った情報がふんだんにある」というトレンドが最近あります。
言い換えればストーリー性があるとなりますね。
実はこのオフィス移転のプレスリリースはいくつかのリリースに分かれていて最後が上記のリリースです。
①移転決定を発表(2021年1月22日)
②新オフィスのコンセプトを発表(2021年4月15日)
③オフィス移転(2021年5月6日)
オフィス移転という企業にとって大きな決断を、多数の切り口で世の中に発信している非常に素晴らしい事例であると感じます。
実際、このリリースは、オフィス移転としては珍しくYahooニュースにも掲載されていました。
物語性をもたせた発信にすることで、企業の行動・成果に命を宿すことができ、受け手の共感を呼びやすいものになるかと思いますので、ぜひ検討してみてください!
※ちなみに、PR TIMESでは「PR TIMES STORY」という行動・成果の裏側に隠された背景・想いにスポットライトを当てた配信サービスもありますよ!
⑥ピクスタ株式会社さん
続いては出張撮影プラットフォーム「fotowa」を運営するピクスタさんの調査リリースです。
「自社商品へのリンクがスムーズであり、情報量が十二分にあること」が素晴らしいなと思って今回このリリースを挙げました!
タイトルにはメディア・生活者の関心を引きやすい「7割」「0歳ママ」「子育て」「コロナ禍」というキーワードが並んでいて、
メイン画像(サムネイル)も届けたい対象もわかりやすいですよね。
本文に進むと調査結果のサマリー、メイントピックスを文字とグラフで明示、有識者のコメント、時流と関連した自社商材の紹介、実際のユーザーの反応など、個人的には調査リリースのお手本とも感じるぐらいの情報量が記載されています!
調査リリースを出す際は「こんな調査結果でした」と事実だけ記載するのではなく、
・その調査を実施した背景
・その結果を見て会社として、もしくは有識者としてどう感じるのか
・それと自社商材がどう関わるのか
などを整理して記載できるとGoodだと思います!
⑦株式会社Luupさん
最近話題になっている電動キックボードシェアアプリを手掛けているLuupさんのプレスリリースです。
Facebookでのいいね数が500を超えるほど、大きな反響になりました!
このリリースもぜひともまずは一度見て欲しいですね。
上記URLを開いて上から下まで、さらっとスクロールしてみてほしいです!
「え、こんなに情報量あるの!?」ってなると思います笑
(KAIは「多っ!」ってなりましたw)
10年前とかのプレスリリースであれば、必要な情報を取捨選択して珠玉の情報を凝縮して届けることが好まれていましたが、今はWebでの配信であり必要な情報は受け手が簡単に取捨選択(=カット&ペースト)できるので情報がありすぎて困るということは発生しません
もちろん見出しを活用して情報を見やすく整理整頓することは必須ですが、結構な情報量を記載してOKです(ちなむとPR TIMESでは本文8,000文字まで書けます)
商品開発の背景、商品詳細、アプリの説明、講習会の実施およびその概要、今後の展望、会社代表の略歴とあったら嬉しい情報が適宜画像とともに凝縮されています。
このリリースは約4,500文字ですが見出しもあることから斜め読みしても気になる情報をピックアップしやすいです。
リリースを出すたびにこの情報量を記載することは難しいかもしれませんが、新商品発売やパッケージのリニューアルなど会社として大きな動きの場合は少し意識して多めに記載できるとよいかと思います!
⑧株式会社ティップネスさん
「どんな時にプレスリリースを出せるのか?」と聞かれて、このティップネスさんのような機会を思い浮かべる方は少ないのではないでしょうか?
このご時世ならではの内容ですが、会社として大きな決断・意思決定を含むものであり、メディア・生活者も関心ごとのある内容であるためもちろんプレスリリースをお出しする価値があります。
リリースとしても参考になる事例ですが、個人的には、たとえば「自分の大切な人が関連する施設で就業していたら、今の状況をどう感じるか?」のように想像して、自分事として読んでみると捉え方が変わるのではないかとも思いました。
最後のコメントに、全てが詰まっていると思います。
◼︎最後に
東京オリンピックの開催を含め、業界としては国民の健康づくりの一翼を担い高齢化社会においても日本経済が発展する為の健康な人材づくり(高齢者の定年延長等への対応含む)に貢献して参ります。
現在の施設規模(1000㎡以上・以下)という括りだけの包括的なご判断だけではなく生活必需的な事業につきましては別途検討して頂き休業要請解除のご判断を賜りたく存じます。
何卒、宜しくお願い申し上げます。
⑨特定非営利活動法人Alazi Dream Project
最後2つはNPO法人さんのリリース事例です。
というのも実は私は、PR TIMESにてNPO, NGOなどの社会貢献団体を支援するプロジェクトの責任者も務めていて、NPOさんのリリース配信事情にも一定の知見があります。
その中で、特にすごい!と感じたものを2つ紹介いたしますね。
1つ目は、西アフリカのシエラレオネ国を支援しているアラジさんの寄付型クラウドファンディング開始のリリースです。
まず、これまでのリリースと比べるとリード文が少し違います。
- シエラレオネの若年妊娠女子に復学の機会を -
国内唯一のシエラレオネ専門NGOアラジ、2021年5月5日(水)より、500円から気軽にできる月額寄付型クラウドファンディングを開始
キャンペーンページ:https://syncable.biz/campaign/1626/?utm_source=referral&utm_medium=media9
通常、リード文は5W1Hを意識しつつ「××株式会社(所在地:××、代表:××)が、●月●日から、◼︎◼︎を開始することを報告いたします」のように、端的な文章にすることが多いです。
アラジさんの場合だとさらにより簡潔に伝えたい情報にされています。
情報は、増やすよりも減らす方が難しく、減らしたうえで伝わる文章は洗練された内容になります。
はじめましての方でも、アラジさんが何者なのかがわかり、今回のリリースの新規情報もわかりやすい内容になっていてGoodです!
次に意識されているのが「受け手と前提となる知識量を揃えること」だと感じました。
「シエラレオネを支援するためにクラウドファンディングを開始しました!」とリード文の次に書いても、おそらく受け手はポカーンだと思います。
そこでリリース記載の通り、
・そもそもシエラレオネってどんな国なのか?
・なぜその国の支援を行なっているのか?
・どんな支援を行なっているのか?
・同団体はどういう立ち位置なのか?
など、前提となる情報をまとめられています。
そこから今回の新規情報であるクラウドファンディングに関連する情報を記載することで、受け手が立ち止まることなく、すっと受け取りやすい構成になっていると感じます!
記載したい情報を整理することはもちろんのこと、どういう順番で記載したほうがいいのかも大事ですね!
・・・余談・・・
KAIは高校数学の教員免許を所持しているんですが「短い文章」と聞くと
京大過去問の「tan1°は有理数か」という入試問題を思い出します笑
数学って問題文が短いほうが難しく見えますよね。。。
⑩認定特定非営利活動法人カタリバ
最後は、若者が未来を自らつくりだす意欲と創造性に富む社会を目指している教育NPOのカタリバさんです。
ずばり、キーポイントはタイミングです。
このリリースはブラック校則に関連するものです。
ブラック校則とは「地毛が茶髪の生徒が『黒に染めてこい』と学校側から言われた」という例で話題になった表現で、ある種の差別的な校則のことを指します。
このリリースが配信されたのは2021年2月9日で、その1週間後に「髪黒染め」校則に関する判決が下るタイミングでした。
◯「髪黒染め」校則は適法、府に一部賠償命令 大阪地裁(2021年2月16日 13:27)
茶色っぽい髪を黒く染めるよう教諭らに強要されて不登校になったとして、大阪府羽曳野市の府立懐風館高校の元女子生徒(21)が、府に約220万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、大阪地裁であった。横田典子裁判長は元生徒側の訴えを一部認め、府に33万円の支払いを命じた。髪の染色などを禁じる校則は「学校の裁量権の範囲内」との判断を示す一方で、不登校後の学校側の対応を違法と認定した。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHC10AFC0Q1A210C2000000/
自ずと「ブラック校則」という言葉に対するメディア・生活者の関心は高まります。
このタイミングで有識者を招いて教育NPOならではの取り組みを発表することで、大きな反響を呼ぶものとなっていました。
「クリスマスに、暑中見舞いにぴったりの新商品リリースを出したら反響がなかった」
これは当たり前と感じられると思いますが、同じように内容が類似していても世に出すタイミングでその後の反響が大きく異なることは往々にしてあります
「新商品の発売日が10月1日だから、その近辺で出します」と言いたくなるかもしれませんが、PRの視点だと「そもそもその新商品の発売日はいつがベストか?」と、企画の段階から発売日も逆算できるとベストです。
少なくとも「10月1日付近で、新商品に関連する記念日や話題の出来事はないか」はチェックしておきたいですね!
◼︎まとめ:どうしたら相手に喜んでもらえるか考え抜く!
以上、ここまでお読みいただいてありがとうございました!
PR=パブリックリレーションズは、大切な人に自分のことを伝えるコミュニケーションツールの1つなので、独りよがりにならず、相手と相手を取り巻く環境のことを想像するのが何よりも大事だと私は思います!
たとえば、私は最近テレワークで自炊することが増えていますが「どうしたら妻はおいしく食べてくれるかなー」と想像して献立を考えています。
「この間、お腹痛いって言っていたなー。だったら脂っこいのは避けたほうがいいな。でもお肉料理が好きだし、あっさりしすぎているのも違うかもなー。そういえば冷蔵庫にナスがあまっていたな。今のナスは旬でおいしいんだよねー。あ、自分的には今日は中華っぽい味付けが食べたいな。それなら・・・」というような思考回路です。
これってパブリックリレーションズに必要な要素が凝縮されていると思うんですよね。
今の状況の把握、受け手の関心ごとの把握、自分ができることの把握、そしてそれならが重なり合う部分を見つけてアウトプットすること。
何より届けた後の相手の笑顔をリアルに想像していること。
(思うように喜んでくれなかった時の落胆加減も同じですね笑)
プレスリリースと聞くと、少し馴染みのない活動だと感じてしまう方、強張ってしまう方もいるかもしれませんが「料理と同じ」と考えると身近な気がしませんか?
ちょっと背伸びしておしゃれな料理を作るのもいいですが、まずは相手の好みを把握しましょうね!
そして、よい料理を作るためには、よい料理を食べていると良い、と言われるように、
よいプレスリリースを作るには、よいプレスリリースに触れていることも大切です!
ぜひとも皆さんも、皆さん自身が感じたよいプレスリリースをnoteでコメントやTwitterで教えてください!!
以上、KAIでした!
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