タグラグビーから得た学び -生活やビジネスのヒント-⑦結果と内容

【内容にこだわろう】
前回は振り返りの話だったが、今回は評価について別の切り口で話していきたい。
勝敗がついたとき、あるいは結果から私たちは評価をしてしまいがちだ。仕事でうまくいったらよかったところをたくさんこたえられるし、できなければ悪かったところはたくさん出てくる。
だが、結果というものはそこまで重要ではない。少なくともジュニアカテゴリーで地区大会のベスト4以上に残るチームの場合は10回やって勝敗が変わらないことはなく、各チームに1~2回勝つチャンスはあるはずである。重要なのは目標とする大会や試合でしっかり「勝てる1~2回」をしっかり引き当てられる方程式を作ることである。

勝利や成功には時に自分たちではない外部要因的ないわゆる「運」の要素が要因となることがある。相手がミスをしてくれた、集中力が欠けた、あるいは天候が悪く実力が発揮されなかったことやレフリングとの相性といったこともあるだろう。
一方で負けには必ず自分たちに理由がある。先に紹介した自分たちのミスはもちろん、天候やレフリングについても本来であればそれに対する事前準備をしておくことで対応できたかもしれない。やって終わりではなく、そこから何を学ぶか、それが出来れば負けは次のための必要な財産とすることが出来るはずだ。

私は「勝った試合でこそ反省点、負けた時こそよかったところ」を探している。
言葉でいうのは簡単だが、人は物事を結果から判断しやすい傾向があるので、内容をみるために結果からは気付きづらい勝った時のマイナス面、負けたときのプラス面に目を向けるための意識付けのようなものだ。
言い訳だったり、難癖をつけるというように見えるかもしれないが、大切なのは内容による収穫と公式を作ることによる、結果が出る仕組みづくりを行うことである。


私は失点0にこだわる。8-1より7-0の勝ち方に価値があると思うのだ。同じ7点差だが、0と1では意味が異なる。逆に負けた時に、同じ7点差でも1点取れたら次は2点取れるという少しだけ光明が差していると感じるのだ。つまり「1点を取られると点が取れるビジョンを相手与えてしまう」ことに非常に危機感を感じているのだ。試合の大勢に大きな影響を与えるものではないのかもしれない。あるいは、挑戦したからこそのミスなのかもしれない。だが、ちょっとしたことが大会直前の「勝負の11月」の明暗を大きく分けるのだ。


逆に負け方も大切である。負けたときに選手が悔しがったり、時に涙を流しているパターンとケロッとしているパターンがあるが、これがいい負け方をしているかどうかの基準だと思う。負けて悔しいのは、本気を出しきった末に負けた証拠である。実はこの本気の負けにこそ意味があるし、だから悔しいはずなのだ。本気で負けたら次にやることは今以上の努力だ。少なくとも、この負けは今後の練習への意識や気づきを得られる、「価値ある負け」になっているかもしれない。逆にもし悔しくないなら、本気ではないか合理化していることや、本気ではない何が課題かわからない「価値の低い負け」をしてしまっているかもしれない。


一番よくないのは「あそこでミスしなかったら勝てた。つぎはいける。」という自信のある話が出たときだ。
これのいけない点は、課題が明確かつ簡単に見えて、思考が止まることである。
ではなぜできなかったのかまで、考えているだろうか。
簡単なミスと片付けるのは簡単である。だからこそ、簡単なミスをしてしまうのはなぜか、簡単なことは完璧にできるようにする。当たり前のことを当たり前にするのが大切である。
今一度自分の日々の行動の振り返りをして次につなげていってほしい。

【練習は本番のように、本番は本番だからこそ楽しもう】
よく「練習は本番のように。本番は練習のように。」というが、これはどうだろうか。個人的には「本番は本番だ」と思う。あらゆる準備をしても本番は本番である。緊張しないのだとすればそれは本気で準備をしてきていないからかもしれない。努力をした分だけ、ミスしてはいけないと思う選手心理はすごく理解できる。
ともすれば、「練習は本番のように、本番は本番である。」が正しいのかもしれない。練習の中でちょっとしたミスにこそ、厳しくあれる自分を作れるか。それの繰り返しをしていくと緊張感が漂うなかでも自分のプレーが出来るのだ。これはタグだけでなく、入試などにも置き換えられるのだ。ミスしたくない場面でこそ実力を発揮する、その準備こそが練習の本質である。
だからこそ、練習や事前準備こそ本番の空気で行うべきなのだ。緊張を飼いならし、自分の力が発揮できた時、きっとあなたは自分の努力が報われて、本気の勝負の楽しさを感じられるはずだ。
本番で楽しめる自分を作るために、練習で自分に厳しく、そして正しく努力することが大切なのだということはぜひ覚えておいてほしい。

【目先ではなく本質を見よう】
以上から振り返り、試合結果・練習の評価及び練習の向き合い方について説明をした。目先の結果がわかりやすいからこそ目が行きがちなのだが、そればかりに追われると対処すべき問題を見落としたり、逆にできていることが見えていなかったりする。どの試合や練習でも何の成果もないこともないし、反省がないこともないということを覚えておいてほしいのだ。あなたのその小さな気づきがチームにとって必要な気付きになるのかもしれないから、一歩立ち止まって冷静に状況を整理できるそんな人材になってほしい。

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