タグラグビーから得た学び -生活やビジネスのヒント- ③チームメイトの定義
【チームメイトは関係者全員である】
ここまで目的と目標による何をなぜやるのか、そしてコンセプトによって何を表現するのかについてお話をした。
次は「いいチーム」とは何かをお話ししたい。
チーム作りと書いたが、チームとは何だろうか。
誰までがチームメイトだろうか。
結論から言うと私は、そのチームに関係する人全員がチームであると思う。特に小学生スポーツは選手と監督だけでは成立しない。保護者はもちろん兄弟や、セカンドチーム、はたまた地域の人だって広い意味ではチームと定義できる。これはきれいごとではなく、理性的な話でそう捉えている。
前提としてチームは目的達成のために存在し、行動するものだ。何か成し遂げたいことがあって、そのために多くの人材という資源を使用することで達成すべき目標や目的の実現を行っているのだ。
「目的達成のために人材という資源を使う」そう考えたときにチームとは果たして選手・コーチだけだろうか。
これは捉え方なのかもしれないが、選手・監督だけととらえるか、保護者・兄弟・団体のメンバーはたまた地域の人までととらえるか。これはチームにおける人材という資源の量がどの程度かというところに直結する。
資源の量は戦略を決める上で非常に重要である。戦略とは「目的達成のために、限りある資源をどのように分配するか方向性を決めること」だと前にお話しした。この時に資源の量が多ければ多いほど選択肢が増えたり、行える幅が広がるのだ。監督の仕事は資源の配分を「決めること」にあるのだと思う。だからこそ、資源がどの程度あるのか、見落とすことがないようにしたい。認識の問題ではあるが、認識次第でチームの進む方向性が大きく変わるということになる。
チームの範囲を広げるにあたり、特にどこの団体やスポーツであっても、セカンドチームは同じチームだととらえるべきである。トップチームを指揮している人や経験がある人は気づいているかもしれないが年間で最もトップチームが試合をするのはセカンドチームである。どこのチームもトップチーム対セカンドチームを練習の中で行っているはずだ。だからこそ、その試合のクオリティが高いほど他のチームよりも経験値は高くなる。他のチームと同じ練習をするだけでも効果が変わるのはこういった差なのだと思う。結局はどれだけの集中力のある練習が出来るのかだ。
不思議なことに、毎年全国大会に行くチームはセカンドチームが非常に強い。全国でも有数のチームはそのチームのトップチームより強いんじゃないかとも思うようなセカンドチームが完成していたりする。そのチームと毎週試合をして、勝つことが求められるという緊張感で練習試合をし続けていることがそのチームが毎年全国大会にでる強さの秘訣なのだと思う。
もし、あなたの所属するトップチームがいい成績や目標を達成すればそれはセカンドチームのおかげといってもいい。セカンドチームの質が団体の総合力なのだと思う。
だからこそセカンドチームの監督というのは極めて大切である。
セカンドチームは次の年のトップチームの骨格になることも多いはずだ。
彼らは団体の未来であり、最高の練習相手なると練習の質は格段に上がる。ともすれば、セカンドチームを任される監督の手腕が団体の本質的な強さを示すのかもしれない。
もしあなたがセカンドチームを任されているのであれば、むしろ自分たちがトップチームだとみんなが思えるようなチームを作ってほしい。あるいは監督や選手としてセカンドチームに不本意ながら担当になったとしてもそこで諦めている場合ではないのだ。むしろ、そこからがあなたの力が試されるのだ。あなたのそこからの頑張りこそがトップチームいや、その団体の力となっていくのだから、存分に成長して団体に貢献してほしい。そうすれば貴方も立派なチームメイトになれるのだ。
これ以外にも保護者や兄弟も同様に協力している。地域の人に関しても同様だ。全国大会に出場するチームのなかには町を挙げて応援をしてくれるチームや、お店が張り紙をしてくれている地域もあるようだ。そのような地域は町全体がチームといえるかもしれない。最近は地域の助けなしに成立しないことも多いのだ。スポーツを行える環境に感謝していきたい。
逆にトップチームならその人たちの協力に感謝し、選ばれた責任をもってプレーをしてほしいと思う。それは監督もそうだ。選ぶことや任された責任と向き合うことが大切なのだ。
私は出来るだけ練習に参加するし、遠征にもいくようにしている。それは任されている責任があるからだ。ボランティアなので、きっといかなくても責められないだろうが、私が私自身を認めるためには大切なことであり、だからこそ選手からの信頼につながっていると思うのだ。
あなたは自分がいい選手・監督・上司・部下・先生・選手であると認められるだろうか。きっとあなたの関係するコミュニティの全員が自分はいい○○だと思えるのならそのコミュニティはいいチームなのだと思う。まずは、人の評価ではなく自分の評価から始めることが大切なのだ。
あなた自身がいい○○にだといえることから始めるとよい。
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