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仕事と学歴の相関性

久々の更新になります。
いきなりなタイトルですが、フォローしている色んな方が話題にしているこのテーマ、私も思う所があり少し書いてみます。

よくあるパターン①は、学歴は無いがそれなりに事業で成功した方を「見た」「何も成し遂げてない」方が、「学歴なんて何の意味もない」と切り捨てて反論を産むケース。
パターン②は、noteでよく見るのですが、「学歴はあるのに仕事で輝けていない」方が、「仕事を難しい事として切々と述べる」ケース。

私は学歴はそこそこで仕事は出来てしまったパターンなので、①にも②にもはまらず、「旧帝大かつ文学部という環境で学んだお陰で、生きていくのに恥ずかしくない教養が身に着いた。この教養と仕事にはほぼ相関性はないが、一次文献を読み解き相関性やパターン化などの類推をやって来た学生時代の経験が、効率的な仕事に活きた部分はある」と捉えています。

なので、学問の経験値も仕事で活用できるオプションの一つというスタンスです。
では改めて、一般的な解を導くために少し掘り下げていきましょう。

1.学歴を得るという事…勉強という成功体験

まず、大学受験の為の勉強はとても簡単です。

多少内容は年次でアップデートされているものの、考え方を理解して応用していくパターンか、大切だと思われる内容を記憶していくパターンを何十年(何百年?)も踏襲し続けており、フォーマット化されています。

理解力と記憶力とは、共に仕事でとても活きるスキルなので、この2つを極めるだけでも十分に仕事ができる人間になる気がしますよね。

受験勉強について言うと、範囲が決まっていて選択肢が絞られていく事から、やりこめばどんどん腕が上がっていきます。
狭い箱庭の決められたルールの中で、みんな同じ競技をしていく訳ですが、他に楽しみを見つけた人や、そもそも勉強自体が楽しめない人は協議の中から勝手に脱落していきます。

私は美術部から藝大を目指していて、高3の夏までは半分脱落しかけていたのですが、藝大にも一定程度センター試験の点数は必要だったこともあり、最低限(9割程度)のラインを押さえる程度のお勉強はやっていました。
後期試験にある小論文との組合せを本命に勝負をかけ、現役で大学に合格する事が出来ました。

ただ、私は所詮ゲームの入り口に過ぎない「センター試験(今でいう共通テスト)」という超イージーモードで高得点を取って学歴レースを降りてしまったのに対し、ガチで箱庭ライフを楽しんでいた方は、通常モード、更にハードモードまで極めて東大や京大合格といった成果を勝ち取られたのだと思います。
そう、ある程度(早慶東北つくば阪大一橋東工大)の学歴とガチ勢(東大京大+医)の分水嶺になるのは、同じルール、同じゲームのやり込み度が閾値になっているというのが本質じゃないでしょうか。

ガチでやりこむ事で自分の能力があると分からせる、しかもゲームと違って永遠にトロフィーとして価値が残る事に血道をあげる人が沢山いるのも理解できます。
しかも、医者のようにこのゲームをハイスコアでクリアしないと成れない専門性の高い仕事もありますしね。

他方で、イージーモードでも8~9割の点が取れない人というのは、そもそもルールの全体感を把握していなくて、何となくゲームに参加している、その理解度が閾値に影響していると考えています。
(私の長男がまさにこのゾーンにいて、解像度があがって来ました)

もう一つ、勉強というゲームは、人と競争しているようで実際には誰とも競争しているわけではなく、自分が出来るか否かだけで決まって来るのも大きな特性かと思います。

2.仕事というゲームのプレイヤー

では今度は仕事が出来るって何なんでしょう。
まず想像しやすいように、一般的な会社に当てはめて考えてみます。
※この場合の仕事とは、ホワイトカラー職の業務を想定しており、ブルーカラーの業務はスコープ外です。必要ならその理由も補足します。

営業、設計、品管、総務、経理…などなど、配属された会社や部門によって仕事の専門性があります。
どの仕事においても、まず、極めたらこんな事が出来て…という姿が有る筈なのですが、面白いのが、いざ配属されて先輩たちを解像度高く見ていくと、仕事を完璧に出来る人など誰一人としておらず、ほぼ全員がどうでもいいような平凡なことに時間を浪費してみたり、ミスをやらかしたりしており、仕事を極めている人などほぼ周りにはいないという事です。

勿論どの職場においても「何となく極めてそうなエース級」はいるものの、その人がどういうステップ感で今のスキルを身に着けた、あるいは、どういう意識で仕事に取り組んでいた、等は本人が他社と差別化する為の個人ノウハウになっているケースが大半です。
周囲の先輩たちもエースが何故エースとして君臨しているかも理解しておらず、理解しようともしていないとの事です。

これは私が22歳でJTCに入ってびっくりした事でしたが、今では理解出来ます。

仕事が出来ていく為のノウハウは、一般論だったり、会社によっては達成ぶりを評価するOJTマップなどはあるものの、実態として「これをやれば仕事が出来る人になる」というマニュアルも無い上に、参考にしたい先輩も揃いも揃ってポンコツ揃いで、イマイチ参考にならん状況に新人は放り込まれます。この外部環境を正しく理解する所がスタート地点になります。

3.仕事というゲームで活躍するために

もう一度書きます。
勉強というゲームは簡単です。

チュートリアルの時間がゲーマーに公平に与えられ、その中で得た知識の反復だけでスコアを積み重ねる事が出来ます。
攻略するためのヒントを教えてくれたり、やり込みのテクや考え方を指導してくれる組織も存在しています。
また、内容は多少進化すれどもルールの大枠は70年以上全く変わっておらず、ノウハウも世の中にあふれています。

他方で、前述したとおりホワイトカラーの仕事は、マニュアルや完璧な教育システムが整備されていない中OJTで仕事を覚えていく事になります。
更に、教えてくれる先輩たちも大半が大して仕事ができるわけもなく、最大効率や完璧なやり方など身に着けていません。

高学歴で育ってきた人間は、今まで育ってきた箱庭の中で、理解力と記憶力をフルに活用しながら、非常に高い解像度で目の前の課題に当たってきており、全ての課題は自分の判断と思考力で解決する事が出来ました。
出来ない場合も、その課題をクリアする事に特化した教育機関や参考書等を活用すれば、容易に回答を導き出すことが出来ました。

ところが、新たに始めた「仕事」というゲームの中では、周りの先輩たち、上司さえもイマイチ課題に対する解像度が低く、仕事の全貌も把握しきっておらず、みんなが手探りの中で間違いを沢山起こしながら、おおよそ完璧と言えない仕事のやり方を押し付けてみたり、場合によってはそこに異を唱える骨のある生意気な新人をいびってみたりするのです。

要は、誰も正解を正しく把握しておらず、「問題が露見した」「失注した」等が無ければ答え合わせをする事もなく、上手く行った事を成果として積み上げていき、数字が行ったとか、いい商品が出来たとか、結果で評価されていくのです。

更に本人がいくら頑張っているつもりでも、外部環境により成果は変動しますし、更に上司や先輩の好き嫌いで、その成果さえもバイアスがかかっていきます。
その上厄介な相対評価によって、別のお気に入りが存在していれば、折角の成果も表に出る事が無かったりします。

文字に起こすとウンザリしてしまいそうなこのゲームですが、親和性の高い属性を持った方々もいます。

・元々大して勉強というゲームに熱心に取り組んでおらず、分からない事が沢山ある事を前提に生きてきた人たち
(先ほど挙げた「ある程度の学歴」より下のレイヤーの方々)

・速攻で体制側に順応し、一緒に「仕事って大変っすねー」スタンスで上司や先輩に取り込まれる体育会系の人たち

こういった方々が、OJTで右往左往しながら一生懸命仕事の全体像をつかみ、やがて順応していく事で、仕事が徐々に出来る様になり先輩たちにも可愛がられ…というのが、JTCにおけるゲームの活躍の手法なのです。

このルールが若いうちに見えてしまい、ダラダラ時間を使い切っていくタイパの悪さに気付いてしまった意識高いZ戦士たちが、ホワイトJTCからコンサル等に流れたりするのではないでしょうか。

3.高学歴キャラが仕事で輝くためには

ここまでゲームのルール差を説明して来ました。
では、高学歴社員はことごとくJTCでは使い物にならず、コンサルでも行かないと幸せになれないか…というと、私はそうでないと思います。

叩き上げで社員から社長になったりしている方の多くは、むしろある程度学歴が有る方の方が多い筈です。
勿論、成功者の中には高学歴×体育会系というESTJ系キャラも多く含まれていると思いますが、中には勉強以外にさほど取り柄のない方も多くいる筈。
彼らがどう生き残っていくか…でいうと、大きくは2パターンの生存戦略に分かれるのではないでしょうか。

1つは、職場にいるエース級のシゴデキ振りを、その地頭の良さを最大限に発揮し高解像度で読み解いて、自分が足りない能力との差を明確に把握し、その差を潰すための能力開発のスケジュールを建て、PDCAを回し、やり切っていく事です。

職場にいる大半のポンコツ社員たちは、こういった努力もせずに「あいつは凄いわー」だの、「ああいうやつが偉くなるんだよー」だの言って思考停止していますが、そこをこじ開けて自分だけは孤高の存在を理解し、差を埋めやがて凌駕していく事を目指せば、明らかに成果が変わって来る筈です。

また、ここに私が記載した内容は、全ての仕事において必要な進め方なので、自己開発だけでなくあらゆるケースに流用出来ます。
また、実はポンコツ社員たちもなかなか役にたつ存在でして、どうやれば仕事がうまくできないのかを教えてくれるいい教材になるので、その無能っぷりを解像度高く理解していく事と、感謝の気持ちは忘れない様にしましょう。

もう1つは、あえてプライドを捨て切り、自分と毛色の違う低学歴や体育会系の同期と同じやり方を取って、先輩たちに可愛がって貰う事です。
同じことをキッチリこなせば、基本スペックが高い分あなたの方がきっと成果が出るでしょう。
そのやり方を20年継続出来れば、あなたは押しも押されぬJTCのエース社員として君臨できている筈ですから。

ただ、2つのどちらのケースも、解像度高く他者の行動パターンや思考を読み解く能力と、自分の現在の立ち位置を正しく把握するメタ認知能力が必要となりそうです。
学生時代には、この2つの能力開発に取り組んでみるのも良いかもしれませんね。今更手遅れで、JTCにもいたくない人は…コンサルでよければ、私がリファラルの扉を開いて待っているので、ご連絡お待ちしております。

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