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みんなの日本語1「介護編」第25課

授業の導入や会話練習の参考になれば幸いです。

・仮定条件「たら」
・確定条件「たら」
・「ても」

場面1 天気による外出の提案「たら」

【補足】外を眺めていたり元気がない利用者様とお天気の話をすることがよくあります。中でもお散歩が好きな利用者様には「このあと」「午後」「明日」という近い未来のお散歩を提案すると急に元気が出たり、やる気になったりしてくださいます。私たちもその表情変化に温かい気持ちになります。
 表情を変えなくても、無言であっても、何を言われているかは理解されているように思います。ほんの少し顔や手などどこか微妙に動くこともあり、反応してくれることもよくあります。慣れた職員はそういうところを見逃しません。ちなみに私の最初のトレーナーは利用者様の「あ~」という音の高低や長短だけですべてを理解していて、会話が成立していました。利用者様の個別反応を理解するのも職員の務めだと痛感した瞬間でした。


【補足】介護サービスを利用される方々の中には入浴を嫌がる方も少なくありません。利用者様や入居者様、衛生や健康面、体のチェックなども兼ねてぜひ入浴していただきたいのですが、あの手この手を使ってご案内しようとしても拒む方はいらっしゃいます。介護士泣かせといいますか、逆に介護士の腕の見せ所かもしれませんが。
 勤務した中での話ですが、デイサービスでは比較的入浴や食事を楽しみにしている方が多くいらっしゃいました。ちょっと車いすの場所を移動するだけでも「お姉さん!私まだお風呂入れてもらってないよ。楽しみに来てるのに、もう帰らせるの?」とお叱りを受けたり・・・。介護士とお話ができる時間がこの入浴時間だったりするので、あがったあとは生き生きとしているかたが多いです。ま、介護士の人数が少ないと、そんな余裕もないですけどね・・・。本当はゆっくり話したいんですよ、介護士さんはみなさんお世話好きなんですから。

場面2 完了後の行動を依頼する「たら」

【補足】有料ホームでは各居室のトイレを使用するので、ボタンが押されたら介護職員のピッチがなるようになっています。デイサービスでは談話室や食堂のベルがなり、介護職員がトイレに向かいます。
 デイサービスではトイレにご案内した後、内見守りは中で、外見守りはドアの外でご用が終わるのを待ちます。トイレを出る前に必ずベルのボタンを押すよう伝えます。施設によってはファミレスなどで見かける持ち運び便利なベルだったり、マラカスだったり、演奏で使われそうな大きなベルだったり、さまざまですが何らかの方法で終了をお知らせいただきます。
 転倒や衣服の尿汚染など心配事は色々あるような方は内見守りですが、外見守りでも遅かったりするとドアをわずかに開けて覗いちゃうこともあります。安全のためですよ!
 さらに遅いとノックして「失礼します」と声をかけ、「開けますよ」といってからドアを開けて様子を確認します。念のためボタンを押して、鳴るかどうかを確認することもあります。

場面3 薬を飲んだ後の依頼(指示)

「薬を飲み終えたら、このままお待ちくださいね」
「薬飲んだら、30分ほどここにいてね。また呼びに来るから(お声掛けますから)」
「薬飲んだら、13:10までここにいてくださいね。あの時計、今12:40でしょ?」
【補足】食後服用を介助する際に、服用した後少し座位のままいてもらうことがあります(逆流性食道炎の予防等。人によっては左側を下にしてベッドで寝てもらうことも)。テーブルに付箋を貼り付け〇時〇分と記載し、ご本人も職員も分かるように明示していることが多いです。 
 お席を立とうとしたり、部屋に戻りたいと意思表示されることもあり、理由説明をしたりなだめながらしばらくいてもらいます。
 飲まずにポケットに入れたり、捨てたりする人もいらっしゃるので、そういう可能性がある方については飲み終えるのを見届けます。口の中に入れたこと、口の中が空になったこと、を確認します。

場面4「ても」の実際の使用例




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