北斗の暴走と南の苦笑い/『ウルトラマンA』覚え書き(2)
前回、『ウルトラマンA』の第一話について記した。どんなドラマも、最初の回は世界観の設定やキャラクター説明に終始する事が多い。特にウルトラマンシリーズは子供向けの30分枠だ(正味は25分弱)。本格的なドラマは、第二話から始まる。
『ウルトラマンA』第2話/大超獣を越えてゆけ!
脚本=上原正三/監督=筧正典+満田かずほ(のぎへんに斉)
第一話、いきなり先輩隊員を置き去りにして、単独で出撃するという暴走をやからした北斗星司(高峰圭二)だが、竜隊長(瑳川哲朗)がきちんとペナルティを与えなかったせいか、またしてもやからす。
大平洋の上空に、全長20メートルと巨大な卵型の未確認物体の飛来が確認された。出撃しようとする隊員たちを押しとどめ、竜隊長は、攻撃機(タックアロー)でパトロール中の北斗に追跡調査を命じる事にし、南夕子(星光子)が通信機で北斗に呼びかける。以下、そのやりとり。
北斗「こちら北斗。南隊員、そろそろ始まるのかい、パーティ?」
南「パーティ?」
北斗「俺たち2人の、歓迎パーティだよう」
竜隊長「馬鹿者! 貴様、遊覧飛行してるんじゃないぞ。いいか、太平洋上空に未確認物体がキャッチされた。すぐ追って確認しろ」
北斗「分かりました、隊長。ただちに飛行物体追跡に移ります」
竜隊長「こら! 場所も聞かず、どうやって行くつもりだ?」
北斗「そうでした」
竜隊長「おっちょこちょいめ」
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