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作家KAIオリジナル直感小説|story8「すれ違う想い」
これまでのあらすじ
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作家KAIオリジナル直感小説
をまとめた無料マガジン
本編
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大切なひとの死____。
そして
残酷なことに
souはその後
彼女と同じ病を
宣告されることになる
窓辺におかれた
1輪の向日葵が
こちらを向いて
華やかに咲きひらく
君はとても強いひとだった
弱さをすべて受け入れて
笑うことを選んだのだから
ほんとうに心から笑って
過ごしていたんだとおもう
残された命の時間____
君と同じ景色を
僕はみたい
彼女の死から
触れることができなかったギターに
手を伸ばす
ピックが優しく弦にふれて
柔らかな音色を奏でる
その音色が
心に染みて
癒されていく
何かが吹っ切れかのように
丁寧にギター抱いて
いつもの路地裏へと
足を運ぶ
路地裏にいくと
いつもの場所に
凛が待ち構えていた
凛「やっときた!!心配したんだから。」
souは
凛と一瞬 目をあわすと
冷たく視線をおとす
sou「…ごめんな。」
souは
凛からの長年の好意に
気づいていた
でも
心から愛した彼女とは
真逆のタイプの凛の好意を
受け入れることはなかった
ただ
" 幼なじみ " としての凛を
大切におもう気持ちに
嘘はなかった
" 幼なじみ " といっても
年齢に差がある2人
物心ついたころから
親どうし 仲がよく
そばで時間を過ごすことが
多かったふたり
高校生の凛と
時間が経って " 高校 " に通うsou
" 妹のように懐いてくる凛 " を
兄のような気持ちで
大切におもってきた
凛の回想
あの日
" 好きなひとに残された時間を
身近で見ていくことが怖かった "
だから
蓋をするかのように
" 能力 " を使うことを選んだ
" いずれ元に戻るなら…
好きなひとの命も
消えた音も
わたしは失わずにすむ…。"
つづく