バターとバターナイフはすてきなもの
おおきくて、しかくくて、かたくてきいろ。
ブロックのようなのに、とろりととける。
バターはとってもおいしい。パンにぬってもいいし、フライパンにひとかけ、たまごややさいをいためてもおいしい。パンケーキにのせてもおいしい。
バターをつかうときにひつようなもの、バターナイフ。
バターナイフは、ぬるためのもの。
やわらかくなったバターならきれるけれど、やさいやおにくなんかはきれないし、フォークのようにさすこともできない。2ほんもっていても、おはしのようにはさむこともできない。
バターナイフはとってもへいわなのだ。
キッチンのひきだしのなか、それかスプーンやフォークなんかといっしょにたててあるかもしれない。いまかいまかと、てにとられるときをまっている。まるみをおびたかたちが、やわらかいくうきをつくっている。
「ねえ、おかあさん。ぼく、どうぐにうまれるなら、バターナイフがいいな」そういうと、おかあさんはふしぎそうなかおをした。
だから、ぼくはバターナイフがどんなにへいわで、すてきなどうぐかを、おかあさんにせつめいしてあげた。すると、「そんなふうにかんがえたことなかった。バターナイフがかわいくみえるね」とにっこりしていた。
ぼくは、もうひとつバターナイフのすてきなところをみつけた。バターナイフのはなしで、えがおになれるんだ。
しょうらいぼくは、バターナイフをつくるひとになろう。
バターナイフをたくさんつかう、つまり、バターたっぷりのりょうりをつくる、コックさんもいいかもしれない。
バターナイフをつかうぼくは、もちろんしあわせ。ぼくのつくったバターたっぷりのりょうりをたべるひとも、しあわせになれる。
あしたのあさは、パンケーキにしてもらえるようにおかあさんにおねがいしておこう。そして、ぼくもいっしょにつくるんだ。おかあさんは、ぼくがいっしょにキッチンにたつのがすきだ。
いっしょにりょうりすると「キッチンがずこうしつみたいになる」といいながら、やっぱりにこにこえがおになるから。
やっぱりバターとバターナイフ、りょうほうたくさんつかう、コックさんになろうか?ぼくはりょうりもすきだから、ぴったりだ。