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お母さんがジャズシンガーになってた話
こんにちは。奈鳥です。
今週は写真を振り返るシリーズはおやすみです。
その代わり、違う話を書いていこうと思います。
4月の終わり、おじいちゃんが亡くなりました。
93歳でした。
昨年の夏くらいまで運転していたくらい元気でした。突然でした。
本人も「なんでワシが病院に行かにゃいかんのだ」って言いながら搬送されてたらしいので、本当に突然だったんだなと思います。
それがきっかけで実家に帰ることになりました。
久しぶりに帰ることになったので、正直ちょっとワクワクしました。
実家の方にゆっくり帰るなんて本当にした事がなかったので……。
そこでお母さんに連絡を取りました。
お母さんとお父さんは離婚していて、今回の葬儀はお父さん側のみですることになったので、お母さんは何も知らないまま。
亡くなったことを伝えて、帰るから会いたいと言いました。
連絡していた次の日に行っていい?と聞くと、母から一言。
「お母さん、明日ライブやねん。」
ライブ……?観に行くんだろうなぁ。
そう思っていると、
「かほちゃんも来る?」
今からチケット、取れるんだ。
凄いなぁ〜と思ってそのまま取ってと伝えました。
次の日の夕方、仕事終わりのお母さんと合流しました。
すると「ごめん、お母さん用意せなあかんねん。かほちゃん待っててくれる?」と、トイレの前で待たされました。
20分くらいかかって出てきたお母さんはめちゃくちゃめかしこんでいて、素敵でした。
後ろでひとつにまとめた髪型、素敵な柄のワンピース、ビーズのピアス。
すごく似合っていて良いなぁ〜と思いました。
そのまま徒歩でライブハウスに。
ジャズの音楽が流れてきました。
ジャズライブだとそこで気づきました。
席に座ってジャズを聴きながらパスタとピザを食べていたら、お母さんがカバンから何か取り出しました。
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Fly Me To The Moonと書かれた楽譜でした。
そこで気づき始めます。
元々ボイスレッスンに行って歌を歌っていたお母さん。
ジャズがすきなお母さん。
身内の方たちとバンドを組んでたまに歌ってると言っていたなぁ……。
点と点が繋がり、ここで気づきました。
「もしかして、お母さん今から歌うのでは……?」
そしてジャズの演奏が止まり、MCに入ると
「じゃあかほちゃん、行ってくるね。」
と言って楽譜を持ちながら立ち、歩き始めるお母さん。
「○○さんどうぞ。」
と呼ばれ、ステージに上がるお母さん。
お母さんがステージに立って歌うところを初めて見るので、これは絶対に撮らねばならないとfpを持ちました。
そして演奏が始まり、歌い始めました。
お母さんの歌は感情豊かで、聞いているこちらまで楽しく、嬉しくなる歌でした。
ああ、今日来てよかったなぁと、心から思いました。
お母さんがやりたいことをやって生きている姿は、とってもキラキラしていて、ようやく楽しそうなお母さんを見れた気がして、とても嬉しかったです。
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その日は夜遅くまでライブハウスにいたので、一緒に車で帰って温泉に行きました。
やったことがないことだったのでとても楽しかったです。
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次の日、お母さんと二人で出かけました。
お母さんになんで写真が好きか話しながら歩きました。
こんなに自分がまっすぐ向き合っていることを、うんうんと聴いてくれるのは初めてで、本当に楽しかったです。
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お母さんに会うのは一年半ぶりで、一年半前に会った時も一瞬だったので、こんなにゆっくり出来たのは久しぶりでした。
もうお母さんと二人で街に出かけて散歩してご飯を食べるなんて、二度としないだろうと思っていたら、
「かほちゃんとこんな風に過ごせるなんて、もう出来ないと思ってた。」
とお母さんに言われて、同じことを思ってるんだなぁと思いました。
またこうやって二人でのんびり過ごしたい。
お母さんと色々な話をしたい。
昔はすごく嫌だったけれど、こう思えるのはきっと私が大人になったんだなと思いました。
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お母さん、いつまでも健やかに。
また二人で街を歩こうね。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
来週も更新しますので、読んでいただけると嬉しいです。
カメラ:SIGMA fp
レンズ:Voigtlander classic 40mm F1.4 S.C
奈鳥