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息子に遺伝子疾患が見つかる

先週、息子の遺伝子検査の結果が返ってきた。秋から今までの数ヶ月間、検査の結果待ちだということを思い出しては不安になっていた。何か見つかったらどうしよう。でも多分何も見つかんないでしょ、だってNICUに入院中もいろいろ疑われたけど染色体検査は陰性だったし、疑われていたヌーナン症候群の検査も陰性だったし。脳性まひの診断だってすごく落ち込んだけど、やっとだんだん受け入れてきたところにこれ以上何も見つかってほしくない。

そしたら、症例が世界で40件くらいしかない珍しい遺伝子異常が見つかった。Tonne-Kalscheuer syndrome またはRLIM-associated syndromeと呼ばれるそうだ。ドクターですらどう発音するのかわからない。もちろん日本語で調べても何の情報もない。文献には40件しか報告ケースがないが、本当はもっと患者数がいるんじゃないかとのことだった。10万人に1人の割合と予測されている。

この異常はX染色体にあるRLIMという遺伝子の変異によって起こるもので、保因者である母親の変異のある方のX染色体が子供に受け継がれた場合、男の子である場合に息子のように影響が出るというものらしい。女の子の場合は変異のないほうのXがあるので影響はほとんどないとのこと。なので保因者であっても気付かないことがある。子どもには50%の割合で受け継がれ、男の子の場合に影響がある。

どんな影響があるかというと、中度から重度の知的障害、言語障害、自閉症、嚥下障害、背が低い、先天性心疾患や肺疾患、などなど他にもいろんなものがあり、スペクトラムなので人によって違ってくるらしい。報告されているうちの全員に見られていて確実なのは知的障害、言語障害、そして精神・情緒的な問題ということ。

息子の遺伝子異常が突然変異だった可能性はゼロではないらしいが、やはり母親が保因者だという可能性が大きい。

双子である息子と娘は、私たち夫婦が他の家族が体外受精をして残った受精卵を"養子"としてもらったので、自分が産んだ子であるが血のつながりがない。


あぁ、卵子提供者のあの人がこの変異遺伝子の保因者だったのかも‥

じゃあ娘も保因者なのかも‥

受精卵を託してくれた家族には元気な男の子がいるけどそれはその子に正常な方のX染色体が渡ったからか‥

もし息子の遺伝子異常が卵子提供者さんの変異のため起きたことなら、まだ残っている受精卵にも影響がある可能性があるな‥

息子のことこれからちゃんとサポートしていける?会話できるようになる?字が読めるようになる?

残りの受精卵に遺伝子検査して、問題がある受精卵は移植しなければいいと言われても、娘と息子に私たちが見ている価値が残りの受精卵にも同じようにある。生まれてくる機会をあげたい。

じゃあ、息子と同じか、もしかしたらもっとひどい状態の赤ちゃんが生まれたとして、息子のリハビリもある中でその子のリハビリに通院、もしかしたら入院や手術、娘への時間とケア、それが全部できるキャパが自分にあるのかと言われたら自信ない

自分には重すぎる、こんなに運べない、、こんな倫理に関わる問題、私には扱い切れない‥

そんなことより息子は数日後に腎臓の手術のため入院だ、まずそれに集中しよう、

でも、なんで、

どうしたらいいん?


と、頭の中が混乱した10日前。今も変わらず心が重いし混乱している。

知ることって重いな。知ってしまったら知る前には戻れないな‥

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