男性諸君、もっと自分を大切にしてくれ
私が親しくしてる男性は優しい人が多い、と思う。
とゆうか、優しい人としか仲良くしたくないので、そうじゃない人とは私は親しくしない。
だから会社の上司とか、合コンで出会う男性とか、友達の彼氏とか、全然会ってない昔の知り合いに会うと、ビックリすることがある。
3ヶ月ほど前、友人に呼ばれて参加した食事会で、友人の上司に出会った時、ビックリした。
「おい、村田(仮名)、お前本当太ったよなあ」
村田くんは昔からの飲み友達で、私が悪阻が落ち着いてきたのを知って、
「かほちゃん、気晴らしに参加してよ!」と誘ってくれた。
村田くんはイベント系の会社に勤めていて、昔から定期的にイベントに呼んでくれる。
そんな優しい村田くんが上司から容姿について、イジられていた。
村田くんはヘラヘラ笑いながら、「そうなんすよ〜。ジム辞めちゃって〜」と答えていた。
その上司に私は慌てて頭を下げると、私には物腰柔らかく、丁寧に接してくれた。
しかし、しばらくすると、村田くんを指差して言った。
「こいつ、こんな太っちゃって。
知ってます?昔はもっと痩せてたんですよ。
こんなだから、恋人もできないんだろ。
紹介してもらえよー。」
あはは、と村田くんは笑いながら、私の顔色を伺った。
村田くんは私がこういうノリを苦手としていることをよく知っている。
私は村田くんの気持ちに応えるべく、言い返すことはせず、終始笑顔を貫いた。
上司が立ち去った直後、村田くんは私の機嫌を取るように、私にオレンジジュースを持ってきた。
「容姿いじりとか、最低。セクハラだよ。」
私の言葉に村田くんはニコニコしながら、「ありがとね」と言って、続けた。
「まあ、俺は男だから。
太ったのは事実だし、セクハラとかでもないよ。
普通に優しいし。気にかけてくれてるんだよ」
あの上司は恐らく女性にはそんなこと言ってないんだと思う。
でも、違うんだよ。
言っていい言葉と悪い言葉に、性別は関係ないんだよ。
デブと言われて傷つくことに男女は関係ないんだよ。
ハゲと言われて傷つくことに男女は関係ないんだよ。
私は私の大切な人が目の前で、つまらない容姿いじりに遭ってることが許せないんだよ。
プロの芸人さんがやるから成立するんであって、素人のつまらない容姿イジリなんて、本当に害悪でしかない。
受け手とイジリ手(あるいはボケとツッコミ)が、互いに了承しあっていて、利益が発生する場においてのみ、容姿イジリは成立するのであって、上司と部下とか、友人同士で、なんの打ち合わせもなく、イジられる側に得のないイジリは“ハラスメント”以外の何物でもない。
容姿だけじゃない。
男性は飲み会とかでも、無理にお酒を飲まされたり、裸になることを強要されたりしている。実際に現場も見たことがある。
そういうの、「男だから」という理由で我慢したら、ダメだよ。
上司クラスの方々が「最近は何でもかんでもセクハラって。女性と何話せばいいか分からない」と言いながら、男性の部下に恋人の有無をズケズケ聞いたりする。
そこに男女差はないよ。
誰であっても、聞いたらいけないんだよ。
もちろん、心を許し合ってる関係なら良いと思う。
でも、自分より目上の人に心を許すことって、そんなになくない?
上司と部下、という関係だけじゃない。
同僚同士でも、合コンとかで、
「こいつ、包茎でさ〜」みたいに笑い話してくる人とかいる。
勝手に人のプライバシーに関わることを口にするなよ。
それが平気でできる人たちは大抵、
「俺はされても何も思わないから」とか言う。
自分がされても平気だからって、人にして良いわけじゃないよ??
ちなみに私は、そういう立ち位置の奴がこの言葉を言った瞬間から、そいつのことを徹底的に容姿イジリするようにしてるんだけど、(それはそれでダメだろ)ブチギレたり怒ったりする割合のが高いからね。
自分はされても平気なんじゃなくて、される側に回ることがない人生なだけでしょう。
男性が女性に対して「優遇されてる」と感じるのは、こういうところからじゃない?
男性も、主張した方がいい。
あなた達はもっと自分を大切にしないといけない。
いつまで陰茎の大きさや形でいじられて笑ってるの?
いつまで体型についていじられて笑ってるの?
いつまで飲みたくもないアルコールを飲み続けるの?
いつまで肩パンや怒鳴り声に耐え続けるの?
あなた達も、被害者だよ。
女性は良いよなあ、じゃないよ。
女性にしたらいけないことは、男性にもしたらいけないんだから。
そこに性別はないんだよ。
異性の上司に不用意に体を触られたら不快に思っていいんだよ。
髪の毛や体型をいじられたら訴えてもいいんだよ。
そんなことして、生きづらくなる奴なんて、生きづらくなれば良いんだから。
もしそれを思いとどまる理由が「自分もできなくなるから」なんだとしたら、あなた自身を省みて、
「誰かに怪訝な目で見られる気がするから」なんだとしたら、そんなコミュニティは今すぐ立ち去った方がいい。
少なくとも私はそうやって、拒否と拒絶を繰り返して、安全な場所を手に入れたから、
男性も、自分が安心できる場所を手に入れることを、どうか、諦めないでください。
あなたはもっと、尊い存在です。