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私はどうやら人魚姫になりました


声が出なくなりました。

久々の投稿の書き出しにしては
なかなか引きのある一文だと思う。

とか、おちゃらけてしまうのが
私の短所だと指摘された。


いつかの私のために
きちんと文章にして残しておこうと思った時、

覚えていて欲しいな、と思えるのが
メンズエステで働いていた時のお客さん、てのが
私らしくて、なかなか良いと思う。


「かほちゃん、いつもリップサービスありがとね」

そう言ってくれていた、
優しいお客様たちに甘やかされる人生を
送っていた私にとって

異性の上司からの嫌がらせは
耐えられないものだった。


休日にも関わらず鳴り続ける社用携帯や
メッセージは全然耐えられた。


耐えられなくなったのは
個人チャットで、罵声を浴びせられる様になってからだ。


なに考えてるんですか
なめてるんですか
仕事雑ですね
こんなこともできないんですか
いる意味ないですよ


連日送られてくる、高圧的なメッセージに
私は耐えられなくなってしまった。

それを会社に言った時に
「でも○○の言ってること間違ってないよ」
と返されて、最初のうちは確かにな、と思って
一生懸命働いた。


そうしたら、声が出なくなった。


本当に突然。

なにも喋れなくなったのだ。


それに伴って、貧血なのか、なんなのか、
ショックで倒れて意識を失って
気付いたら病院にいた。

漫画に出てくるメンヘラみたいだから
早く声出ろ、体動け、笑顔つくれ。


どの感情も脳に伝わらなくて

涙が流れて、嗚咽が漏れて、
弁解したくても言葉が出ない。


言葉は出ないくせに
嗚咽は漏れる喉なんて
気持ち悪いからいらない。


喋れない、なんて
誰に話したらいいか分からない。

そう思ったとき
メンズエステの本指名の人たちが浮かんだ。


あの頃私は恵まれてたな。

きっと、私をみんな
抱きしめてくれるだろうな。

そうしたら声も出るかもな。


私は人魚姫になった。
でも、泡になるなんてバカな選択、
しないから安心してください。

王子様を待つくらいの図太さは
一応、持ち合わせたままのつもりです。

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