英検がイタイ話

 英検3級は学年相応である。Lは先取りが嫌いで検定も年齢相応の級を受ける。したがって中3なので3級である。
 2級を持っている子もいるそうだ。こればかりは個人でそれぞれなので比べて焦ったりしない。保護者たる大人のたしなみである。
 ところで準2級を受けようとしている中3がいて、塾の自習室でそのテキストを開いて勉強をしていたところ、塾の先生に呼び出されたそうだ。
 あなたは学力が足りないのだから受験の範囲外である準2級は止めなさい。
 ヒッ…。
 ヒドイ…。
 金かかってるのに。
 しかし、我が自治体では小中生が検定を受けると合否にかかわらず補助金が出る制度がある。それを利用すればいくらかお金は返ってくるので、勉強は止めても不合格を取りに受けに行くらしい。受けたという証明が申請に必要だからだ。
 なるほど英検を取るにもタイミングって大事だ。先取りで取ってしまいたいなら2年までに準2級がベストか。中3で準2は範囲外で受験勉強が間に合ってないと塾からストップがかかるんだな。
 さて、学力が足りないのだからと準2級の勉強を止めたところで、受けに行っている時間はあるのか。検定の後は遊んで帰ってくるんじゃないのか(会場は街中)。
 Kが言われたら、涙を飲んで受験料は捨てる…受けに行くだけで1日つぶれるのは、この時期に学力が足らないと言われている上では時間の浪費にしか思えない。その分止めたのなら責任持って塾で勉強をみてもらいたい。と言ってやってもらうかな…。戻ってくるなら1日潰して不合格上等で受けに行った方がいい金額で断腸の思いなんだけど、それは大人の財布の話だし。
 と、考えてみたところで、Lは学年相応の3級の受検を学校で済ませて来たので100%他人事なのであった。
 そもそも塾の自習室で準2級のテキストを開かなければ言われない話だし、志望校に学力の足りない子が英検の勉強をやっていればあなた何しに塾に来てるの?って話になるだろう、塾側から見れば。
 先取りは計画が肝心だなとか、塾に通うにも作法があるなとか、様々な気付きを得た話であった。
 進学校受けたいし準2級も取りたい(取った)し、を両立してる子は大勢いるので止められた自分を少し考え直したほうがいいんじゃないの、と100%他人事だけど思う。本当は受験料が返ってくるとか来ないとか、論点はそこに置くべきではなく、英検にも志望校にも実力不足な自分、どうすればいいかの話じゃないのか。英検も落としたうえ、高校のランクも落とすことになったら取り返しがつかないことに気付くべきである。
 Kだったら受験料は捨てる。イタイ…イタすぎる…。