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本音で溢れていたあの時
小学校の運動会、リレーの選手に選ばれた。
母にそのことを報告すると、
「みんなどうしちゃったの?!」
と驚かれた。
「そうだよね、どうしちゃったんだろうね」
と私は返した
ある日なんとなく、そのことを友達に話すと
「どれみのお母さん、ひどい」
と友達は言ったのだ。
嬉しいと思っている自分がいて、驚いた。
自分の思いに蓋をしていたみたい。
本当は私も母のことをひどいと思っていた。
幼い子供は思ったことを口に出す場合が多い。
だからだろうか。
私はその頃、自分の深層心理に隠れている本当の気持ちを誰かの言葉によって気づかされる経験が沢山あった。
いつしか大人になって、思ったことを発言する前に言っていい内容か確認するようになるけれど、そんな言葉は私の心に残ってくれない。
何にもつっかからない会話は
とてもつまらなくて
寂しい。