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映画鑑賞備忘録「ゴールドフィンガー巨大金融詐偽事件」

トニー・レオンとアンディ·ラウによる20年ぶりのダブルキャストと話題の作品。

あらすじ
イギリスによる植民地支配の終焉が近づく香港。身ひとつで入国した野心家の男、チン・ヤッイン(トニー・レオン)は、悪質な違法取引を通じて徐々に香港に足場を築いていく。そして80年代株式市場ブームの波に乗ると、資産100億ドルの嘉文世紀グループ立ち上げに成功、時代のレジェンドとなる。一方、汚職対策独立委員会(ICAC)のエリート捜査官ラウ・カイユン(アンディ・ラウ)は、チンの陰謀に目を付け、その後15年間にも及ぶ粘り強い捜査への道のりを歩み始めていた。人命も価値を失うほどの大金が動く、マネーゲームの代償を負うのは果たして誰なのか。そしてチンとラウの駆け引きの行方はいかに—。

公式HPより

とにかく、錬金術が華麗で詐偽とはわかっていてもその手腕に惚れ惚れしてしまう。
デジタルではない株の取引の手に汗握る緊迫感と絶妙なタイミングで乱高下させる手法がスゴい。


「香港では、技術者なんて要らない、自分の得意な事を生かすだけさ」
身体ひとつで流れ着いたチンは、不動産を転がす取引の囮役を引き受ける。その成功が自分に意外な才能があることを自覚させることになる。
人当たりの良さと腰の低さ、相手に合わせて上手い話をちらつかせるテクニック。のらりくらりと投資家たちを手玉に取り、巨万の富を得ていく。
そんな掴みどころのない無責任男をトニー・レオンがると、なんと色っぽいことか。

彼のちょっと困ったような微笑みが、チンの心の内を見せないキャラクターにピッタリなのだ。

事務員として雇ったチュンからのアプローチも思わせぶりにすり抜けて、彼女を囮に相場師のヤムと手を組むところなど、女泣かせの憎らしさだ。

一方、チンを追うラウは、ストイックな捜査官でありながら、家庭においては家族サービスの出来ないダメパパで、妻には頭が上がらない。今までのアンディ·ラウの意外な一面を見せてくれる。
追い詰めて逮捕までしても、スルリとかわされ、逃げられる。15年もの歳月をチンに捧げてしまうのだ。
釈放されるチンがラウに向かって、挑発するシーンはラウに同情してしまう~💦


20年ぶりのトニー・レオンとアンディ·ラウがお互いの役に徹しつつも、楽しんで演じているのが、伝わってくる。それぞれに磨きがかかったふたりの名優をひとつのスクリーンで鑑賞できることに感謝🎶

✨️✨️✨️✨️✨️✨️

この物語は香港最大の詐偽事件キャリアン事件がベースとなっている。

キャリアン事件
1983年:投資会社のキャリアン社が香港史上最大の破産。これは史上最大規模の不正会計によるもので、監査役の殺害や顧問の自殺など、劇的な捜査につながった。

主犯ジョージ・タン・スンジンが1979年に同社を買収し、わずか2年間で数十億ドルの帝国を築き上げた。キャリアン・インベストメンツは1983年、香港の不動産市場で負った10億ドルの負債を返済できず、破産した。

破産の余波で、マレーシアのビジネスマンがキャリーのずさんな融資を調査していた監査役を殺害した。裁判中、彼はタンが殺害を命じたと非難した。

1年後、タンの弁護士らは、詐欺罪で無罪になり、保釈金も無料と、政府の検察官を首尾よく「打ち負かした」とウオールストリートジャーナルは報じている。

Business insiderより

 上映は終わったところが多いけど何度も観たい作品、配信が待ち遠しい!⭐

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