🎩BLワールド備忘録🧢ノベライズ編🌹『ダブルバインド』
英田サキ著
イラスト:葛西リカコ
キャラ文庫
猟奇的殺人事件、暴力団、警視庁捜査官達の面々。解離性同一性障害の少年、祥の幼い頃の記憶。
キーワードは『餓死』?
スリルとサスペンスの中に人間だからこその愛の葛藤が渦巻く。
緊迫する捜査の合間に繰り広げられる瀬名と上條のやり取りが、微笑ましくもあり、色っぽくもあり、ゲラゲラ笑える場面もありでお楽しみ満載!
さらに、新藤の愛人の葉鳥が瀬名と新藤の仲を勘ぐって、危なっかしいことこの上ないところがヤキモキさせる!
全4巻はあっと言う間に読破!
しかし、こんなにきれいどころが揃って収集がつくのか⁉️と思ってしまうほど、登場人物の見映えが良くて、頭の中のコミカライズに拍車がかかり、ジェットコースター状態😃
文面から引用すると
まずは、瀬名智秋
【シルバーフレームの眼鏡をかけた細身の男。年齢は三十歳前後でかなりの美形だった。前髪を上げて額を出しているので、インテリ然としたシャープな印象を受けるものの、眼鏡の奥の切れ長の目に色気があるせいか、不思議な艶っぽさも漂っていた】
そして、東誠会若頭、新藤隆征
【長身で見るからに高価そうな濃紺のスーツが恐ろしく似合っていて、たくましい体躯がいっそう立派に見える。一見するとやり手のビジネスマンに見えないこともないが、ただ者ではないオーラが漂っている。声は良く通る魅力的な低音だ】
つぎに新藤の愛人、葉鳥忍
【スラッとした細見で黒革のパンツと派手な刺繍入りのスカジャンをきている。額の真ん中で分けた前髪は長く身長は170センチほどだが、顔は小さく手足が長い】
第1発見者の少年、真宮祥
【ベージュのコートにローファーをはき、いかにも品行方正で真面目な少年。痩せているが目は大きく、頬はふっくらとして、柔らかそうな肌は幼い子供ようだ。】
因みに上條は作りは悪くないが、
【無頓着すぎて美形にはほど遠い】らしい😃
瀬名と祥のいる風景は、祥が瀬名に対して絶対の信頼を置いているから、親子のような関係。とても安心出来る風景。
なのに、上條に対しての瀬名はとても辛辣で、それをあたふた受け止める上條が笑える🎵まるで、ツンデレ奥様のご機嫌取りをしてるみたい~❤️そんな上條に瀬名も次第に絆されていくんだよね~❤️
それに比べて新藤と葉鳥は少々痛い~💦新藤は若頭の手前、感情を出さない。だから葉鳥は四方八方に感情を駄々漏れ。愛が欲しくてたまらない癖に新藤からの優しい言葉には反発してしまう。『愛されたいのに愛されるのが怖い』これって、この小説のタイトル【ダブルバインド】を表しているらしい❤️
瀬名の言葉を借りるなら『例えば、母親に甘えたい子供は手をさしのべる母の手をつかもうとする。が、直前になって母は手を引っ込めてしまう。子供はどうしたらいいかわからなくなる。
これは、社会に置いてもあり得ることで、上司に自主的に仕事をしろと励まされ、ひとりで頑張ったら、どうして先に相談しないんだと叱られると、その先に進めなくなる。』
人の感情は不安定で、脳は納得しているのに、咄嗟に出た行動は相反してしまう。
この状況は、上條と瀬名の間にも起こる。
こんな風に、『違うと言い聞かせた癖に結局抱き締めてしまった』と言う自分の行動について、多くは自己否定して悩むところだが、上條はあっさり開き直って先に進もうとする。
強引で無頓着に見えるが、事実を受け止めることの出来る器の大きさが、上條の魅力なんだとわかる。
多重人格の祥の異なるパーソナリティーであるヒカルは、警戒心が強く口が悪いが、ひとりの人間としてじっくり向き合う上條に、心を開いてゆく。
事件に関わる人物がそれぞれのダブルバインドを抱えている。
複雑に絡み合う事件の真相に上條の無頓着さは一石を投じることになるのか…⁉️
最後に言えるのは、一番魅力的なのはダサくて暑苦しい上條ってことかな😃シリーズ化して欲しいくらい~❤️
もっと、暑苦しい上條がみたい‼️
スピンオフもあるよ❤️
こちらは葉鳥と新藤ネタ😃