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スウェーデン滞在記録①: まるで第二の青春な老後の楽しみ方
今回のスウェーデン旅。数日間で出会った高齢者たちに刺激を受けまくりだった私。
それはまさに、日本の“老後観”を根底から揺さぶるものだった。
そして
私も、ここで老後を過ごしたい
と思ってしまった数々のトピックがある。そのうちの一つを今日は。
Walk and Talk とFIKA
![](https://assets.st-note.com/img/1733907475-PKfE5vxsqStQURzbW4ecX3lo.jpg?width=1200)
理学療法士として訪れたスウェーデン。
高齢者団体「PRO」が企画するウォーキングイベント「Walk and Talk」に参加してみた。
イベントの内容はシンプルだ。
参加したい人が集まり、散歩し、最後にお茶かランチをして解散
![](https://assets.st-note.com/img/1733907514-kM76pPKgluObmxyWv5ECNoa2.jpg?width=1200)
FIKA(フィーカ) は、スウェーデン独自の文化で、友人や同僚、家族とコーヒーやお茶、軽いお菓子を楽しむ休憩時間のことです。
単なる「コーヒーブレイク」ではなく、人とのコミュニケーションやリラックスの時間を大切にする、という意味が込められています。
この日集まったのは60代から90代までの男女数人。
正直
「高齢者のウォーキングなんて、2〜3kmくらいだろう」
と油断していたら、
この日はなんと8km近くを歩いた。
こちらは真冬。路面は凍結し、ガリガリのバリバリである。
転倒リスクしかない道を、ツルツルしながら歩く私。
歩き慣れている高齢者のメンバーは、なんてことなく歩いていく。
出川イングリッシュレベルの私に、参加者の数人が英語でたくさん話しかけてくれた。
「毎日、映画に行ったり、ダンスをしたり、水彩画を描いたり、ジムにも行くわよ」
―彼女たちの言葉には「老後」という重苦しいイメージが一切ない。むしろ**「やりたいことに忙しい」** という充実感が溢れていた。
「老後くらいは家でのんびり」の日本との違い
日本では「老後くらいはのんびり過ごす」という考え方が主流だ。(私の父もそうである。笑)
頑張って働き抜いた先に待っているのは、ゆっくり休むこと―そんな思想をどこかで私も刷り込まれてきた。
しかし、スウェーデンの高齢者たちは違う。
彼らは、退職後を「第二の青春」として楽しんでいるかのようだった。
映画、水彩画、ランチ会、ダンス、フィットネスジム…… 毎日何かしらの活動があり、そのほとんどがグループでの活動だという。
ただし、ここで面白いのが、その「グループ活動」のスタイルだ。
• 誰かの顔色を伺わない
• 「自分が何をしたいか」で参加するかどうかを決める
• 集まりはふわっと始まり、ふわっと解散する
日本だと
「〇〇さんが行くなら私も行く」
「あの人がいるならやめとく」
―そんな人間関係の面倒くささがつきまとうことが多い(のではなかろうか?)。
スウェーデンでは、こうした「面倒くささ」からは解放されているのだ。
もちろん、完全にゴタゴタがないわけではないらしい。
ただ、幼い頃から「自分が何をしたいか」を大切にする文化が根付いているため、他人の行動や評価は気にならないのだという。
「楽しいからやっているだけ。健康のためにやっているわけじゃないのよ」
そう言って笑う参加者のひとり、90歳の女性の顔は、まるで10代の少女のように輝いていた。
「楽しいからやる」の文化
理学療法士として、「運動は健康に良いですよ」と繰り返し伝えてきた。(謳い文句)
でも、スウェーデンの高齢者を見ていると、「健康のためにやる」という動機づけはなんだか野暮に思えてくる。
彼らは、「楽しいからやる」「やりたいからやる」 のだ。
結果として、それが運動になり、健康につながっている―そんな自然な流れがある。
高い会費を払って、たるんだ体を戒めるようにジムに通う私とは大違いだ。
「楽しいから」という動機ひとつで、8km近く歩き続ける60〜90歳。
しかも最後にはランチまでしっかり食べて笑顔で解散していく。
その姿を見て、私は思わず考えてしまう。
「日本の高齢者が、こんな風に自由で楽しい老後を過ごせたら、どうなるだろう?」
「自分が、何をしたいか」で動く老後の過ごし方
スウェーデンでの数日間、私の「あたり前」が次々と覆されていった。
「危ないから、やめておきな」
「年だから、もう難しいかな」
日本では何かと「もし、万が一何かあったら」の思いが拭えず(特に医療・介護業界で働いていると、特に)高齢者への行動を制限してしまいがちである。
しかし、こちらの老後は「自分のやりたいことに忙しい第二の人生」だ。
「自分がどうしたいか」が明確だからこそ、人間関係のしがらみも少なく、自然と体を動かす機会が増える
そんな文化や価値観の違いが、スウェーデンの高齢者たちの健康を支えているのだろう。
帰り道、ふと一人になって考えた。
「私自身も、今から“やりたいこと”をしっかり見つけておかないと、老後になっても動けないかもしれない」
日本の「あたり前」が、ここでは「まさか」になる
スウェーデンでの体験は、私にそんな面白い気づきを与えてくれた。
人生100年時代。
「老後」は“第二の青春”だと、今から思っておくくらいがちょうどいいのかもしれない。
まだまだ話し足りないので、また次の機会に^^
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![kaho|理学療法士・パラレルワーカー](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/173463145/profile_da9cfcb06e1d8a383ec58dd677d89f9f.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)