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スウェーデン滞在記録①: まるで第二の青春な老後の楽しみ方

 今回のスウェーデン旅。数日間で出会った高齢者たちに刺激を受けまくりだった私。
それはまさに、日本の“老後観”を根底から揺さぶるものだった。

そして

私も、ここで老後を過ごしたい

と思ってしまった数々のトピックがある。そのうちの一つを今日は。

Walk and Talk とFIKA

理学療法士として訪れたスウェーデン。
高齢者団体「PRO」が企画するウォーキングイベント「Walk and Talk」に参加してみた。

イベントの内容はシンプルだ。

参加したい人が集まり、散歩し、最後にお茶かランチをして解散

Walk and Talk とFIKA(お茶の文化)
FIKA

FIKA(フィーカ) は、スウェーデン独自の文化で、友人や同僚、家族とコーヒーやお茶、軽いお菓子を楽しむ休憩時間のことです。
単なる「コーヒーブレイク」ではなく、人とのコミュニケーションやリラックスの時間を大切にする、という意味が込められています。

仕事中もFIKAしている人たくさんいたよ

この日集まったのは60代から90代までの男女数人。

正直

「高齢者のウォーキングなんて、2〜3kmくらいだろう」

と油断していたら、

この日はなんと8km近くを歩いた。
こちらは真冬。路面は凍結し、ガリガリのバリバリである。
転倒リスクしかない道を、ツルツルしながら歩く私。

歩き慣れている高齢者のメンバーは、なんてことなく歩いていく。

出川イングリッシュレベルの私に、参加者の数人が英語でたくさん話しかけてくれた。

「毎日、映画に行ったり、ダンスをしたり、水彩画を描いたり、ジムにも行くわよ」

―彼女たちの言葉には「老後」という重苦しいイメージが一切ない。むしろ**「やりたいことに忙しい」** という充実感が溢れていた。

「老後くらいは家でのんびり」の日本との違い

日本では「老後くらいはのんびり過ごす」という考え方が主流だ。(私の父もそうである。笑)

頑張って働き抜いた先に待っているのは、ゆっくり休むこと―そんな思想をどこかで私も刷り込まれてきた。

しかし、スウェーデンの高齢者たちは違う。
彼らは、退職後を「第二の青春」として楽しんでいるかのようだった。

映画、水彩画、ランチ会、ダンス、フィットネスジム…… 毎日何かしらの活動があり、そのほとんどがグループでの活動だという。

ただし、ここで面白いのが、その「グループ活動」のスタイルだ。

誰かの顔色を伺わない
「自分が何をしたいか」で参加するかどうかを決める
• 集まりはふわっと始まり、ふわっと解散する

日本だと

「〇〇さんが行くなら私も行く」
「あの人がいるならやめとく」

―そんな人間関係の面倒くささがつきまとうことが多い(のではなかろうか?)。
スウェーデンでは、こうした「面倒くささ」からは解放されているのだ。

 もちろん、完全にゴタゴタがないわけではないらしい。
ただ、幼い頃から「自分が何をしたいか」を大切にする文化が根付いているため、他人の行動や評価は気にならないのだという。

「楽しいからやっているだけ。健康のためにやっているわけじゃないのよ」

そう言って笑う参加者のひとり、90歳の女性の顔は、まるで10代の少女のように輝いていた。

「楽しいからやる」の文化

理学療法士として、「運動は健康に良いですよ」と繰り返し伝えてきた。(謳い文句)

でも、スウェーデンの高齢者を見ていると、「健康のためにやる」という動機づけはなんだか野暮に思えてくる。

彼らは、「楽しいからやる」「やりたいからやる」 のだ。
結果として、それが運動になり、健康につながっている―そんな自然な流れがある。

高い会費を払って、たるんだ体を戒めるようにジムに通う私とは大違いだ。

「楽しいから」という動機ひとつで、8km近く歩き続ける60〜90歳。
しかも最後にはランチまでしっかり食べて笑顔で解散していく。

その姿を見て、私は思わず考えてしまう。
「日本の高齢者が、こんな風に自由で楽しい老後を過ごせたら、どうなるだろう?」

「自分が、何をしたいか」で動く老後の過ごし方

スウェーデンでの数日間、私の「あたり前」が次々と覆されていった。

「危ないから、やめておきな」
「年だから、もう難しいかな」

日本では何かと「もし、万が一何かあったら」の思いが拭えず(特に医療・介護業界で働いていると、特に)高齢者への行動を制限してしまいがちである。

しかし、こちらの老後は「自分のやりたいことに忙しい第二の人生」だ。

「自分がどうしたいか」が明確だからこそ、人間関係のしがらみも少なく、自然と体を動かす機会が増える

そんな文化や価値観の違いが、スウェーデンの高齢者たちの健康を支えているのだろう。

帰り道、ふと一人になって考えた。
「私自身も、今から“やりたいこと”をしっかり見つけておかないと、老後になっても動けないかもしれない」

日本の「あたり前」が、ここでは「まさか」になる

スウェーデンでの体験は、私にそんな面白い気づきを与えてくれた。

人生100年時代。
「老後」は“第二の青春”だと、今から思っておくくらいがちょうどいいのかもしれない。

まだまだ話し足りないので、また次の機会に^^

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kaho|理学療法士・パラレルワーカー
最後まで読んでくださりありがとうございます^^! こんな感じでダイエット・美容からキャリアの話まで、ちょっとためになるようなお話をお伝えしていますので、また読みに来てくださいね❣️