いのっちの電話という最大のセーフティネット
先日、青山ブックセンターで坂口恭平さんのお話を聞いてきました。
坂口恭平さんのことは、ツイッターでちらっとお見かけしたことがあるくらいでした。
坂口恭平さんは、ものを書いたり歌を歌ったりする人です。いのっちの電話と称して、誰でも坂口さんに電話をかけることができます。
もしも死にたくなったのなら、彼に絶対に電話をかけたほうがいいです。
世界がパラレルワールドみたいに見えてきて、生きていることに対する考え方があなたなりに変わると思いました。
正直、初めて彼を見た瞬間、とんでもない人だと思いました。とてつもない闇を感じたからです。
その闇はとても暗く深く、とても計り知れたものではないので一瞬で怖さに襲われました。気持ち悪くなるくらい、怖かったです。
今思えば、躁鬱病を患っている恭平さんのリアルを、私は感じたのかもしれないなと思います。
いろんなものが見えてしまう、いろんな世界を感じてしまう彼が、今までどうやって生きてきたのか、深くわからないけれど、
純粋に、彼が生きてこれたことは奇跡だと思いました。
これでも生きていけるんだぜ、そうやって歌ってくれる彼の姿に、なぜか勇気をもらってしまうのはなぜだったのだろう。
彼が生きてこれた奇跡には理由があると思いました。彼は、愛されている実感を持つことがうまいのだと思います。
歌に込められた感謝の気持ちが届いたので、きっと、愛されていること幸せに思える人なのだと思いました。
愛は、あらゆるところにある。
それさえも彼には見えて感じられるからこそ、彼は愛されて生きてこれたのではないかと思いました。
人と関わるとか、文章を書くとか歌うとか、表現するとか、正直生きるのが苦しいと思っている人にとってはとんでもないことだと思うのです。
到底できたことじゃない。
でも、
愛を実感することはできると思うのです。
決して能動的なことではないから。
ただ、アンテナを愛されている実感に合わせて待っていれば、引っかかると思うから。
**それでも無理だと思うなら、いのっちの電話の出番です。
彼は電話をとってくれるから、
少なくとも、彼から愛を感じられると思うのです。
それで十分生きていけると思うのです。 **
とんでも無く恐ろしい闇を生きている人だからこそ、この世界の全てを愛せる人なのかもしれません。闇も光も。もはやそういう境界線もないのかもしれません。
だから安心して、自分の闇を話せる人だと思います。
優しさや愛を、感じることができるかどうか不安だという人も、大丈夫だと思います。
そんなことさえも、彼は汲み取ってくれる人です。
この世界に、いのっちの電話という、人生最大の、最強のセーフティネットを作ってくれた恭平さんに、愛の気持ちとリスペクトを送ります。
いつどんな形でお世話になるのかはわからないけれど、ありがとうございます。
少なくとも私も毎日、
何が何だかよくわからない毎日のことに希望を持って書き続けようと思います。