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5年前くらいの古いもので、家内のものなんです、。
私は研修で機種変更などの手続きをしております。そろそろ会社がばれそうですね。
タイトルは、今日いらしたおじいさまの一言。
会社から賦与されたiPhone を使っているそうです。それがiPhone だということも知らないくらい、携帯のことは難しくてわからないとのこと。
こりゃ大変だな。
そう思いながらお話を聞くことに。
今は一人暮らしで、娘さんと家族グループを組んだら安くなるのかなど色々と質問を受けて、
結局お客様にぴったりなプランはうちではないなと判断したので、別の格安キャリアのご紹介をしました。
それでも、きっと満足いただけるだろうなと思ったのです。
まあそれは置いておいて、
そのおじいさまが、おもむろにカバンから取り出した昔々の可愛らしい携帯、
古すぎて、到底私にはわからない機種。
でもピンク色で小さくて、
手作りのストラップが付いている、とても可愛い携帯電話。
今は使っていないから、お預かりサービスだとのこと。(500円前後で番号だけ預かれるサービスです。笑
「なかなか捨てられなくてねえ」
「もう使われてないんですよね?」
「なくなった家内のもので、なかなかね、5年も前のことですよ。」
なるほど。
娘さんは海外とのことなので、おそらく今は一人で暮らしているおじいさま。
奥様を亡くされたあと、どんな気持ちでこの携帯を持っているんだろう。
機種変更するんだろう。
奥様のことをはなすおじいさまの眼差しはとても優しくてグッと来てしまった。
人間は群れで暮らす生き物で間違い無いけれど、わかりやすくその第一歩として、2人で生きていくということがこんなにも優しく嬉しいことなんだということがよくわかった。
もちろん、苦しみや悲しみもあると思う。
この携帯を大切に持っているおじいさまは、もしかしたらまだそんな悲しみを超えられたわけではないのかもしれない。
「結婚指輪もまだね、こうしてつけてるんです、外すと無くしちゃいそうでね。」
「奥様、喜んでいると思いますよ。幸せな人生だったんですね。」
結局そのお客様は価格のことを思えばここに戻ってくることはないと思う。
でも、その優しい眼差しに出会えて私はありがとうと思った。
誰かとともに寄り添って生きることの幸せと温もりはきっとある。
相手がこの世にいなくなっても、その幸せや温もりが消えることはきっとない。
親切に、ありがとうねと言ってくれた。
こちらこそ、ありがとうございました。