学習塾で職場体験に来てくれた小学生たちの素晴らしさについて。

2019年5月12日 15:12

人生で最初で最後かもしれない、長い長いGWの10連休、皆様はいかがお過ごしだっただろうか。
周りの人のお話を聞いていると、それぞれ家族や友人・恋人といい連休を過ごしていたようで、みんな無事に帰還できたのが何よりだなあと思う。

さて、僕はというと、GWの前半は京都に5連泊して研究活動をして、後半は新潟の実家に移動して豆腐作りの手伝いと一泊二日の温泉旅行に行った。
「家族で旅行するなんて本当に何年ぶりだろうね」、なんて話をしながら、仕事終わりにバタバタしつつも新潟の月岡温泉という山の中の温泉を楽しんだ。
個人的には10連休というまとまった時間でなかったらできないことがたくさんできたので、満足している。
（温泉につかりすぎてのぼせてしまったのはまた別の話）

そんな連休中、父親から嬉しい話を共有されたので、今日はその話を書こうと思う。燕市の教育活動の一環として行われている「長善館学習塾」に、職場体験の企業として参加させていただいたお話である。

長善館学習塾とは

長善館学習塾という取り組みは、燕市の小学校６年生を対象に市が開催している、次世代リーダー育成塾のことである。
http://www.city.tsubame.niigata.jp/school/031001004.html
始まりは江戸時代後期、越後長岡藩粟生津村(現燕市)に存在した私塾「長善館」で、これまでも数多くの偉人を輩出している。昔でいう、寺子屋である。
その中には、日本医科大学を創設した長谷川泰という偉人もいて、噂ではこの人も京都大学の創立に関わっていたとのこと。こういう背景だけに、すごく身近で応援したくなる学習塾である。

長善館学習塾での取り組み

燕市のホームページに上がっている募集資料の抜粋になるが、塾生は一年間をかけてこのような活動に取り組む。

・山の中でのサバイバル生活
・ビデオの作成
・防災キャンプ
・燕市の職場体験
・テレビ局訪問

嘉平豆腐店はというと、職場体験の場を提供する燕市の企業として参加させてもらった。歴代、数多くの偉人を輩出している歴史ある学習塾で、学びの機会を提供させていただけるなんて、この上なくありがたいことだと思う。

実際に塾生の子たちにやってもらったこと

職場体験の当日は、ありがたいことに5人の塾生に豆腐屋まで来てもらった。
工場が稼働している時間帯は何かとバタバタしているのと、重いものが多くて危ないので、製造が一通り終わった後の静かな工場で製造工程を説明し、豆乳から実際に豆腐を作ってもらって体験してもらった。
また、昼間はお客さんも来る時間。せっかくなので、地域の人とも触れ合ってもらういい機会ということで、レジ打ち・袋詰めなどの接客の経験もしてもらった。
僕はこの職場体験の場には居合わせることはできなかったが、父親の話では、参加してくれた子たちはみんな真剣に話を聞いて、楽しそうにしてくれていたとのこと。

閉講式のビデオを見て

つい先日、一年間の長善館学習塾の集大成の報告の場として、閉講式が開催された。ちょうど、そのビデオが豆腐屋にも届いていて、豆腐を作った後に見させてもらったのだが、なんというか、僕の思っていた以上に厳かな雰囲気の閉講式で、しかも会の司会進行も塾生がすべて取り仕切っていたことに感動した。塾生の子たちの真面目さがひしひしと伝わってくるような会だった。

最後に塾生一人ひとりに修了証が渡されて、一人ひとりが作文を発表するのだが、感動するコメントをしてくれた子がいた。その子のコメントを文字に起こして抜粋してみる。

日常では気にしたことのなかった豆腐が、にがりの量を少し間違えただけで味が変わってしまったり、冷たい水に耐えながら、豆腐を洗っていたり、お店の人はとても努力していました。
…
職場体験に行ったことで私が知った燕市の魅力は、お店の人の対応や、態度のやさしさや、辛いことがあっても、そのことに耐えて努力する魅力です。
私は、この経験を、これからの中学校生活にも活かして努力していきたいと思います。

このコメントには心から感動した。
職場体験の中で、豆腐が美味しかったとかレジ打ち楽しかったといったプラスの側面ではなく、にがりの調節が難しいとか水が冷たいなどのマイナス面に焦点を当てて、それでも努力する姿を魅力に感じてくれているのである。
職場体験の場を提供する側として、こんなにも嬉しいことはないし、少なからずマイナス面に耐えているからこそ価値を提供できているのだと改めて思う。

この発表をしているのが小学校６年生である。本当にすごい。
今自分が持っている時間、環境の中で、できることを最大限やるしかないと、改めて思った連休だった。
（10週目終わり）

p.s.
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