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2019年10月、ネガティブなときだから考えられることもある

先週実家に帰って、3日間だがいろいろと実家の近況を聞いていたのだが、最近は業界的にあまりいいニュースを聞かない気がする。

特に、今東京のWebベンチャー企業にいるときに入ってくるニュースと、実家に帰ったときや豆腐業界の行事に参加したときに入ってくるニュースの、ギャップがものすごい。
あまりにも世界が違すぎて、将来的に東京の今の仕事を辞めて豆腐の世界に戻ることを、少し「怖い」と感じてしまうほどだ。

普段、何もなければあまりネガティブになることはないのだが、さすがに最近、今後自分を取り巻くであろう環境に不安を覚えてきている。
どれくらいの人とこの不安感を共有できるかわからないが、今感じている不安を言葉に書き起こしておくことで、何年後かに振り返ったときに「意外と解決しているじゃん!」と思うこともあるかもしれないので、今週はこの不安を書き起こしてみる。

圧倒的な人手不足

8/10~8/12の3日間、お盆ということもあり新潟に帰っていた。帰るといっても、別に海に遊びに行くとかはなく、来年から施行される食品表示法の改定に合わせたパッケージ表示案を考えたり、公正競争規約に則った豆腐の成分表示方法を調べたり、月曜日の朝は普通に豆腐の製造に入ったりしていた。
豆腐屋は昔からそうだが、土日とはいえ休む暇なんてない。
嘉平の場合、豆腐の製造は「月・火・木・金」の4日間だが、水曜も土日も、豆腐の配達やイベント出店、次の日の段取りがあるので休む暇はない。
その毎日の仕事がある中で、パッケージデザインをあれこれ考えたり、成分表示の細かい部分を調べてデザイン会社に伝えたりするのもやらないといけない。
これらの仕事をすべて、現場で働いている両親や姉だけでやり繰りするのは本当に難しい。だからこそ、東京にいてもできるようなHP管理とか、補助金の申請書作成とかは僕でもできるが、現場に行くとやっぱり、一番困窮しているのは現場だなと思う。

3連休の最終日朝4時から、両親の豆腐製造の手伝いに入ったときに改めて感じたが、この朝仕事は朝4時から二人だけでこなせる仕事量じゃない
最近では扱う大豆の品種も増えてきたので、製造量こそそこまで多くはないが、一釜一釜、豆乳を炊くときや絞るとき、にがりを打つときに、手間がかかっている。おぼろ豆腐、ざる豆腐、木綿豆腐、絹豆腐、揚げ類、色んな種類を作らないといけないのに、毎朝二人だけで製造するのはあまりにも大変じゃないか、と思ってしまった。

2019年10月の悪夢

2019年は、商売をする上では本当に外れ年だと思っている。理由は明白、①消費税の増税②最低賃金の引き上げだ。
①消費税の増税は、消費税が上がるという以外にも、「軽減税率制度」という例外的な制度がある。軽減税率の対象となる商品は「外食として提供される以外の飲食料品」で、これは8%の税率のまま。それ以外の標準税率の商品は10%に引き上げになる。
さらに通販をやっている場合、送料が別になっている場合は送料は10%に引き上げになる、税率は注文日ではなく発送日が起点になるなどのややこしい問題もある。
消費者にとっては、増税が軽減されるだけありがたいという側面もあるが、一番苦しいのは、豆腐自体の税率は8%のまま、豆腐のパックやシール、袋などの資材は10%に上がるので、豆腐の価格を変更しないと豆腐屋は利幅だけが圧縮されることだ。送料込みで通販をやっている場合も同様、結局は送料は事業者負担になるので、利幅だけが目減りする

②最低賃金の引き上げも、地方の小規模事業者には相当きつい。
新潟県でいうと、10月から最低賃金はいきなり25円も上がる。パートさんで現場が成り立っているうちのような会社は、急に人件費が爆上がりするので、これは赤字決算間違いなしだろう。。
最低賃金の必要最小限の人件費でやりくりしているような場合、ここでキャッシュを回せなくなる中小企業は一気に増えるのではなかろうか。

 新潟労働局は21日、本県の2018年度の最低賃金について、新潟地方最低賃金審議会(会長・村山六郎弁護士)による3日の答申通り、現在の時給778円から25円引き上げ、803円とすることを正式決定した。10月1日に発効予定。

ネガティブなほうが対策できる?

人は減り、税率・人件費は上がっていく。今後はますます機械で代替できる仕事が増えてくるのは間違いないだろう。
ブルーカラーの仕事では全自動の高性能機械がどんどん出回り、ホワイトカラーの仕事ではRPAやAIといった、人間の判断の一部も機械が代替できるような時代がすぐそこまで来ている。

一昔前であれば、豆腐屋は職人で豆腐を作れればそれで良い、という時代だったかもしれないが、これからはどんどん新しいサービスが生まれて、古いままの商品・サービスは淘汰されていく。

都心と地方ではあまりにも雇用環境に差がありすぎて、今年は特に不安に襲われることが多いが、不安な時ほど対策できる。せっかくの20代の残り期間、時代の最先端を行くテクノロジーに接する機会も多いので、今のうちにガンガン吸収しておきたいと改めて思った。
(24週目終わり)

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