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【京都ライター塾9期レポ】第4回インタビューのやり方

わたしは話を聴いてみたい人がたくさんいる。
その人が何を見て、何を感じ、考え、選び、歩んできたのか。
その軌跡を知りたい。
人の人生や考えに触れることで、その人の見えてこなかった一面や
本質の部分が垣間見れる気がする。
その人の物語に自分を重ね合わせて、他人の人生が少し自分ごとのように
感じ、自分の中に新しい世界が広がりを見せる。
そんな瞬間を生で感じたい。
だからわたしはインタビューをしたいし、うまくできるようになりたい。

だがこんな風に言ったものの、いざインタビューをするとなると、緊張してことば自体うまくしゃべれない、うまく聞けない、本当に聞きたいことが聞けていない、あせる、本当にパニックだ。。。


江角悠子さんが主催の『京都ライター塾』の講義、第4回「インタビューのやり方」では、インタビューを始める前の準備や心構え、話の引き出し方などを学び、目も耳も開きっぱなしだった。

何を聴きたい?

インタビューをするにあたり、何を聴きたいか、そこの目的がとても重要だ。そこに導くために質問を重ねていく。
だから何をテーマにするのか、大事な核の部分がないと始まらない。
例えば、新しい生き方や挑戦を大きなテーマに掲げ、記事を書きたいと思ったとする。
そこでもともとは会社勤めをされていたところから、陶芸作家になった人にお話を聴きたいと思う。さらにテーマを「全く違う世界に飛び込み、表現する生き方」みたいにし、インタビューをすることになった。
そうすると、そこに帰着するように、質問を具体的に洗い出す必要がある。このテーマというのも、わたしの興味であることも大切だが、読者が知りたいことなのかという目線も常に必要だと感じる。

また質問を考えていくなかで、インタビューをする人のことを深く知ること。これはとても大切だ。
今までのインタビュー記事を読んだり、関連することを調べる。
くまなく調べた上でのぞむ。
その方が相手にも興味を持っていることが伝わるし、さらに深いことを聴くことができる。今まで聴かれていないことや、まだ見えていないところにもぐっと踏み込むことができる、そんな気がする。


あなただから聴きたい

取材のテーマとインタビューしたい人が決まったら、企画書を作成し、取材対象者にアポいれる。
企画書には、取材対象者がこれからどこに対して、何について話せばいいのかがわかるように書く必要がある。

【企画書の内容】
・どんな媒体に書くのか(媒体のコンセプト、読者層、PV数、発行部数)
・取材する目的(なぜあなたを取材したいのか)
・取材日時の提案
・撮影許諾のお願い
・取材させてもらう自分は誰か

『京都ライター塾』第9期
第4回「インタビューのやり方」から抜粋

そしてとても大切なのは、あなたに取材したい、聴きたい、という熱い想い。やっぱりその想いが、人を動かす。
その想いをきちんとことばで伝え、取材対象者の方の心をまずは動かすことができるようになりたいと思う。


インタビューの醍醐味を味わい尽くす

インタビューにおける醍醐味は、ネットだけではわかりえないこと、生きた情報が得られるということだ。
取材に行ったら、五感を研ぎ澄まして感じる。

例えば、優しい太陽の光が差し込んできてとか、とても静かで鳥のさえづりが聞こえてくる、といったことはそこに行かなければわからないことであり、これが貴重だ。
また自分がなぜそう感じたか、それも武器になる。
例えば、とても落ち着く空間だと感じた場合、なぜそうなのかを具体的に書く必要がある。テーブルごとの間隔が広くとられていたり、優しいピアノのメロディーが流れていて、といったような情報があると、とても文章が立体的になってくる。
そして読者が読み進めていくうちに、情景が浮かんだり、そこに行っているかのような感覚になって、行ってみたいと思ってもらえたら、いい取材ができていると言えるのでないだろうか。


話の引き出し方

インタビューを進めていくうえで、相手が少しでも心地よく話しやすい空気づくりは大切だ。そこで10のコツを教えてもらった。

1.笑顔でいること
2.相手を名前で呼ぶこと
3.相手の答えをさえぎらない
4.相手が聞き取れるスピードでゆっくり話す
5.オーバーなくらいに相槌をうつ
6.質問を細かく分ける
7.聞いた話の中から、次の質問を考える
8.分からないことはその場で聞き直す
9.いいと思ったことは伝える、自分の感想を伝える
10.相手のファンになること

『京都ライター塾』第9期
第4回「インタビューのやり方」から抜粋

上記のことは、インタビューだからやらないとではなく、普段のコミュニケーションでもとても活かせることだと感じる。
こちらの心がけひとつで、相手が話しやすいな、もっと話したいなと思ってもらえるかもしれない。できることはすべてやりたいと思った。


最後に・・・

インタビューというのは、当たり前だが、インタビューをする側とされる側がいて初めて成り立つ。2者の関係は対等だ。
もちろん緊張するし、うまくできない、変なこと言ってしまわないかな、
失礼にならないかな、心配はつきない。。。
そういう相手への心遣いはあっていい。
もちろんスムーズに取材が進むことにこしたことはないが、たとえうまく流れが進行しなくても、質問と質問の間に「間(ま)」があっても、変に焦る必要はない。
「流れを気にしなくていい!」と江角さんが言ってくださったことに救われた。

けれども、なめらかに時は流れなくても、聴きたいこと、聴くべきことは必ず聴ききること、相手に興味の矢印を向け続けること、そこはぶれてはいけないと思った。
江角さんがおっしゃったことで、とても素敵だなと思ったことがある。

「取材を終えたらその人のファンになっている。
この人の良さを伝えたい、その想いが文章のパワーを変える」

『京都ライター塾』第9期第4回
「インタビューのやり方」の講義中の江角悠子さんの言葉

やはり想いは行動を変える力がある。
わたしもインタビューの練習みたいなもので、インタビューをしたことがあるが、インタビュー後の高揚感はとてつもない。心臓の鼓動も早く感じる。
その時の純度を失わないように、そのまま読者に届けたい。
それが使命でもあり、それができたとき、読者にも取材を受けてくれた人にも、そして自分自身にも、感動をもたらしてくれると思う。


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