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伽倶夜咲良 / 小説投稿(プロではありません)
2018年6月8日 13:56
夏の日の、雨が上がってすぐのこの時間帯、どうしたわけか昔から嫌で嫌で仕方がなかった。肌に合わないというか、生理的に受け付けられないこの感じ。地面から立ち昇ってくるもわっとした湿気。何の匂いかわからない得体の知れない生臭い臭気。身体にまとわりついて肌の毛穴からしみ込んできそうだ。息をするたびに口や鼻から身体の中に入ってくる。耐えられない。耐えられない。強くても弱くても雨が降り続けていた方がまだ
2018年6月7日 15:59
この夏は突然にやってきた。その年、春は急ぎ足で通り過ぎた。過ぎゆく春を急かすようにしてこの夏がやってきた。そして、この夏はそのまま居座りつづけている。いつまでこの夏が続くのか誰にもわからなかった。中天高く登った太陽はいつまで経っても陰りをみせない。誰かがそれに気がついて騒ぎはじめた。それからだ、それからこの夏は居座り続けている。かつて、人は地上に住んでいた……らしい。あたしは