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【歌集】その 優しい水の都で…【ARIA】
天野こずえ先生原作作品「ARIA」及び「AQUA」を題材に作った短歌をここにひとまとめにしておきます。
短歌は「五・七・五・七・七」のリズムで紡ぐ詩です。
もしもネオ・ヴェネツィアで暮らしていたらこんな歌を詠んでいたかも…そんな二次創作です。
※随時更新予定
(2024/10/19更新)
ゴンドラに揺られる君とこの街の
景色の一部になる喜びよ
昨日より君の歩幅が広くなる
アクアアルタの朝は眩しい
夕闇の水都の路地に
カンツォーネ届いて歩くリズムを変える
これからの日々を手繰り寄せるように
ゴンドラを漕ぐ遥かなる蒼
日常が眩しくて奇跡みたいで
ネオ・ヴェネツィアに静かに雪は
地球での日々は嫌いじゃなかったが
この街に呼ばれた気がしたから
いつの日か誰かがこれを見つけたら
宝物だと思って欲しい
(2024/12/31更新)
初めての国際宇宙港の出口
地球育ちの右足を出す
あの「ペンキぬりたて注意」の貼り紙が
きらきら風で揺れている朝
このサンタ・ルチア駅から
君の住む家まであと5分揺られます
浮き島と呼ばれる場所に住む君が
降らせる雪を受け取ってみる
雪虫に囲まれている金曜日
ぷかぷかな午後は君と過ごそう
水面を撫でるヴァポレットが鳴らす
汽笛が二人の沈黙を裂く
恥ずかしいセリフに救われた僕は
恥ずかしい詩を誰かに紡ぐ
「時間だね」 季節外れの雪が降り
オールを置いたスノーホワイト
「アウグーリ・ボナンノ!」宙を舞う帽子
そのまま空を飛んで行きそう