DTMの機材は最小限にしておきたい。しかし...
より快適に効率よくDTM作業をするには、適切な環境と機材が必要になる。
だが、お金も空間も有限である以上は、その内容や選び方をよく考えないといけないだろう。
今回は、DTM作業が嫌いで面倒だと思っているのに辞められないDTM依存症?の僕にとって、どのようなDTM環境が望ましいのかについて、これまでの経験をもとに綴っていく。
ご大層なDTM環境は邪魔
前提として、我が自宅は一人暮らし用のアパートである。
普通に最低限の生活をするための日用備品や家具だけでも、工夫をして配置しなければ狭く感じる。そこに、本格的なDTM環境を用意すれば、限られた空間をさらに圧迫することになる。
さらに、壁が薄い古い集合住宅なので、モニタースピーカーでジャカジャカ音を出せるはずもない。
このような条件を考慮したうえで、DTM環境を用意する必要がある。
僕は現在ではDTMを毛嫌いしているが、そうでなく純粋に音楽を楽しんでいた時期が昔あった。その頃、結構大掛かりなDTM環境があった。
ハイスペックのドデカいPCに、モニターやキーボードを始め、数多くの音楽機材を大量に繋げていた。その量は大型のデスクが2つも必要なほどだった。
結果的に、部屋の半分近くがDTM環境に占領されていた。だが、その当時は音楽が生き甲斐のような感じだったから、それで満足していたのだ。
しかし、作曲の作業時以外はその機材たちは邪魔でしかなくなる。当然、部屋の掃除も大変だ。
さらに、DTMという趣味にだんだんと面倒臭さを感じ始めると、音楽と向き合う頻度も少なくなるため、その大がかりな環境がますます邪見に思えてしまう。
ミニマリストと断捨離
やがてDTMに対して面倒臭さだけでなく嫌悪まで感じるようになり、いよいよ音楽の全てを捨てることを決意した。その頃、ミニマリストに強く憧れており、その影響も大きいだろう。
DTM用のデスクトップPCとは別にノートPCも持っていたので、デスクトップPCの方は処分した。また、大型のデスクも処分し、結局残ったものはチェアくらいだ。
部屋の約半分近くを占めていた物体がなくなり、かなり開放的な空間が現れた。物を手放すことがこんなに気持ち良いとは。
また、音楽に悩まされることもなくなるため、肩の荷がすっと下りた気がした。
これこそが、僕にとっての理想の生活環境だと思った。
追いかけてくる音楽
音楽にかかわらない生活は、半年ほど続いた。
とはいえ、全く音楽を意識しなかったわけではない。定期的に好きな音楽が頭に浮かんできてしまった。そして、同時にDTMをやりたい欲求もこみ上げてくることがあった。
しかし、時間が経てばその感情は収まった。「僕には音楽は必要ない」そう自分に言い聞かせた。
だが、その我慢は、少しずつ僕の心の見えない部分にたまっていたようだ。
あるとき、限界を迎えてしまう。
DTM環境を取り戻す
ある日、DTMをやりたい欲求が爆発した。DTMに必要な道具を即日注文した。
ただ、以前と同じような規模ではなく、あくまで最低限必要だと思うものにとどめた。
・DTMに必要なソフト、データ、アカウント、ライセンス類
・MIDIキーボード(PCに繋げる小さなピアノのようなものだ)
・ヘッドホン
・ボタンがたくさんついたマウス
このくらいあれば、ある程度の快適さを確保しつつ、DTMができると判断した。
0か100かではなく、20くらいを目安に
・ノートPC
・MIDIキーボード
・ヘッドホン
・ボタンがたくさんついたマウス
現在、僕のDTM環境で使っている機材はこれだけだ。本格的なDTMをするには十分ではない。しかし、これでもそこそこ満足に作業できている。
正直、もっと色々な便利な機材を追加したい思わなくもない。やっぱり不便さはかなりある。しかし、やはりいつもDTMをやりたいわけではなく、やりたくない時期の方がむしろ長いため、これ以上増やさないように気を付けている。
これならば、作曲ブーム以外の期間で邪魔になるのは、MIDIキーボードとヘッドホンくらいだ。使わないときには押し入れにでも仕舞っておける程度の量だ。
僕はDTMを完全に捨てることはできなかった。だが、完全に好きになることもできない。
だから、最低限DTMができるくらいの機材で妥協した。これくらいが今の僕にはちょうどいい。