作曲嫌いでもやってしまう。作曲のいいところ

僕はDTMを趣味にしていながら、「作曲が嫌いだ」とかなんとまあ矛盾したことをさんざんnoteに綴った↓

しかし、やっぱりやめられないのは、多大なメリットというか快感があるからだろう。つい先日も作曲がはかどり、いよいよ一曲完成させてしまった。

なぜ僕は、ストレスを貯め、嫌々言いながらも、作曲活動をしてしまうのだろうか…。今回は、作曲の良いところをまとめてみようと思う。

オンリーワン、ナンバーワンになれる。たとえ無能でも。

音楽をはじめとした芸術の世界では、ランキングは存在しない。
プロだろうが素人だろうが、上手かろうが下手かろうが、客観的な上下関係は存在しない。

芸術以外ではそうはいかない。実績は数値化され、そこに優劣が付けられてしまう。劣ったものは優れたものにどうやっても勝てず、価値が無くなってしまう。技術、知識、経験、センスが劣っている者は不利になり、その分楽しさも感じにくくなってしまう。

一方で、芸術の評価は主観的な感想だけだ。だから、自分の作品に唯一の価値を見出せる。音楽も同様である。

「音楽にも人気の優劣はあるし、作品そのもののクオリティの差もあるじゃん」と思われるかもしれないが、それは"経済としての音楽"の価値の話である。ここで述べたいのは"芸術としての音楽"だ。

たとえ優れた能力が無くても、素晴らしい曲を書くことはできる。そして、それには客観的な優劣がないため、個人が勝手に堂々と評価をつけることができるのだ。

恥ずかしいことを言うようだが、「私の作った曲めっちゃ最高ッ!神曲ッ!」と興奮しても何の間違いでもないわけだ。

いまやネットの普及もあり、"自分がいる世界"は、圧倒的なワールドワイドに拡大している。そんな世の中では、いかに自分がちっぽけで大したこと無い存在であるかを思い知らされることがある。

そんな世界でも誰でも強い輝きを放つことができる。それが芸術の魅力であり、音楽の魅力である。

音楽は、ほかの芸術とのコンビが良い

音楽は、コンサートなどでは目や空気感でももちろん楽しめるが、基本的には"耳"で楽しむ芸術である。

他の芸術作品は、主に"目"で楽しむものが圧倒的に多いように感じる。そして、他の芸術作品と音楽はよくコラボする。

音楽は神出鬼没。映画をみていても絵画を眺めていても漫画を読んでいても、音楽をセットにすることでより深く感動することができる。そういうところに、音楽独特の良さを感じる。

作曲活動をするときにも、他のいろいろな分野の芸術作品に思いをはせることがある。「あの漫画の○○のイラスト」、「あの映画の○○のシーン」、「あの小説の○○の心理描写」、「あの風景画の○○な雰囲気」といった自分の好きな思い描くイメージを音楽に乗せたりする。

そうすると、自分の曲と大好きな作品が繋がっているような感覚になり、ちょっと嬉しくなる。例えば、完成した自作曲を聴きながら、そのイメージした漫画なんかを読むと、他では味わえない感動と興奮を味わえるのだ。

作った作品を、何度もリピートし楽しめる

これは、僕の個人的な嗜好の話だ。

あらゆる芸術分野の中で、僕は音楽がもっともリピートして楽しめる。映画やアニメはたいてい1回しか見ないし、漫画も小説も一度読んだら満足してしまう。写真や絵も、お気に入りのものがあってブクマしたりDLしたりしたとしても、そう何度も見ない気がする。

一方で音楽は、プレイリストを何度も再生して、同じ曲を数十回も聴く。お気に入りの曲なら数百回以上聴いているだろう。

当然、自作曲も同様だ。ちょっと恥ずかしいが、自作曲のことを好きなのは当たり前なのである。もはや我が子のようなもの。何度も何度もリピートして楽しめる。そりゃ作り甲斐もあるというものだ。

作曲活動期間は、音楽に夢中になれる

趣味に夢中になると、もはやそれ以外のことがどうでもよくなる。

これは他のことがおろそかになるというデメリットでもあるが、夢中になるのは良い事でもある。

日常で「暇だな~」と感じることはない。また、日々の様々なストレスも音楽の前では些細なことだと思える。

「仕事で嫌な事があった? 知人に嫌味を言われた? 全くどうでもいい。そんなことより作曲!作曲!」という気分になる。

例えるなら、音楽は宇宙そのもの。日常のストレスやその元凶など道端に落ちているゴミである。極端だが、そんなふうに考えてしまうほど夢中にさせる。なんか中毒に陥っているように思えなくもない。

満足いく作品が完成したとき、人生で一番嬉しい

僕の質素な生活の中で「一番嬉しい瞬間は何ですか」と問われれば、「良い曲が完成したときです」と答えるだろう。

一曲完成させるのは大変難しい。僕にとって、作曲より難しいことをしたことが無いとまで言える。だからこそ、最後までやり遂げたときの達成感もすごい。この世に生まれてよかったとさえ思える。

僕は生きることに無気力で、結構ネガティブな性格なのだが、その瞬間だけは別人のように明るい性格に変わってしまう。

こみ上げる感情は言葉では表現しきれない。神様に頼まれた大仕事をやり遂げたような、自分の使命を全うしたかのような気分になる。

そして感謝したくなる。自分が曲を完成させられたのは、僕自身の力だけではなく、世界中のあらゆるものやことのおかげなのだと感じる。この世の全てに感謝したくなる。

要するに、部屋で一人興奮し思い上がり、ちょっと頭のおかしい状態になってしまう。だが、とにかく良い気持ちでいっぱいになるのだ。




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