【親の宿題プロジェクト 第3回】アルバム整理で私たちにできることは?
「アルバムの整理で親の宿題を手伝う」という案が浮かんだ前回。では、私たちらしい手伝い方って何だろう?という議題から、今回のミーティングが始まりました。
メンバーのスキルを生かすには
私たちのグループは、それぞれフリーランスとしての経験をもつ50代女性。今回のプロジェクトでも、できるだけそのスキルを生かし、仕事として成立させることを目指しています。
参考にしたのは、以前ジョナが作ったというお父さんのアルバム。版型やページ数、写真の点数、テキストの内容や入れ方などについてあれこれ話し合いながら、私たちにできそうなことをどんどん挙げていきました。
●ご本人の話を聞きながら、写真選びを手伝う
●その話をもとに、写真に添えるエピソードを書く
●ご本人の「自分史」を年表にする
●ご本人の写真や、ご家族と一緒のポートレートを撮る
●愛用のもの( 食器や趣味のものなど )を撮る
●ページに添えるイラストを選んでもらう
●ご本人のオリジナルの似顔絵を描く
ざっと挙がったアイディアはこんなところ。これならカメラマン、ライター、イラストレーターとしての経験を生かせそうです。
ちなみにこのあと、カメラマンのるうは写真整理について学び、「アルバム大使」の認定を取得しました。「知れば知るほど、アルバム整理って奥が深い!」というのが、るうの抱いた感想です。
また、話題になったのが「ここで撮影するポートレートを遺影としておすすめするか?」という問題。メンバーの親たちはほとんど遺影になるような写真を撮っておらず、「きっとスナップ写真を加工して使うんだろうね~」という結論になりました。
「そういう人が多いなら、『この機会に遺影も撮れますよ』がアピールポイントになるかも」「でも、こちらから遺影をおすすめしていいのかな? ご家族がこっそり決めることかもしれないし・・・」「じつは写真館で遺影を撮る人って多いんだよ。きれいな写真を残したい人もいるしね」「それなら、思い入れのある自宅で撮ってあげるのは喜ばれるのでは?」など、さまざまな意見が。デリケートな問題だけに、この先じっくり考えていくことになりました。
どんなプランとして提供するか
さて、みんなで挙げたアイディアは、どういう形でお客さまに提供すればいいのでしょうか。現在よくある写真整理サービスでは、「写真○枚につき○円」「相談○時間につき○円」といったこまかな条件を組み合わせて、トータルの見積もりを取るスタイルが多いようです。
これに対して私たちが感じたのは「複雑で分かりにくいよね」でした。「見積もり形式だと結局いくらになるのかすぐには分からないから、頼むのが面倒になりそう」「予算をオーバーしたときに、どこをどう削るのか悩みそう」といった意見が挙がりました。
依頼者の立場だったら、一括で頼めたほうが簡単だし、いくらかかるのか最初から知りたいはず。そう考えて、いくつかのサービスを組み合わせたパッケージにして、3段階のコースにする案が生まれました。
私たちが仮に考えた3つのコース
【コースA 5万円】
ご自身で30枚の写真を選び、持ち込んでもらうコース。ページに添えるイラストを5点選べる。
【コースB 10万円】
私たちがご自宅に2時間うかがって、写真選びをお手伝いするコース。載せられる写真は50点、イラストは10点。
【コースC 20万円】
カメラマンによる撮影と、ライターによるインタビューがついたプラン。訪問時間は3時間。ご本人の現在のポートレートや、写真にまつわるエピソードを載せられる。写真は100点、イラストは10点+ご本人のオリジナルの似顔絵。
どのコースも、お渡しするアルバムは3冊。ご本人とご家族で分けられるように考えました。
ここまで話が進んだところで、「実際にアルバム整理を頼みたい人って、どう思っているのかな?」が気になってきました。
そこで探してみたところ、ジョナの友人Aさんがモニターとして手を挙げてくれることに。Aさんは70代のお母さまを10年ほど介護していて、アルバム整理にも困っているという、まさに親の宿題の当事者です。
次回はAさんはアルバムについて思うこと、3つのコースを見た感想やリクエストをうかがうことになりました。