【神様は昔人間だった】
神社に祀られている多くの神さまは、実際に昔、日本に生きていた"人間"のご先祖さまである、という説があります。
神様と呼ばれていますが、古代日本を駆け巡り、国を治めていた英雄やお姫さま、人望を集めた人たちが神格化して「神さま」となり、神社に祀られているわけですね。
(あ、「風の神」「かまどの神」といった、自然神は除きます。)
「かみ」=「偉い人」
例えば、人間を「神」と読んでいた、その名残りとして挙げられるのが「かみ」という言葉。言葉そのものに残っています。
偉い人のことを指す言葉の中に「かみ」ってついているんです。
例えば「お"かみ"さん」「あさのたくみの"かみ"」などなど。
つまり「偉い人」=「かみ」なんです。
そこに後年、一神教の神様も同じ「神」を当てたからややこしくなってますけどね。
海外のキリスト教のような一神教の神様は、絶対神であり、なんか上から見ているイメージですが、日本の神様は暮らしの中に一緒にいるイメージ。失敗もするし気分でいうこと違うし、やることが人間そのものなんです。だから、同じ「GOD」で訳すと、ニュアンスがちょっと違うんですよね。(まあギリシャ神話の神様も、人間臭いから近いかしらね)
なので、日本の神社の考えている神様は、人間→お亡くなり→霊威のあるご先祖さまとして私たちを見守る神さまに……という流れ。
古代の人は知っていた
それからね。『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』という平安時代の書物にも
「神も昔は人ぞかし」→(訳)「神さまも昔人間だったではありませんか」
と書かれています。やっぱり神様って言っても、人間だったんですね。昔の人はわかっていたわけです。
神道ならみんな神様になれる
じゃ、特別な人だけが「神さま」になるのかと思いきや、神道では、なんと死んでしまうとみんな神さまとして扱われます。
つまり、「八百万の神」(やおよろずのかみ)の内訳の中に、
・自然界の神さま
・神社の神様
・私たちのご先祖さま
と、私たちのご先祖さまも「神さま」に入っているんですね。
だから、家康や平将門が特別の人だから神さまになってるわけではなくて。みんな神さまになれるんです。
なので、「俺は海賊王になる男だ!」ばりに、「俺は神になる男だ!」と言っても、神道的にはけっして嘘ではないわけです。(おそらく危ない人とは思われるけど)
なので、みんなも神様なんだから、もっと威張っても大丈夫よ笑
お祀りされる人になれる!?
ちなみに最近新しく祀られた神様で、面白いところでは、麻雀の神様がいます。
京都の伏見稲荷の稲荷山に、『麻雀放浪記』の著者、故 阿佐田哲也さんが「阿佐田哲也大神」という形で祀られているそう。
新日本麻雀連盟が命日4月10日にちなんで、それに近い4月の第1日曜日に例祭を行っているそう。
こんなふうに、最近の人でも(多分神社庁に申請するとか、お金出してとかだと思うんだけど)「〇〇大神」として祀ってもらうこともできるわけですね。
あなたも、お祀りされる人になれるかも?しれません。
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