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阿波々神社、山道事件

とある昼下がり。
ふと思い立って地元の
阿波々神社⛩️へ。

狭い山道を車で🚗登ることに。

嫌な予感はしたんだけど、
薄々わかってはいたんだけど、
事件は狭い山道の途中で起こった。

一台しか通れない道を
向こうから横幅のでかい黄色の重機がやってきたのである😳

向こうから車の姿が見えた瞬間「嘘でしょ」とパニック。

それもやたらと図体がでかい。

こんな重機が何しに来たんだ、
こんな山奥へ。

ぎゃーぎゃー言いながら山道をバック💧

仕方がないからただ下がる。向こうはズンズンこちらに向かってくる。

いや、そんなに来ないでよ……

下るのはいいけど、曲がりくねった道は待機所のありかがさっぱり見えない。

どこまで下がりゃいいのさ

そう思いつつ、ふとみると、少し広い場所に出た。

おお、神よ✨

すかさず前進してその隙間へと車を寄せる。
めちゃくちゃギリギリである。
すれ違えるのか?

もう困ったら相手に任せよう。
なるべく端に寄せ、ヒヤヒヤ見ている中、重機はゆっくり横を過ぎていった。

はあー死ぬかと思った。

数十秒のバック運転が、1時間くらいには感じた。

無事にすり抜けた後、ワタシは思った。

「やっぱり引き返そう」

ハンドルを切った。

この少し広い場所なら帰れるかも!

しかし、あれこれ苦戦したけど、狭過ぎて
向きは変えられない……

下手したら崖下に落ちるかもしれない。

でも、
いや、もう帰る!!!

帰りたすぎてハンドル切ったり、バックしたり。

また向かいから車が来るかもしれない。
という恐怖におびえつつ。

あれやこれや戦っていたら、

ずるっとタイヤが滑り、車が傾く。

「あ」

側溝にタイヤが落ちた。
やばい。

あ、ただご心配なく。
側溝は崖とは反対側だから、生死には関わらない。

とはいえ頭の中は「やっちまった!」である。

しかし、極限まで行くと、わたしは意外と冷静に対処ができる。(ここまでワタワタしておいて冷静も何もないが) 

慌てず騒がず、ギアをドライブに。
ゆっくり前に進めると、幸いすぐに側溝から出られた。

もう冷や汗もんである。
こんな狭い道路で立ち往生したら、迷惑この上ない。

なんとか復活したのち、一度落ち着いて考えた。

もう諦めて山頂へ向かおう。

そう、ここまで来たら選択肢はなかったのだ。

Googleマップでは、目的地の阿波々神社まであと9分とある。
9分の勝負だ。


対向車が来ないようにと全力の念を送りながら、車は再び山を登り始めた。

ワタシの念が効いたのか、なんとか対向車は来ずに、ようやく目的地に辿り着く。


身の危険を感じながらの山登りだったため
身体中は緊張してこわばり、
ドキドキと心拍を感じながら。
目の前に急にひらけた駐車場へ停める。

もう二度と来ないぞとぶつぶつ言いながら
車を降りた。

目的は阿波々神社。
そこだけ拝んだらすぐに帰ろう。

と、ドアを閉めて
ふと周囲を見たら



一瞬で目を奪われた



振り向くと遠くに富士の山が美しくそびえ立っている。


さらに南へ視線を巡らすと、
30分前に自分がいた街が遠くに広がっていた。

「うわあ」

山登りの恐怖で周囲の景色など見る余裕が全くなかったのだ。

こんな上まで来ていたのか。

麓から粟ヶ岳を見るイメージと、山頂からの景色は想像と全く違っていた。

しばらく見惚れていたのだけど、夕方に来てしまったから時間がない。暗くなる前に帰りたいから、先を急がねばと景色にひたるのは中断。

通りすがりにある茶草場テラスなるところで、お茶を飲めるようだけど、そこもグッとこらえて先に神社でお参りをすることにした。



(つづく)

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