記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『推しの子』にドはまりしたオタクの感想や考察【ネタバレあり】

凄く久々に筆を執ります。

というのも、アニメ『推しの子』の1話を見て「なんて面白い作品なんだ!!」と衝撃を受け、この気持ちを外に吐き出したくて居てもたってもいられなくなったからです。

まずアニメの何が凄かったって、1話目にして90分の長尺制作だったこと。でもこれはマジでいい戦略だったと思います。
寧ろこの導入を3話分にしてたら作品の良さや、視聴者の熱がここまで上がらなかったと思います。この1話で視聴者の心を一気にかっさらった、鷲掴みにしたと言っても過言じゃないと思います。

アニメ『推しの子』

さて、1話で衝撃を受けたこと等について諸々書いていこうと思います。
まず、アイの双子の子供として生まれた「愛久愛海(アクアマリン、以下アクア)」「瑠美衣ルビー)」(この二人はアイの元へ生まれるべくして生まれた“転生した魂”ということが後々わかっていきます)。

アニメ見たとき「キラキラネームきたー!!」ってなりましたが冷静に考えた時に、アニメという映像媒体に名前をドドンと表記する演出、うますぎるなと思いました。
何故ならその名前。キラキラネームでありなが、アクアの字は「アイを永久に愛す」なんですよね。母親(アイ)が付けたと考えると少し変な感じがしますが、作者が付けたと考えると深いなぁと思います。キャラ絵もアクアは青い瞳でルビーも赤い瞳。キャラ立ちに役立ってますよね。
でももっと踏み込むと、アクアの名づけ親は父親なのでは…!?と。これは原作を読んだ人なら納得してくれるかなと思います。

そしてラスト。私はタイトルである『推しの子』は安直に「推しの子供(客観視)」だと思って観始めました。そしたらなんと「そういうことか!!」。なんて秀逸なタイトルなのかと鳥肌みたいなものを感じました。

漫画『推しの子』

『推しの子』と私

今回私はアニメが面白くて、原作を一気読みしました。アニメの面白さに魅かれて原作を読むなんて何年ぶりだろうってくらいでした。
最初ら辺は「アニメの1話があんなに面白かったから続きもさぞや面白いんだろう!!」と思っていたのに、『学生編』に入って予想に反して停滞…。
アクア、元言い「雨宮先生」という存在がある意味フェイドアウトしてしまったからなのかなと思いました。

見ていてとても不思議な感覚になったのですが、幼少期は雨宮先生の存在がそのまま反映されていて、中学生になったらそこにいるのは「雨宮先生」ではなく「アクアくん」だったんですよね。
原作内でも確かに「幼少期の記憶は定着が難しく」って言ってて、それはアクアとして転生した雨宮先生の存在が薄れていくという事の暗示だったのかなとも思いました。

もしかして私たちも誰かの生まれ変わりで、その記憶を幼少期に置いてきて新しい人間(人格)へとバトンタッチしてきているのかもしれないな…なんて少し考えたりしたら、なんだかゾクっとしました。

話を戻しまして、、『学生編』に入ると、アクアが幼少期に出演した映画撮影時に出合った「有馬かな」ちゃんと再開します。
アクアに出合った時の喜びようは、原作を読み進めるほどに改めて胸に響くものがありました。マジでどんどんかなちゃん推しに染まりました!!!

そして読み進めるほどに、私的にはつらい思い出が蘇ってきた部分もあります。
アクアは“アイを殺した犯人への復讐”のために芸能界とのコネクトを繋ぎ、結局は役者という道に舞い戻ります。

役者という道を志し夢破れた私にとっては、異性でありながらも生まれながらにして容姿に恵まれ、「頭の良さ(雨宮先生)」を兼ね備え、演技もそつなくこなせちゃうアクアを見てると、フィクションだってわかっていても嫉妬心で胸が苦しくなりました。

芸能人の子供として「勝ち組」という世界に生まれ、容姿もよくて、“復讐”という名目はあれど、生まれ持ったものだけでそれが実行できる場所に最初から立っている。うらやましすぎだろと…。

原作では芸能界という世界の裏の部分、否、リアルな部分がちゃんと書かれていて原作者さんは元からそういった場所にいたのか、目指していたのかと思う細かさでした。これは取材だけでここまでわかるのか不思議です。

本編にも描かれている「プロデューサーに気に入られる」ようにとか、マジでわかっててもアクアみたいにこんな旨くいかないし、顔重視の監督に気に入られて舞台に簡単に出演決まっちゃうとか、、いやフィクションってわかってるよ?わかってるけどもさ、、なんか「生まれた時点でアドバンテージあるとかつらっ」てあの頃の私思い出して、マジで鬱だったわけですよ。

でもだからこそ、かなちゃんの葛藤もよくわかる私でもありました。「合わせるための演技」「使いやすい役者」「主演を引き立たせるための影に徹する姿勢」。
まぁ私はかなちゃんみたいに「主役ができるのに影に回る側」の人間じゃなかったけど、かなちゃんの言いたいことはすごくよくわかって。
若手のうちは「私が主役」ってなにも考えず自分が輝く、引き立つ演技をすればよかったけれど、中堅になって若手時代は主役となっていた人達が、今度は若手をサポートする側に回るみたいな。

ただ、芸能界歴が長いという理由で同じ年代のはずのかなちゃんが中堅の役割を担うにはまだ早すぎるし辛すぎるなと、そういうの思って胸がぎゅっとなってました。いろんなこと経験して、いろんなことが見えるようになって「自分を押し殺してでも!」って頑張ってるかなちゃんに私は幸せになってもらいたい!!

あと、番組の企画からの流れっていうのもあるけどアクアと付き合うようになった「黒川あかね」を、アクアは「あかね」と名前呼びし、有馬かなちゃんは「有馬」と呼び続けるのに、かなちゃんのことを思うとまたも胸がぎゅうとなりました。
アクアにとってはどんな呼び方をしようと別になんてことなくて、他意はなくて、でもワンチャン大切だから名前で呼べなかったみたいな…最後は名前を呼び捨てで呼んで欲しいなって心から思ってたりします。

また話が脱線してしまいましたね、すみません。。

漫画後半あたりになるとまた一気に話が動きます。
そこで私は改めてあることを思いました。序盤はやはり「アクアくん=雨宮先生」だったのが、『学生編』から「アクアくん≠雨宮先生」であるのです。
アクアの中に魂が2つ存在している。いや、どっちかというとアクアという意志が存在して、そこに雨宮先生が憑いてるという感じ。または雨宮先生がアクアという一人の人間を支持して動いてもらってるみたいな。どんどん分離してるイメージで。

アクアと雨宮先生が別だからこそ、“役者としてのアクア”の存在や性格が腑に落ちるっていうか。多分自分の中でもアクアの中身が=雨宮先生だったなら、さっき述べたように「役者に対しての嫉妬」とか生まれてないなって頭の中で想像してすっきりしました。

犯人が明らかに

さて原作はもう佳境に入っています。そして犯人であろう人物「カミキヒカル」の名が挙がってきました。アニメの1クール目ではたぶん出てこないですが、この人気ぶりを見る限りすでに2クール目が決定してるんだろうなと思います。そして最終章が『映画編』となることから、1クール→2クール→映画公開なんだと思ってます。だからこその1話目90分の映画館上映もあったっていう布石なんだろうなと。

因みに私的に“カミキヒカル”の声優さんは石田彰さんかなと思っています。美男子であり、少し闇を持っているような感じに加え、飄々とした感じをうまく表現できドンピシャではまりそうなのと、中学生時代と大人になった姿両方を1人でうまく演じ分けてくれそうだなと想像がつきます。

ここでカミキヒカルについても少し掘り下げていきたいと思うのですが、本編でアクアが遺伝子検査を片っ端からした結果、劇団ララライで異母兄弟・姫川大輝がみつかります。もろもろ計算してみるとアイが子供を授かった時カミキは15歳、更には姫川の時は11歳…。

(あと年齢のことを言えば残念な演技をしていた「メルト」の紹介で使われていた「中一の時に中三の先輩と寝た」って話が少しだけ布石だったのかなとも思います。)

アイの入院中に病院の周りに見られた不審者の一人が大学生の犯人と、もう一人が「中学生」と言われており、これがカミキであることは間違いない流れではあるものの、普通に考えて中学生がそんな巧妙な頭脳を持ち合わせているかと問われれば…、あ…。。。ってなりますよね。
この物語のキーである“転生”。カミキもそれに値するのでは、と。

でも私の中で腑に落ちないことがあります。アクアを救うために犯人を捜していたあかねが見た、劇団ララライの、カミキの稽古映像。
それはあかねですら「アクアくんに似ている」と思ったくらいなのに、劇団創設時に携わってきた金田一鏑木がアクアを見ても動じなかったこと。
普通あれだけ似ていればカミキの子供?親戚?等、少なからず何かとアクションしてくるのでは?と。これは何かしら裏があるのかな?と思っています。

アニメ『推しの子』と漫画『推しの子』

アニメはアニメの良さがあって、漫画には漫画の良さがあるのは当然のことですが、アニメではいい意味でカットされている原作の毎話の「冒頭部分」。この演出に私は本当に脱帽しました。
冒頭部分の伏線や『推しの子』という作品のラストを見据えた構成、全てがあそこに凝縮されてて、たぶん最終回を迎えた時冒頭だけ見返すと面白いんだろうなぁと思っています。
私のように、アニメでハマった方、まだアニメしか見てない方は是非漫画を見ることを激しく!全力でおススメします(笑)

アニメのクオリティーは本当に凄いものですが、原作の緻密に計算された構図等はアニメと違った発見や驚きがあります。


さていろいろ書いてきましたが、改めて『推しの子』という作品は「アイと雨宮(アクア)の物語」なんだと思いました。
私的には冒頭で話したように「愛久愛海」の名前に意味を考えるとアクアは最後死んでしまうような気がします。
原作終盤からいい意味でも悪い意味でも賢くなったルビーがアクアの秘密(雨宮先生)に気づき、自分がさりなだと伝えてアクアの退場の流れかなと。

そのほかにも将来のある煌めきを持つ(目に光が宿る)人間が数人亡くなるんだろうけど、特にあかね辺りが怖そうですね。でも近くにいることで輝きを増しているかなちゃん辺りもアクアの物語に悲しいですけど花が添えられそうかな。

雨宮先生の過去もチラッと出たのでもう少し深堀されたらいいなと思いつつも、やっぱりアクアとルビーを取り巻く話だけになりそうな気もします…。

あと、これちょっとした疑問なんですが、登山中にカミキに襲われた「片寄ゆら」は結局亡くなったのかはっきりしないのはなんでなんだろう?亡くなったのならそれなりにニュースになるだろうし、「連絡取れなくなった」って鏑木が言ってたけど事務所からなにかしら連絡くるんじゃないの?それとも意識不明だから事務所がぎりぎりまで隠してるとかそういう事?と、もやもやしたまま原作読んでました。。

あとこれまた別件ですが、本編中に謎の少女が出てきて、なんとなく『サマータイムレンダ』を思い出した私がいます。ジャンルはちょっと違いますが、ミステリー感というか頭脳推理感が似てる香りがするので、『推しの子』好きで『サマータイムレンダ』をまだ見たことないよって方は是非見てみてください(笑)

とりま、原作のラストがどう締めくくられるのかが楽しみでならない私でした!



もしこの記事がいいなとか、参考になったとか、HSP頑張れ!って思ってくれたら是非サポート宜しくお願いします。

あなたの支援が私の生きる糧となります。

神楽シキ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?