アメリカ製保健室(ショートショート)
僕たちの学校に七不思議と呼ばれている伝説がある。その一つに、保健室の右側のベッドの下に手紙を置くと、数日後にその返事が来るという。
保健室掃除当番の日、僕はバレないようにそっと手紙を隠した。そして、ドキドキしながら返事を待つ。
一日、二日、そして一週間。
下駄箱、机の中、カバン、毎日ひっくり返して探しても返事は来てなかった。
なんだ、やっぱ七不思議なんて嘘か。
世の中そんんなに甘くないよね。
でもがっかりだ。
そして手紙を出したことも忘れていたある日、先生に呼ばれて英語のスピーチコンテストに出ないかと誘われた。
「え~、いやだよ。面倒くさい」
「県大会、ブロック大会を勝ち抜き、決勝まで行けば東京に行けるぞ」
「東京?」
「そう。決勝までいけたら、次の日ディズニーランドに連れて行ってやる」
まさかと思いカバンを探ると、Do it yourself と書かれたカードを見つける。
僕はディズニーランドに行きたいと保健室の手紙に書いていたのだ。
(411文字)
たらはかにさんの企画に参加します。
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