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堕天使(二次創作)/#才の祭

中岡はじめさん主催の俳句インポスターズ、「最も罪深い句」の栄誉を受けた二つの句からCanvaで画像付きに加工して物語を作ってみました。


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無骨なキャンドル立てに浮かぶローソクの炎。かつての過ちが今ここにさらされる。


ある夏の日のこと、狩りの途中で仲間とはぐれてしまった天使エロース。イバラのとげに目をやられ、見知らぬ森をさ迷い歩けば辿り着いた小さな一軒の館。少し休ませてもらおうと意を決し扉を叩きます。

「道に迷って困っております。どうか休ませてもらえませんか」

実はこの館、夫を失くした若い女主人エレーヌが一人で暮らす。昼下がり、誰もおとずれる者がないこんな館に何の用かと隙間から外を見れば、

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汗にまみれ包帯を巻いた天使がたたずんでいる。なんて痛ましい、誰がこのように罪深いことを。

「大変、ケガをしてるではありませんか。ささ、中へどうぞ」

小さな祭壇に祀ってあるマリア像をすばやく隠し笑みを浮かべるエレーヌ。外に誰もいないことを確認して扉を閉めればカチャリと鍵の音。

手を引かれ寝台らしきものに腰を下ろす。包帯を外し目を洗えば辺りがはっきりと見えた。エロースの目に飛び込んできたのは憂いを含んだ目でこちらをじっと見つめる女主人。

「暑い中、どうしてこんな森の奥深くまで?」

「はい、狩りの途中みんなとはぐれてしまいました。イバラに目をやられ森を彷徨さまよっているうち偶然にもこの館が目に留まりました」

「そうでしたか、それは大変でしたね」

エレーヌはかいがいしく世話をしながらこの天使の首元から目が離せない。くっきりと浮き出たデコルテにそっと触れてみる

一方、女主人から冷たい布で汗をぬぐわれエロースはようやく生き返った心地がした。部屋にほのかな甘い香りが漂い、疲れた心と体がゆっくりほぐれていく。

「まさに絶望に打ちひしがれた中で天国を見つけたようです。あなたの寛大な御心に感謝致します」

「まあ、天国だなんてお上手だこと」

軽やかな笑い声が響く。気付けの葡萄酒が運ばれ心地よさに身を任せる。

「自己紹介が遅れたわね、エレーヌよ」

「エロースといいます。この度はなんとお礼をいったらよいか」

「困った時はお互い様。それより私もいただいていいかしら」

杯に口をつけるエレーヌ。栗色の髪を束ね薄衣をまとった姿がまぶしい。漂う香りに頭の芯が次第にしびれていく。

互いの身の上話をした後どちらからともなく触れた互いの指先。その瞬間に雷が落ちたような衝撃を受け思わず「あっ」と叫んでしまう。

天使を誘惑すれば神の怒りに触れるのかしら。

見つめ合ったまま永遠の時が流れたように感じた後、意を決して天使エロースは再び手を伸ばしエレーヌの体をそっと引き寄せた。

スクリーンショット (249)




<続く>

お読みいただきどうもありがとうございました💛

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