ラピタ人
今から3600年程前、南太平洋のニューギニアやビスマルク諸島に突如現れ、わずか300年程でメラネシアや西ポリネシアのトンガやサモアまで進出した謎の海洋民族。それがラピタ人です。
ラピタ人は今のポリネシア人の祖先と言われ、その起源は5000~6000年前の台湾、または中国南部のオーストロネシア人かもしれないと言われてます。(諸説あり)
彼らは人類史上初めてであろう遠洋航海を行い、ニューギニアからトンガやサモアまで約5000kmにわたりラピタ土器と呼ばれるのものを残してます。
ところが、今から2500年~2100年前にそのほとんどが消え去ってしまう。
また、ラピタ人の住居跡や遺跡は多く発見されているのに、彼らの遺骨はあまり見つかっていない。それも謎の海洋民族と言われている理由のひとつ。
ラピタ人は、主に海辺に住み鳥や魚介類を食べていたのだとか。小さな島だと、資源が尽きると新しい島へ移っていったと考えられています。その一方で、集落の周りを利用して豚、鶏、犬を飼い、タロイモなどを栽培していた跡も。そして、土器や黒曜石、貝製品の交易を盛んに行ったようです。
昼間は風や波を読み、夜は星を頼りにカヌーを操る。高度な航海技術を持ち、見渡す限りの海を行く勇敢な民族だったのでしょうね。
こちらはラピタ土器の一つ。
シンプルだけど洗練された美しさ。でも多くの文様土器は紀元前500年より古く、それ以降は文様が消え無紋土器中心になってしまったのだとか。
紀元前500年頃といえば、日本では縄文時代から弥生時代へ変わる頃。
稲作が始まると同時に、縄文式土器から簡素な弥生式土器へと変っていく。
南の島々から遠く離れた日本でも土器の変化が起きている。
同じようなタイミングだから偶然とはいえ面白いね😅
文字を残さず、紀元前後に突如その痕跡が消えたラピタ人。
とても興味が湧きます✨
最後までお読みいただきありがとうございました💖
参考:『ポリネシア人』片山一男 著
ラピタ土器-南太平洋の絆- 千野境子
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