「私たちの幸せ」のため 「私の幸せ」は犠牲になる〜明日カノドラマEpisode,08

ホストとしての勤めをはたしていくハルヒと楓。そんな中、気持ちをゆさぶられるゆあと萌。

ハルヒには「2人の幸せのため(ホストで一番になる)」という名目を与え、ゆあは我慢と自己犠牲を自らに強いる。それでハルヒも罪悪感なくゆあから奪い取ることができた。
お金以上に厄介な「自己責任」がゆあを苦しめる。


【その時その瞬間のやさしさは本物だった】


ハルヒも自分(たち)が一番になることが自分(たち)の幸せに続いていると信じている。それゆえにゆあにお金を出させ身体を使わせても傷つかない。それがお互いの望みなのだから。だから罪悪感もない。
そういった「2人の気持ち」は確かにあるだろう。「ハルヒの気持ち」もそうだ。でもそこに含まれていたはずの「ゆあの気持ち」はどうだろうか。2人の気持ちと自分の気持ちがそれを“良し”としていても、ゆあの気持ちを人としてキチンと考えていなければいけない。

しかし、実写ドラマ版は余計に顕著なのだが、ハルヒも楓も「ホストとして」「仕事として」振る舞っている。人として以前にそういう他の要因が先に来ている状況では、期待は難しい。

ハルヒや楓そして多くの大人たちがやっていることがこの「システムの中に組み込まれる」だ。そこでは人間性や感情が時として犠牲にされる。そういう名目に飲まれた者たちを指し若者は「大人になりたくない」と喝破する。

「2人(みんな)のために」自分が犠牲になる、我慢を強いられることはよくあることだ。
ムリをすれば当然自分が壊れるし、ゆあのように「これはお金で繋がれただけの関係」なんて事態を矮小化して考えて傷つかないようにもしてしまう。
これでは本当の幸せはつかめないだろう。


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