「使わないと無くなる」 〜「アポトーシスの法則」〜
「使わないと無くなる」 〜「アポトーシスの法則」〜
◆「アポトーシス(apoptosis)」
「アポトーシス」という言葉を知っていますか?
アポトーシスは、生物学用語の一つで、細胞にプログラムされた自殺プロセスを指します。
細胞は、個体をより良い状態に保つために、積極的に自ら死んでいく機能を有しているとのことです。
例えば、免疫細胞であるT細胞は、異常な細胞を検出した場合、アポトーシスを引き起こして異常な細胞を排除します。
また、細胞の老化や損傷が進んだ場合、自らアポトーシスを引き起こし、損傷細胞が炎症を引き起こさずに排除されます。
がんに対しても、細胞ががん化するリスクがある場合、正常な細胞がアポトーシスを引き起こして、がん細胞を排除することもあるようです。
◆「使わなければ、無くなる」
この機能は、言い換えれば、細胞は、必要とされていないと感じると、自ら消えてしまうということです。
3年前、山登り中に右足を骨折し、約2ヶ月間、ギブスで固定されたのですが、ギブスを外した時、その細くなった右足をみて、びっくりしてしまいました。
筋肉も、必要とされないと感じると、自ら無くなってしまったのでしょう。
◆「動的平衡」
福岡伸一さんは、その著書で「生命とは動的平衡にある営みである」と表現されています。
「動的平衡」とは、絶え間ない流れの中で、分解と再生のバランスが取れた状態です。
崩壊していく生命の構成成分を先回りして分解し、エントロピーの法則による乱雑さによって崩壊していく速度よりも早く、再構成され続けるプロセスによって、私たちは生きています。
「生命は変わらないために変わり続けている」
◆自己変革に向けて
コロナを経て、大きく価値観が変化し、AIも著しく進展し変化し続ける現代。
これらの「生命の仕組み」は、変化に対する自己変革にも適用できるように思います。
古い習慣や思考パターンを意識的に「切り捨て」て、新しい自分を受け入れる勇気を持つことで、私たちも常に進化し続けることができる。
このプロセスは、時には苦痛を伴いますが、変化を受け入れ、自己変革のプロセスを恐れないことが、「生」のためには必要なことのように思います。
変化を恐れず、より豊かな経験を積み、自己の可能性を最大限に引き出すように取り組んでいきたいものです。