前回の映画感想(グラディエーター2)の追記

 本来、グラディエーター2の感想の追記として書こうと思ったのだが、思ったより長くなってしまったため、分けて投稿することととした。
前回同様に、グラディエーター2は面白くなかった側としての意見である。何度も書くが、個人の感想であるため、こんな観方をする人もいるんだな程度で読んでほしい。
また、本文内ではネタバレはない。

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追記 2024/11/22

  公開されて約1週間たつが、グラディエーター2の評価は依然として高く、こんな酷評した感想を書いてしまった私にとっては、まさに「面白くない」状態である。こんな心情だからか、本作を称賛する記事はほとんどが薄っぺらく感じるし、人々が評価している部分に全く共感できなかったのであるが、同じNOTE内にてとある記事を読んだことで少しの納得に至ることが出来た。
 
 私は何も、大衆娯楽を嫌っているわけでも、前作グラディエーターを神格化しすぎているわけでもない。
なのに、なぜこんなにも駄作に感じてしまうのか、自分でも疑問でいた・・・のだが、答えはここにあった。

グラディエーターが奇跡に近い作品だったから


結局、前作を神格化しているじゃないかという突っ込みは待ってほしい。以下に理由を述べる。


 突然だが、過去にリドリースコットが制作したSF映画「エイリアン」と、その後ジェームズキャメロンにバトンタッチした「エイリアン2」はどちらも好きだ。
正確に言えば、エイリアン2は監督がジェームズキャメロンとなり、作品の方向性の転換に成功したから評価している。
リドリースコットの描くエイリアンは、まさしく世界観で観客を引き付ける。いうなれば、舞台こそが最大の魅せポイントであり、彼にしか描けない空気感みたいなものが存在している。であるから、物語や人物は描写が軽くても成り立つのである。この作品では主役のリプリーですら後半に至るまではそこまで目立つ描写もなく、別に背景もそんな語られない。
 同監督でもう一つ好きな作品である「ブレードランナー」も似たような傾向を持つ作品である。登場人物より、あの重厚感ある陰鬱な近未来の世界観に私は惹かれた。(それでも悪役のアンドロイドとして登場するロイは、映画史上最も魅力的なキャラクターの一人であると思っているが)
 リドリースコットはこうした世界観で観客をぶん殴る映画を撮ったら右に出る者はいないほど、才能を持った監督であると思っている。対して、ジェームズキャメロンは魅力的なキャラクターたちを中心に据えた映画を作るのがうまい。現に、エイリアン2は前作のような、未知の生命体であるエイリアンを相手に、密閉された空間で、誰を信じればいいか分からずに逃げなければならない恐怖感、は一掃されている。これは、出てくる登場人物たちが皆勇敢で、”絶対的な味方であると”信頼できるからである(もちろん悪役もいるがとっても分かりやすい)。2では迫りくるモンスターに勇敢な戦士たちが挑む討伐映画みたいな感じに方向転換している。こうした、分かりやすい映画であるから、2は大衆が楽しめる映画となったが、1が好きな私が観ても、2は別方向に面白い映画であったと思う。
 なら、このエイリアン2をリドリースコットが描いていたら、、、グラディエーター2のようになってしまっていたのではないかと感じる。
上手くは言えないが、リドリースコットは登場人物にスポットを当ててしまうと、”雑な作り”になってしまう気がする。世界観というマクロな部分は非常に繊細で作りがうまいのだが、人物一人ずつにスポットを当てようとすると、リドリーが”表現したい部分”または”言いたいこと”をやったり言ったりするだけの、置物と化してしまい、そこに至るまでの描写が不足するから、物語の駒のように感じてしまう。ただ、ここは相性の問題で、私がリドリースコットの描く”こうした人物主体”映画が苦手なだけである。
つまり、グラディエーター2はリドリースコットが”向いてない分野で勝負してしまった、ように映ってしまったのだ。

 ではなぜ、グラディエーターが神作であるのか。それはリドリーの得意としていた重厚な世界観の上で、大きな存在感を持ったキャラクター達が熱い物語を繰り広げるからである。作りこまれた世界観と、魅力的なキャラクターたちが同時に成立してしまった結果、本来なら複雑なあのローマの時代を舞台として、史実とフィクションをないまぜにしても、大衆にも分かりやすく、これまでのリドリーファンにも喜ばれる作品が生まれたのだと考えている。
これに大きく寄与したのは、ラッセルクロウとホアキンフェニックスであることは間違いないだろう。あの三人が集まったからこそ、できてしまった奇跡のような大傑作だったのだ。


最後に、コロッセウムでの模擬海戦は本当にあったらしいとのことです。
申し訳ありませんでした。

事実は小説より奇なりとはこのことか

どんな思考してたら、闘技場に水溜て、「海戦や!!」できるんだよ
昔のローマ人ぶっ飛びすぎだよ


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