リアルタイムで知りたかった名作紹介
どんな人生を送りたいかと問われると、”平凡でも楽しく生きられれば良い”みたいな解答をすることがある
特にはっきりとした野望があるわけでないのであれば、
こういった逃げ方は良くすると思う。
現代人は昔の人から比べると、日常生活を送るうえで不便はほとんど無い
だからか、身近にある些細なことにすら喜びを感じない、というか
喜べなくなってる
古雑誌のせどりをし始め、ただでさえ少ない本・雑誌といった情報媒体が消えるのを見て、ネタ集めに不安を感じていた。
今はネットがあるから紙媒体に気を取られ過ぎなくてもよいのだが・・・
いつものようにネットで小ネタを探していたら、アニメ映画の紹介がされていた
数年前に話題になっていた作品「この世界の片隅に」という題です
評論を聞いていたら、ぜひ見たくなりyoutubeのレンタル動画視聴してみた
実際見たのはさらに深掘った長編版のこちら
「この世界のさらにいくつもの片隅に」
本当なら映画館で見たほうが良い作品ということなので、上映していたらそちらでも見てみようと思う。
いたって普通の日常から徐々に戦争に巻き込まれていき、大切な人や場を失いながらも生きている主人公たちの姿を語ったもの
原作を書いたこうの史代さんはインタビューで語っています
戦争の時代を生きた人たちは愚かだったのではなく、戦時下の統制の中でも
あれこれ工夫して生活していたことを書きたいと。
世界大戦など戦争の時代を語るときは、悲惨な戦場での体験談などがベースとして語られることが多い
監督の片渕須直さんは生活の基本、衣食住を中心に当時の暮らしぶりを徹底的な時代考証により表現しています。
監督のこだわりポイントは
戦時下の統制があって貧しい暮らしだったとしても、そこで生きていた人達だって今の我々と変わらない日々の思いがあったということ。
ちょっとした家族のごたごたに、一喜一憂して時を楽しんだだろうと
僕は田舎育ちなので、作品の中で描かれている近所との付き合いや親戚衆との関係などは似た風景を見てきた。
不足しているから自然に助け合う、今ではちょっと言われそうなくらいお節介だけど温かみを感じる人の関わり
作画の表情が豊かだからとても楽しそうに見える。
後半の状況変化を考えると生活上の喪失感って大きいものだと感じざるを得ない。
主人公の声は女優のん さん、ほんわかした声で感情移入が早かった。
先にも書いたように当時の衣食住を描いて戦争の時代を語り、
消えてしまった街並みや暮らしていた人の思いに臨場感を与えている。
今は便利だけれど、スマートフォンに釘付けになってる現代人の姿を見ていると、相手を見ながら語り合ってるあの頃の人たちのほうが心豊かだったかもしれない。
史実をもとに、”臨場感のある人の暮らし”を伝えるというのがテーマのようですが、見れば感じると思います。
前半に書きましたが、作品自体は「君の名は」などが流行ったころのものだから実写化、ドラマ化みたいな横展開はすでにされていたようで、知るのが遅くなってしまった。
戦時語りは、当時の生存者が高齢などで亡くなり、風化することが心配されているのだが、この企画は元々、資金ゼロからクラウドファンディングで協力を募り始まったことらしいです。
普通に伝えようとすると惨状ばかりが目立ち、時代ギャップが起きていたようだが、アニメーションで日常を描いた物語として当時を語ったことで、距離感が狭くなったようだ。
アニメーションという映像コンテンツは本当に素晴らしいものだと思った。
原作漫画や解説本など沢山出ているから後で買おうかな~(^^♪
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