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ポーランド旅行記・8日目

友達に会ってきた。大学時代に日本に留学していたポーランド人。彼女がいるというのも旅行先をポーランド(クラクフ)にした理由の1つだったのだが、今はクラクフ在住ではないことを来てから知った。と思ったらわざわざ足を伸ばして会いにきてくれることになった。ありがたい。

街を歩き、ポーランド最古の大学(ヤギェウォ大学)を案内してもらう。1人で歩くと「なんだかすごいな」で終始する街並みが、説明を受けていると建物それぞれのレベルで印象がくっきりと強くなる。
大学の中に名前が並ぶレリーフがあった。寄付か何かの記念碑かと思ったらナチス政権下で収容所に送られた人たちのための碑だとのこと。色々な歴史のイベントが繋がっていることを実感。コペルニクスの像もあった。

ヴァヴェル城。外から眺めてはいたが今日の案内があったので今まで中には入っていなかった。見るからに日本の「城」ではない。要塞と宮殿を混ぜたような見た目。敷地内には聖堂もあり、ポーランド史上の人たちが眠っている。人や家族ごとに部屋がしつらえてあり、外から見ていた時は正直ごちゃごちゃしている印象だったが、入ってみて納得。

地下も墓所になっていて、意外に広い空間に柩が納められている。ポーランド史上の英雄たち。こういう風に墓所があって国を思うってのは、日本にはなかなかないかなあ……とぼそっと口に出したら「日光があるじゃん?」と言われた。つくづく、「日本人だから日本についてよく知ってる」というのは幻想だと思う。

100年前の独立の英雄が眠る隣に、数年前に飛行機事故で亡くなった大統領の柩もあった。ポーランド内では「柩をここに置くほどの大統領じゃない」という意見もあるらしい。

やけに寒い日だった。ヴァヴェル城を後にして旧市街のカフェへ。名物のクレープを食べてないので付き合ってもらう。6年前の話や、それから今までの間の話などした。

夕方。クラクフに友人がいて、もうすぐ仕事が終わるらしい。それじゃあそこでさようなら?と思ったらその人も交えて3人で晩ごはんに行くことになった。この人間関係におけるフットワークの軽さは日本にはあんまりない。気がする。

ポーランド料理店でBigosを頼んだ。これまたポーランドの伝統料理、ザワークラウトと肉の煮込みで、「伝統的なポーランドスタイル」とメニューには書いてあったが出てきたのは小ぶりのスイカくらいはあるパンの器。「まあ、『伝統的』ではある、けど……」と、ポーランド人2人も予想してなかったらしい。

煮込みはしっかりしていて、素朴な味。パンもパンでライ麦の風味がほんのり香る、生地はしっかりしているが口当たりは軽い。時間はかかったが食べきった。量のわりにお腹にたまる感じはない。

最後は駅前まで歩いて別れ。途中、レストランに帽子を忘れたことを思い出したが黙っていた。前回は「またね」で6年経ったが、今度はどうなるか。別れた後、ひとりレストランまで歩いて戻った。帽子は座っていたところに落ちていたまま。黙って拾って黙って出てきた。初めて音楽を聴きながら帰る。明日はもっと寒くなるらしい。

本とか買います。