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ポーランド旅行記・7日目

インターネットでクラクフ観光について調べてみたら、スルーしていた場所の情報があれこれ出てきた。いかにも観光客みたいな旅行なんて!とは言え観光客である。再びカジミェシュ地区へ。

その前に市場のパン屋に寄っていく。ポーランド名物、ぽんちき。外来語はカタカナで書くのが日本語のルールだとポーランド人に話したのが昨日の話。分かってはいるがひらがなで書きたい。ぽんちき。ここ数日探していて見つからないなあと思っていたが、勝手に考えていた綴りにこだわりすぎていた。昨日の夜ネットで確認した綴りを探したらあっさり見つかった。pączki。「ぽんちき」じゃないような気もする。

シュガーグレーズド揚げドーナツのようなもの。ひとつ60円ほど。中身は薔薇のジャムなのが正統らしい。生地はほんのり重いが意外とさっぱりした甘さで後味まで軽い。すすっと3つくらいは食べられそうだが薔薇の香り・味がすごい。薔薇の匂いと芳香剤のイメージが強く結びついている人間なので、複雑な気持ちになる。

トラムでカジミェシュ地区へ。まずは教会に行く。観光客用の1階入り口は受付不在で閉まっていた。外の階段を登ったら2階から中が覗けた。荘厳。教会の中で写真は撮らないので、これで満足。下に降りてきたら受付が開いていた。

クラクフ工業博物館へ。昔の車やらトラムやらが見られるということで行ってみたが、車のあるメイン展示室は改装中とのこと。チケットを買う前に教えてほしい。トラムの詰め込まれた車庫だけぶらぶら見て出てきた。


レム・シナゴーグ。入場料を払ったらキッパー(小さい帽子)を渡された。被るというかもはや頭の上に置くだけ。姿勢を正すのには良いかもしれないが上を向くには不便。中では小学生の団体が社会科見学に来ていた。一斉に視線がこちらに向き、引率の先生に怒られていた。
解説の人のポーランド語を聞くでもなく聞きながら子どもたちが出ていくのを待つ。16世紀からあり、ナチス政権下も生き延びたシナゴーグ。しかし、人間にはあれだけのことをやっておいてなんで建物は壊さなかったんだろうか。残酷な自覚はあれそういうことを考えてしまう。壊して別のものを建てる方が手間がかかるとか、割と現実的な理由があったんだろうか。
シナゴーグ入場料には墓地見学も含まれていたが、ただの墓地。ユダヤ教に馴染みがない人間には確かに珍しい、って言っても墓地だからな……と思ってしまってさっさと出てきた。

ヴィスワ川を渡ってポドグジェ地区へ。前回通りがかって気になった日本料理屋に行く。

ラーメンと寿司を頼んだ。
ラーメンは「照り焼き鴨ラーメン」。メニューには「ラーメンのスープにうどんの麺が入っています」と書いてあって、出てきたのはちゃんぽん麺だった。情報が錯綜している。スープはラーメンと言うよりは濃い目の吸い物か薄めの煮物の汁のような味わいだった。だいぶぬるかったがこれはこれで味としてはアリかも。鴨は、ちゃんと鴨。卵がやけにおいしかった。

寿司。「レインボー巻き」。何がレインボーなんだろうと思っていたら確かになんとなく虹だった。唐辛子が散らしてあったりして。ロシアで食べて以来海外の寿司もおいしいと思っているが、クリームチーズがおいしいだけなんじゃないかとも内心思っている。ここは魚もちゃんとおいしかった。

やけに人の入りが少なくて「大丈夫か……?」と勝手に心配したりしていたが、注文していた寿司を取りに来る人が結構いた。

食後はシンドラーのエナメル工場跡を見学するつもりだったが、当日のチケットは売り切れとのこと。そんなこともあるのか……と大人しく帰ることにする。帰り道、交差点でしばらくトラムを撮る。クラクフの街は待っているとどんどんトラムが来る。今日は朝からあちこちで撮っていた。帰りはじめたら時間はちょうど帰宅ラッシュ、ポーランド初のバスに乗ったがドアにへばりつくことになった。

昨日と同じ総菜屋に寄る。野菜が摂れてないのがここのところの懸念事項だったので、ほうれん草のピエロギ(水餃子)を買った。生地にもほうれん草が練り込まれている緑のピエロギ。じゃがいもを「野菜」とカウントするか否かでこの旅の「野菜」摂取量は大きく変わると思う。

明日はポーランド人の友人が会いに来てくれる。実に5年ぶり。たのしみ。

本とか買います。