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ポーランド旅行記・6日目

アウシュヴィッツの疲れが残っているらしい。午前中はだらだら。のそのそとシャワーを浴び飲むヨーグルトを飲み、YouTubeで水曜どうでしょうのクリップを見たりする。「暮らすように旅をする」ってそういうことなんだろうか。

今日やることはそんなにない。ネットカフェで印刷し忘れていたバスチケットを印刷し、教会を見学しておいしい昼ごはんを食べ、SIMカードを買って帰る。完璧。

雲が多い日。アウシュヴィッツのぼこぼこの道を歩き回った後の、舗装された道の歩きやすいこと。救急車を見かけた。おもちゃみたいな色遣い。

旧市街までトラムに乗る。歩いて浮かせようと思える運賃でもない。(20分のチケットで90円弱)

旧市街に到着。そういえば、と思い立って本屋に寄った。ポーランドの昔話の本と、スープのレシピ本を買う。新品然としているのに、中古価格の不思議な店。

そのあとは旧市街内のネットカフェへ。日本のネットカフェと違い、薄暗い店内の立ちカウンターにパソコンが並んでいる秘密基地みたいな店。日本の刑事ドラマに出てくる「いかにも怪しそうな店」感がすごい。申し訳程度にコーヒーマシンが置いてある。「ファイルをプリントしたいんですよー……」をGoogle翻訳にかけたものを書き留めておいた。他の人は店に入っては勝手にパソコンを使いはじめているが、勝手も何もわからないので受付の人に話しかけてその紙を見せる。「怒られるまでやってみる」は封印。店員さんは一瞬固まったあと笑って受付のパソコンから印刷してくれた。英語→ポーランド語の翻訳もあまりあてにならないのかもしれない。

無事にプリントを終わらせたところでレストランへ。先日行って気に入ったブルワリーレストラン。さつまいものクリームスープにポーランドソーセージを頼む。スープは高めのポテトチップスの味、要は芋の味。ソーセージは、おいしい。ポテトと同じ量で出てきたピクルスに一瞬「うわ」と思ったが意外と食べられた。強すぎない酸っぱさのバランスが良かったんだと思う。

食後、レストランを出たら雨が降り始めていた。教会はまた後日来ることにした。SIMカードを買いに駅前のショッピングモールに向かう。

SIMカードもあっさり買えた。見た目は怖いが手際のいい店員さんとネットの情報に感謝。店員さんはヒゲをたくわえたプーチンみたいな人だった。

帰り道、市場?がやっているのに気づいたので寄っていく。革製品、ろうそく、野菜、パン、惣菜、徹底的に生活者向けの空間。1年過ごしても「お呼びじゃない」感がするんだろう。ピエロギ(ポーランド風水餃子)と、ポーランド風ロールキャベツを買う。家の近くのケーキ屋でケーキを2つ買った。

夜、宿のお母さんと日本語の話をする。文字体系が3種類で……のくだりで面白い顔をしていた。「私たちの名前はひらがなで書けないの?」こまった。
自分(ぼくです)の名前がポーランド語だと面白い響きに聞こえるらしく、娘ちゃんが歌にしていた。こうやって縮まる距離もあるのかもしれない。

アウシュヴィッツで買ってきた本を置きっぱなしにしていたらお母さんから、「娘が行きたがるからその本は見せないでくれたらありがたい……」と言われる。カバンにしまって、代わりに今日買ったスープの本を置いておいた。

本とか買います。