「白め」を「信頼できる」に言い換えること

この2つのツイート

ふと思ったこと…
マダミス中に「この人は白めに見てます」って発言されると、スっと冷めてしまってつまらなくなる。
なんで人狼用語使うかなぁと残念に思う。
無意識かも知れないけど他者の没入感を阻害した事は気づいて欲しい。
感想戦で使うのは寧ろ歓迎。

コレ気をつけよ。自分も無意識で言ってるかも。「この人は信用できます」くらいに言い換えするようにしよう。


この辺の話をきちんとしてないtipsが多いが、「白め」を「信頼できる」に言い換えることは初心者にとって非常に認知負荷が高い行為である。

ぱっと見てわかるのは「白め」は明らかにぱっと見て意味がわかりにくい、テクニカルタームっぽい単語である。
一方で「信頼できる」はただただ単に「信頼できる」と言っているにしか聞こえない。

マダミスで用語が~となると用語の定義を整備するのが面倒なので人狼で例える。
断っておくがAとBのどれが村人サイドであろうが、人狼サイドであろうがどうでもいい。
何なら簡便化のために「村人サイドなら村人サイドが有利なこと」と、「人狼サイドなら人狼サイドが有利なこと」となるように適宜嘘をついていると考えて構わない。

例文1-1
A「私は人狼じゃないですよ」
B「これこれこうなので、Aは白めで見てます」

例文1-2
A「私は人狼じゃないですよ」
B「これこれこうなので、Aは信頼できます」

例文1-1、1-2は両方とも同じようにいける。では次の文を考える。

例文2-1
A「私は人狼ですよ」
B「これこれこうなので、Aは白めで見てます」

例文2-2
A「私は人狼ですよ」
B「これこれこうなので、Aは信頼できます」

2-1は「Aは自分が人狼であると主張しているが、Bは『Aが村人陣営であるので、Aは嘘を言っている』と主張している」と解釈できる。
一方で2-2は二通りの意味に解釈できる。
2-2(a):2-1と同じく「Aは自分が人狼であると主張しているが、Bは『Aが村人陣営であるので、Aは嘘を言っている』と主張している」
2-2(b):「Aは自分が人狼であると主張していることは信頼できる。つまりBは「Aは本当に人狼であると言っている」と主張している」
となる。村人陣営であるのに、「人狼です」と主張することはありえない、というかもしれないが、ここでは、村人、人狼の2陣営しかいないと仮定しているからである。
妖狐のような第三陣営や狂人のような役職を騙ることが重要となる役職があるとありえる話となる。

これの原因は二つある。
一つ目は、文意に違和感がないため、聞き手に疑問を持たれないし、話し手は説明不要と思ってしまうからだ。
二つ目は、新提案の文言が聞き手の誤解、誤読から生まれたものではないからである。

このような文はどうだろうか

「この仕事は僕には役不足です」と新人の彼は言った。

これを読んで「役不足じゃなくて役者不足か力不足が正しい」と思った人は大間違いである。この文は「新人の彼は傲慢にも自分が何でもできると思っており、このような小さな仕事を任せる上司はバカだと思っている」と言う前提ならば、役不足の正しい意味で解釈できる。次のような文ならば「力不足が正しい」と言える。

「この仕事は新人の僕には役不足です」と彼は言った。

「新人の」の位置が違うだけだが、「新人」より下の地位の仕事がないため「力不足」の意味にしかならない。これが、「正社員の」になると、派遣やバイトを馬鹿にしていることで役不足の正しい意味でとれる。
この役不足は「役不足」と言う言葉の印象などから違う意味が生まれた。根本的に違うのは、話し手が故意に別の意味として使おうとしたわけではないのである。
この点で役不足や、琴線に触れる、知恵熱などの「現代におけるコトバの乱れ」と言われるようなものとは、「信頼できる」とは異なる。

と言いつつも一つ目の原因が相当深刻なもので、相手にわかりやすいようにした単語(相手が普段使っているように意味が通る)こそ、話し手が説明不要と思ってしまいがちで、そこでの意味のズレは意識されにくいのである。

「信頼できる」と置き換えた結果、話し手は「信頼できる」の意味の説明しなくなるだろう。

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