何がわからないのかわからない その6
TRPGでは、コンセンサスを取ろうとよく言われていますが、そもそもコンセンサスを取るというのは結構難しい。
その一端として、「同じ単語が同じ意味でお互い受け取れるか」がある。
こういった内容は飯間浩明『ことばから誤解が生まれる - 「伝わらない日本語」見本帳』に詳しい。
例えば、このような会話があったとしよう。
A「この小説ってどんなの?さわりだけ教えてほしいんだけど」
B「探偵が殺人事件の犯人でさ」
A「ちょっと、なんでネタバレするのよ」
B「内容のさわりを教えてくれって言ってるからでしょ」
さて、このAとBの会話から何が読み取れるだろうか。
一見すると、Aは「さわり」を話の要点の意味で使っている。そして、Bは「話の最初の部分」という意味で使っている。
ように読み取れるので、これを解決するためには、少なくとも片方が「さわり」の意味を正しい意味と誤用の意味の両方を知っていなければならない。
しかし、このようにも読み取れる。
「探偵が犯人であることがわかるのが物語の冒頭である」場合、双方ともに「最初の部分」の意味で話しているのに、
Aがヒステリックに拒否しているだけに読めてくる。
このように相手の発話している意味を理解するのも結構一苦労なのである。
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