「ロールプレイしろ」の意味とは

「ロールプレイ」の定義の話をすると大体の場合馬場論を持ち出してきて「ロールプレイ」と「キャラクタープレイ」とは全く違うという話になりがちである。
そしてGMから「ロールプレイをしろ」と言われるだろう。
ここで言われるロールプレイとは大別して3種類に分かれると思われている。

  1. セリフとしてやり取りをきちんとしろ

  2. どのような道筋で説得するのかを説明しろ

  3. 何をどのような内容を言うのかを説明しろ

よくよく考えてほしいのだが、これは本当なのだろうか。

言語学の本を読んでいると、「通常では非文だが、ある状況下では文脈が成り立つ」のような文章が出てくる。この文章はそうではなかろうか。

微妙に違う話をするが、このジョークはジョークとして成り立っているだけで、文章だけを読むと意味がわからない。

ある妻がプログラマの夫に「買い物にいって牛乳を1つ買ってきてちょうだい。卵があったら6つお願い」と言った。

「卵があったら、『牛乳を』6つ買って」がエンジニアジョークとして成り立っているのだが、重要なのは「妻が台所にいて、夫は卵があるかどうかを確認するのがスーパー」であることが前提となっている。妻が職場で夫が台所にいる状態で「卵が台所にあるならば、牛乳を6つ買ってきて」は十分文章としてあり得る。

もとの問題に戻ろう。「ロールプレイをしろ」に「ロールプレイの意味3種類」を無理矢理入れてこのような解釈があると言っている。結構無茶苦茶じゃないだろうか。「ロールプレイをしろ」という発話がされる状況がどのような場合ならば自然であるのかを全く考慮していない。

通常3.のような「何をどのような内容を言うのかを説明しろ」の場合、次のような発話にならないだろうか?

「ごめん、何が言いたいの?NPCにどこまでの話をしてどういうことをしてほしいと説得しているの?」

このときに「ロールプレイをしてほしい」と言うのだろうか?
通常「ロールプレイをしてほしい」とGMが発話した場合、「きちんとセリフとしていってほしい」という意味にしか解釈できない。それ以外の場合に「ロールプレイをして」と言うのだろうか。
実際に会話をしている場合には「ロールプレイとはどの意味だ」と言い争いになるが、岡目八目な状況においてはどうなのだろうか。

いいなと思ったら応援しよう!