フローチャートとサリーとアン課題

サリー・アン課題というものがあります。当然皆さんご存知でしょうが、次のようなものです。

 部屋にサリーとアンの2人がいます。サリーは、自分のバスケットにビー玉を入れて部屋を出ました。すると、アンが、バスケットからビー玉を取り出し、自分の箱に入れました。

 サリーが部屋に戻った時、どこからビー玉を取り出そうとするでしょうか。
この問題、ほとんどの人はバスケットと答えるのですが、この問題に3歳くらいまでのお子さんはたいてい「箱」と答えます。
これは、自分が見て知った現実と、サリーが信じている現実が違う、ということを理解することが困難だからです。

参考
https://yomeruba.com/plus/edu/counselingroom/entry-14092.html

さて、次のようなフローチャートを考えましょう。

①.変数aについて、a>0ならば②へ、a=<0ならば③へ
②.変数bについて、b>0ならばx=0、b=<0ならばx=1
③.x=0

このフローチャートをプログラムで実装し①②③で画面遷移が作られています。
さて、君の手元の変数はb=-1でその画面を操作しようとしました。xの値はいくつ?

この問題にx=1と即答できる人はかなり異常な人で、サリーとアン課題で「箱」と答える人と同種であるように見えます。

フローチャートを見ていきましょう。①は変数aについて聞いており、変数bについては何一つ記載されていません。
②と③の内容からb=-1ならばaの値にかかわらずx=1となることは、フローチャートを見れば明らかですが、今君は①の画面しか見ていないはずです。
b=-1ならばaの値にかかわらずx=1となることがわかるためには、君が①の指示を無視して②と③の内容を読んで把握することが必要です。
つまり、①を読んだ段階で「自分はaの値がわからない」という疑問を思い浮かべられないのです。

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