TRPGのセッション時間術を書く~序章~
この流れから、GMのやり方を書こうと自分で宣言してしまったので(構想そのものはあったのだが、怠惰でやってなかっただけ)。
noteで書いた他の記事を読んでいただくとわかると思うが、私は、抽象的で網羅的な内容を好む。最近読んでいる技術書がそういったのばかりで、具体的だと何が言いたいのかわからなかったり、この内容が記載されていないと思うことが多い。
数学者吉田耕作が「あなたの話は具体的なのでわかりにくい。もっと抽象的に話してください」と言った逸話と近いのかもしれない。
必要のない前置きはおいておいて、セッションの時間管理術を考えてるんだけど、かなり面倒である。
例えば、借りている会場の終了時間より2時間前にラスボス戦となってしまった。この場合どうしたらいいだろうか。
twitterなどで書かれるであろうtipsであったら、「ボスのHPを多くして、時間を伸ばす」など書くかもしれない。
しかし、この課題に対してすら書くことはかなりある。
例えば、普段GMはエネミー識別をどのようにしているのかは重要である。
エネミー識別した際に、どこまでの情報をプレイヤーに開示しているかだ。「エネミーガイドの何ページを見て」と言っているのか、自身の口から「データはどれくらい」と言っているのかで変わる。
また、エネミーデータをどのように作っているのかでも変わる。既存のエネミーに対してテンプレートや特技、剣の欠片などのアイテムを追加してきちんとルールに基づいてエネミーを強化しているのか、ざっくりデータを作っている(適当にHP600とか)のかでも全く持って話が変わる。
こういったものを可能な限り網羅していくのがコンセプトなのだ。
ふと、思い出したことがある(と言いつつ昔過ぎてうろ覚え)。
おそらく2016年頃にツクエアソビの人と話したときのことだ。何についてだったか忘れてしまったのだが、シナリオの書き方だったか、シナリオ本の書き方で「こういう内容だとプレイアビリティが考えられていない」と私が発言した。そこでツクエアソビの誰だったかが、「プレイヤーフレンドリーってこと?」と聞かれた。
個人的には明らかにニュアンスが違う。一番違うと感じたのは「プレイヤー」とはなにかだ。
通常「プレイヤーフレンドリー」と言われた場合、「プレイヤー」とはプレイヤーのことを指すだろう。つまりはGM以外のメンバーのことだ。だが、これを「シナリオ制作者」や「システムデザイナー」という目線で考えると、「プレイヤー」とは「ユーザー」のことを指す。
読んでいる諸氏がプロダクトマネージャーやITコンサルタント経験があるのならばわかるだろう。UIやUXを考慮するうえでの「ユーザー」とは一体誰のことなのか。そう、ベンダー以外の使用顧客のことを指す。
ノーコードツールを開発している場合(ノーコードツールで業務システムを構築しているのではない)、実際に構築した後の業務システムのUIやUXを考慮することはもちろんのことだが、ユーザー・エクスペリエンスには「ノーコードツールで業務システムを構築しているIT担当者」のことも含まれる。
そう、デザイナーやシナリオ制作者などのベンダーから見たら「GM」はプレイヤーなのだ。
シノビガミで1シーン15分、PL4人、3サイクルならばミドルフェイズを3時間で終わらせられる計算となる。重要となっていくるのはハンドアウトの文字数だ。これはGMがコントロールできない。「できる」と思った人は根本的に何かを勘違いしている。ハンドアウトを書くのはシナリオ制作者であって、GMではない。シナリオをかけなければGMとしては無能と言われる時代は疾うの昔に終わったのだ。