自然体で柔軟だが己を強く信仰する -生き方の気付き-
人は誰しも、日々の出会いや体験を通じて何かを得ている。それは小さな気付きであれ、価値観を変えるような大きな出来事であれ、自分の中で経験として蓄積されていく。そして、その経験が自分自身の「セルフブランド」を形作っていくのだ。
昨日、ある人と時間を共にして気付いたことがあった。その人の生き方には揺るぎない軸があり、同時に柔軟性も備わっていた。環境や流行に応じて自分を変化させながらも、本質的な部分は決して変わらない。そんな生き方が「自分らしさ」の美意識として自然と周囲に影響を与えていたのだ。そして私自身も影響を受けたいと願う人の1人だ。
-縄文時代の竪穴式住居民の様な象徴的な暮らし-
その生き方の象徴ともいえるのが、住まう環境への適応だ。自然の地形やレギュレーションに合わせ自然とその暮らしは導き出される。令和の時代に地下に住まう縄文時代の竪穴式住居民の様な生活。そこでの暮らしは、極めてシンプルで無駄がなく、環境の制約を受け入れながらも、個性が際立つ空間が広がっている。暗い室内にはわずかな自然光が差し込み、機能的でありながらも主張しすぎない家具が置かれている。最新の電化製品の導入という事象はあくまでその場のコンセプトに沿った事象として表現される。例えば、洗濯機を購入した事象に対し、それがこの暮らしにおける文明の進化と表現される様に竪穴式住居民というコンセプトを受け入れて生活によって体現していく。
-柔軟性と本質が共存するセルフブランド-
この暮らしを通じて生まれるセルフブランドの本質は、「柔軟性」と「環境への適応」だ。人はその環境に応じて変化し、適応する能力を持っている。しかし、その変化の中で、自分という存在の軸を見失わないことが大切だ。柔軟性を語る上でしなやかさや柔らかさという様な要素を注視しては本質が見えてこない。軸や筋という己を強く信仰してこそ環境に対して柔軟にあり続けることができる。
セルフブランドを確立するとは、言い換えれば「自分らしさを信じる」ということだ。それは世間の正論に従うことではなく、自分に忠実であること。自分の選択や行動に自信を持ち、それを他者に押し付けることなく自然体で表現する。この姿勢が、周囲に共感や学びを生み、人のコミュニティを自然と形成していく。
-生き方のアップデート-
ただし己を強く信仰し実現する、このセルフブランドも固定されたものではない。新たな出会いや体験を通じて、自分をアップデートしていく柔軟性を持つことが重要だ。世間的には「少し変わった人」と思われるような人物に惹かれ、彼らから新しい視点を得ることで、自分自身を再構築していく。
新しい知見を取り入れても、信仰する自分の軸はブレない。それは「飾ってはいるが、背伸びはしていない」という自然体の生き方そのものだ。
-住まいと生き方の一致-
最後に、改めてこのセルフブランドを象徴するのが住まいだ。住む場所もまた、その人の生き方を反映する一部である。現代における竪穴式住居民の様な暮らしは、環境に導かれた自然な選択であり、元から縄文時代へ憧れていたのではない。その中で生活することで、自分らしい生き方の本質が徐々に明確になり、暮らしを楽しむ要因となっている。
このように、住まいと生き方が一致したとき、人は本当に自分らしい人生を送ることができる。それは、「自分はこういう人生なんだ」と自信を持って語れる生き方であり、そういった素直で熱のある姿は周囲に自然と良い影響を与える存在となる。
自分自身の生き方に忠実でありながらも、柔軟に変化すること。それがセルフブランドを確立し、充実した人生を生きる鍵となる。そして、その生き方を反映する住まいを持つことで、より深い満足感が得られるのではないだろうか。