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Photo by
エドガー・ドガ / メトロポリタン美術館
月夜の、千回お点前!
「茶道教室」で、「居残り客作法」と「居残り見学」をさせられた話を、前回は書いた。奥さんがお茶とお花の教室で教えているという同僚に、その話をしたところ、
「それは、客の作法で間違いがあったからだよ」
と指摘された。普段は「昼行灯」みたいな奴なのだが、奥さんの男を選ぶ目は正しかったのかも知れない。
確かに「居残りお客役」と言い、「居残り見学」といい、「客の作法が間違っているからだよ」という同僚の指摘に納得させられた。最近、茶道への慣れが出て来て、雑な「客の作法」になってしまっていることに思い当たる節がある。「お菓子のいただき方」とか「薄茶の飲み方の手順」とか、「お茶碗の拝見の仕方」とかが、きっと雑になっているのだろうと反省点に気付かされた。
今日は家に帰って、「ひとりぼっち自宅薄茶お点前稽古」をビデオで撮影して、どこがおかしいのかをチェックしてみるつもりだ。
「お客作法ダメ出し」をされた日、もう一点、注意されたことがあった。アシスタントの男性に、
「お点前をしながら、ずっと季節の話とか掛け軸やお道具の話とかをするんですよ。雑談にならない程度に」
と言われた。そこで考えついたのは、
「お点前を体に染み込ませないと、お点前も会話もどっちもできなくなってしまう」
という結論。その話を、いつも現場に送るカメラマンにしたところ、
「それって、運動部のあれだね。体で覚えろ! 体が自然に反応するまで練習だ! って奴だな」
そうか、お点前を体に染み込ませないと、会話にも頭が回らなくなって、両方とも止まってしまうだろうな。こうなったら、
「月夜の千回、お点前だ!」
「それじゃあ、侘び茶どころじゃないな…。スポ根教室だね」
と、カメラマン氏。
確かに。
茶道教室には「侘び茶」を習うために、通い始めたはずなのに。
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