絶対的幸福と相対的幸福と諸行無常 3
諸行無常 諸法無我 涅槃寂静
これが仏教で言う真理であり釈尊が悟られたことと聞きます。悟りと言っても様々な方がおられますので喩えや話し方など様々に説かれました。
申し訳ありませんが、仏教全体を私は言えません。全ての経典を読んだり菩薩方の論を読んで悟ったとかないからです。
一足飛びで真宗に限って言わせていただこうと思います。
『浄土真宗聖典』という出版物があります。西から『浄土真宗聖典七祖編』も出ています。東からは『真宗聖典』として出ています。最近第二版になり語句の注釈がページ内にあり文字もどことなく読みやすくなった気がします。
さらに『真宗聖典デジタル版』という便利な出版もされていて検索ができます。
「幸」を検索しますと幾つか出てきます。
讃仏偈
幸はくは仏(世自在王仏)、信明したまへ、これわが真証なり。願を発して、かしこにして所欲を力精せん。
高僧和讃
(二三) 世俗の君子幸臨し
勅して浄土のゆゑをとふ
十方仏国浄土なり
なにによりてか西にある
幸臨 ご来訪になること。
歎異抄
幸ひに有縁の知識によらずは、いかでか易行の一門に入ることを得んや。
幸西成覚房・善恵房二人、同じく遠流に定まる。
報恩講私記
しかるあひだ宿因多幸にして、本朝念仏の元祖黒谷上人(源空)に謁したてまつりて出離の要道を問答す。
歎徳文
幸ひに黒谷聖人(源空)吉水の禅室に臻りて、はじめて弥陀覚王浄土の秘扃に入りたまひしよりこのかた、三経の冲微、五祖の奥賾、一流の宗旨相伝誤つことなく、二門の教相稟承由あり。
御文章一条目第五通
幸ひに五里・十里の遠路をしのぎ、この雪のうちに参詣のこころざしは、いかやうにこころえられたる心中ぞや。
御一代記聞書 二五六
幸ひに肝要を抜き候ふ聖教候ふ。
このくらいで「幸」という字は以上なのです。あと検索でヒットしたのは解説や補註がありました。だいたい八つですね。
一方で「福」はちょっと多くて書くのがしんどいので百二?くらいありました。解説とか合わせると倍くらいかしら。でも少し面白くて『顕浄土真実教行証文類』の「化身土巻」に引かれている文章上多いのと、本当か分かりませんが『御文章』に見当たらない。
浄土真宗の真実信心においては本願疑惑心が除かれ、阿弥陀仏の南無阿弥陀仏をそのまま救うとお聞かせにあずかっている状態と言われます。ここが今生において後生の一大事の楽果かどうかに分かれるのです。
しかし異解異安心と言われる真実信心でない信心ではお浄土に直に生まれられない信心があります。幾つも幾つもありますが、そのうちの一つに禍福を祈る、というのがあります。
長くなりそうなのでここで切ります。