やってみようKillteam: ハンタークレイド(Adeptus Mechanicus)
※本稿は大人気ボードゲーム「Killteam」の記事です。なにそれ?という方はこちらをどうぞ
機械の身体と鋼鉄の意志で立ちふさがる敵を打倒したい(ですよね?)そんな貴方には「ハンタークレイド」キルチームがオススメです。まだ編成していない方やこれから編成する方、機械軍団と殴り合う際の一助になれば幸いです。
五角形のアイコンをどう表記していいのか分からないので、6mvと表記します。
説明のために必要な箇所は適当にはしょっています。詳細は『アニュアル2022』および最新の『データスレート』をご確認ください(誤訳とか解釈が難しい箇所は補足を入れます。本稿はいわゆる副読本の立ち位置を志向するものです)
「ハンタークレイド」のいいとこ
優秀な火器
大威力かつ長射程の火器を装備するガンナーを3体も編成でき、キルチームの大多数が高い命中精度のライフルにアクセスできるため遠巻きに敵を狩るには最適です
機械の身体
義体のおかげでアーマーセーヴ値が人類にしては高めの4+です。撃ち合いをしろと言わんばかりの高性能、誉れ高い
それなりの部隊規模
部隊に編成できる人数は多少の増減こそはあれ、よほど尖らせなければ最大11体まで組み込めます。手数で敵を圧倒し、目標を確保しましょう
「ハンタークレイド」の弱点
へなちょこな格闘戦性能
しょせん元は脆弱な人間なので、スキタリの白兵戦性能はアルファ(リーダー)以外クソザコです。白兵戦が想定される戦場には、シカリアンを配置するとよいでしょう
範囲攻撃の欠如
スキタリ・アルファが装備するフォスフォール・ブラストピストルを除き、ブラスト、噴射属性を有する火器はありません。フォスフォールピストルも△(1mv)しか範囲ないしカスやで
ガンナー装備の固定化
ガンナーを3体も編成できると先述しましたが、ガンナーはそれぞれ違う火器を装備せねばならず、火器も全部で3種類ときているので実質1パターンの編成です。後述するトランスウラニックアルケプス(アルケプス)は戦場によっては運用が難しいので、適宜装備を変更する必要があるかもしれません
キルチーム編成
ちょっとややこしいので気をつけてください。特務兵の詳細については後述します。
こんな感じです。強すぎたり弱すぎたりした時期があったので、かなり複雑っすね。とりあえず11人編成を目標にするとええです
特務兵分析
共通しているデータはまとめて覚えておくともろもろ処理が楽ですぜ
ではボチボチ見ていきましょう。
ヴァンガード/レンジャー
スキタリにはヴァンガードとレンジャーの2種類があります。
後述する特殊戦略「戦闘プロトコル」と特殊戦術「追跡者」(レンジャーのみ)に影響するほか、ヴァンガードには固有アビリティ「放射能汚染」が備わっていること以外、基礎性能はほぼ同じです。
彼らの一番の差異は火器にあります。レンジャー(スキタリ・レンジャー・マークスマン)の装備する「ガルヴァニックライフル」は威力と貫通力に優れますが、「重火器」特性があるため機動力に難があり、ヴァンガード(スキタリ・ヴァンガード・ショックトルーパー)が装備する「ラディウムカービン」は特に欠点のないオーソドックスな小銃となっています。特務兵の任務に応じて有効に配備することが肝要といえるでしょう。なお、白兵武器は先述した銃床です
スキタリ・アルファ
短射程ながら強力な火器と近接武器を装備するか、一般兵以上に恵まれた射撃性能の火器を装備するかを選べますが、特にこだわりがなければ前者でよいかと思います。というのもアルファには固有アビリティ「統制命令」を有しており、射撃を行わずとも高い戦術的価値を発揮します。実質特務兵1体分の行動を圧縮でき、たいへん有用です。「統制命令」アビリティは「アルファ」を稼働させる必要がない点を留意してください
さて、装備の組み合わせですが、一般兵と同じ長物を装備する場合は「銃本体」と「銃床」で済みますが、近接武器との組み合わせはちょっと複雑です。
「マスタークラフト・ラディウムピストル」を装備する場合は「パワーウェポン」と組み合わせることができ、「アークピストル」または「フォスフォール・ブラストピストル」を選んだ場合は「アークモール」「テーザーゴード」を装備できます。ややこしいなぁ
パワーウェポンは近接兵器界の雄です。先手さえ取れれば6ダメージぶち込めるのはかなり魅力的です。ただし白兵戦能力が4+なのは厳しいかもしれません。ラディウムピストルはけして悪くありませんが、精度安定がついたラディウムカービンです。とどめを刺すのに最適かもしれません。
どちらも強力なピストルですが、個人的にはアークピストルの方が好みです。射撃武器のスタンは当てるだけでAPを削ることができ、更に貫通もついているので高いアーマーセーヴを有する敵にも有効です。
フォスフォール・ブラストピストルは先述した通り唯一のブラスト効果付きの火器です。過密環境ではクリティカル5+になるので、それを見越して運用してもよいでしょう
どちらもスタンがついており、クリティカル5+の有無で意見が別れそうです。自分はテーザーゴードにしていますが、アークモールも十分な威力を発揮してくれるので好みで選びましょう。
レンジャーにするかヴァンガードにするかも好みですが、ヴァンガードの放射能汚染の甲かは近接戦闘との相性が良い傾向にあります。長物を持たせて簡易狙撃兵の運用をするならレンジャーにしてもいいかもしれんね
スキタリ・ガンナー
どれも強いのでたくさん持っていきましょう。ただし先述したトランスウラニック・アルケプスは活用しにくい地形もあるので、ケースバイケースで編成しましょう。例によって白兵武器は銃床です
後述する特殊戦略の都合でガンナーは「レンジャー」がオススメです。後悔はさせませんよ(一敗)
スキタリ・サーヴェイヤー
サーヴェイヤーには測量士の意味がありますが、スキタリ部隊では射撃観測手の役割を担います。火器は通常のスキタリと同一のものですが、観測を行う固有アクションを発動できます
実のところ、かなり微妙な効果です。「遮蔽効果」による自動セーヴを無視することはできますが、もともと射線が確保できなければ、(例えば敵特務兵が遮蔽内で隠密態勢となっている場合など)射撃ができないので役に立ちません。
それでも、自由に射撃位置を変更できないトランスウラニック・アルケプス装備のガンナーのお供に最適と言えるでしょう。先述したスキタリ・アルファの「統制命令」と組み合わせれば、大きな威力を発揮します
レンジャーかヴァンガードにするかは好みによると思います。自分の観測結果を射撃に反映できぬ哀れな観測手よ……オムニスぺクスを積極的に使えると確信しているのならレンジャーがよいでしょう
スキタリ・ディクタット
ディクタットとは強制的な命令を意味する言葉です。上司である技術司祭テックプリーストの意志を伝えることで、スキタリ連中をムリヤリ動かしているのしょう
味方特務兵に3AP分の行動をさせることができるので、実際かなり強力です。拠点の争奪にAPが足りない時も活用できます。ディクタットに関してはレンジャーを選択するとよいでしょう。移動してデータテザーを使えば射撃できるだけのAPは残っていないし、データテザー使用後に射撃ができるなら、威力の高いガルヴァニックライフルをぶっ放した方がよいです
シカリアン・インフィルトレイター・プリンケプス
シカリアンのリーダー機体の一角です。めちゃ強力な火器とめちゃ強力な白兵戦武器、便利なデータ回収腕を備えた文句なしの逸品です。これに比べたらラストストーカー・プリンケプスは山岡はんの鮎や
Killteamにおける火器はスタブカービン一択と言っても過言ではないでしょう。フレシェット・ブラスターの性能は一般兵のトラッカーと変わらないしね
スキタリ・アルファのものより攻撃成功率が高くなっています。やったね。完全に好みで選んでよいと思いますが、基本的にパワーウェポンの方がつよいぜ
何かと便利な効果、装備品「機械触手」(後述)と組み合わせるとミッションアクションの諸々をプリンケプスだけで完結できる。もう全部こいつでいいんじゃないかな。接敵中も使用できそうな雰囲気があるけど、基本的にミッションアクションそのものが接敵中は使えない点は注意です。ややこしいなぁ、もう
シカリアン・インフィルトレイター・トラッカー
インフィルトレイターの一般兵士仕様、一般兵でも装備構成はプリンケプスと変わらず、スタブカービンの射撃性能こそはわずかに劣っていますが、例によって強力です。
フレシェット・ブラスターで脆弱な肉の檻に囚われた者を掃討するもよし、強力な近接武器でシバくもよし、汎用性が高く便利なやつです。シカリアンのミニチュアは全体的にクッソ組みづらいので、インフルトレイター・トラッカーで構造に慣れておくとよいです(2敗)
シカリアン・ラストストーカー・アサシン
見た目がめちゃ怖い近接番長、射撃武器を持っていない代わりに敵の射撃攻撃を追加でセーヴ固有アビリティを有し、アホほど強力な攻撃でズタボロにします。なんてことだ、もう助からないぞ
どちらも強力な装備です。悩んだらコードクロウ~を選ぶとよいでしょう。ダイスのリロールはつよいので……
ややこしい効果ですが、ダイスをロールする前に、2つを通常セーヴとして保持できる効果です。(つまり1個ロールすればよいのです)通常成功ダイスが2つあればクリティカル攻撃もセーヴできるので、地味ながらおそろしい防御性能を発揮します。
シカリアン・ラストストーカー・プリンケプス
インフィルトレイターと比べるとやや不遇ですが、専用武装を有し、負傷限界が1高いのはいいことと言えるかもしれません。そうかな……そうかも…
アビリティはアサシンと同一です。けして悪くはないんですよ……
命令教条
特殊戦略を選択する代わりに「命令教条」を稼働させることができ、これはバトル終了時まで継続します。第1ターニングポイントの間は非適合(デメリット)が無効化されるので使い得です。現在ではどのターニングポイントでも切り替えができますが、一度選択した命令教条を切り替えることはできない点に注意です。過去に使った命令教条はもう一度使えないってことやね
第1ターニングポイントだと迎撃命令や猛攻命令、それ以降は平衡化や防塁などがよさげです。わしはずっと迎撃命令にして忘れてることが多いです。あんま白兵戦しないし……
特殊戦略
戦闘プロトコル(1CP)
かなり条件が緩い特殊戦略。このおかげでスキタリ・ガンナーはレンジャーになることを推奨されがちです。わしもこの記事をかいたらレンジャー仕様のガンナーを追加生産します(一敗)
敏速なる先兵(1CP)
フリーでアクションが行えると強いのでつよいです。2回突撃アクションが行えるわけではないので、ちょっと使いどころが難しくもあります
ニューロスタティック干渉(1CP)
リロールできないということは敵の攻撃性能が落ちるという事なのでたぶんつよいです。使ったことないけど。他にCPを持っていかれちゃうんすよね……
近似値の活用(1CP)
クリティカルが出ればうれしいな戦略。敵キルチームが射撃ガン振りならやった方がええです。ちなみに通常セーヴ2個ではこの効果を適用できません。通常セーヴ2個はクリティカル攻撃をセーヴできるけど、クリティカルダイスになるわけではないからです(やっぱりややこしい)
特殊戦術
追跡者(1CP)
偵察オプションの強化を行います。「防備」のみバフがないので気をつけてください。
「偵察」のダッシュは飛行ダッシュなので、トランスウラニックアルケプスを高所に配置させるチャンスです。サーヴェイヤーともども上へ連れていきましょう。
「潜入」は普通に便利なオプションです。ガンナーの保全に役立ちます。ちなみに、日本語版アニュアル2022の内容は誤訳です。"Order"を変更できるのですが、これを「命令」と解釈しているので意味が通らない文になっています。「態勢」のことっすね
コマンド・オーヴァーライド(1CP)
なかなか便利な特殊戦術、迎撃命令の時のシカリアンに適用することが多いです。第1ターニングポイント中でも上書きした命令教条の非適合効果が適用される点に注意してください。これも英語版のエラッタにしか載っていません。まいったねこりゃ
配置地点秘匿(1CP)
艦内戦闘向きの特殊戦術、ハッチ戦闘は行える点は留意しておきましょう。オブジェクトに圧をかけることができるので戦場を選びますネ
動力維持(1CP)
しょっぱい回復量だけど、負傷判定の境にいる時には役に立ちます
装備品
+がついている装備品はキルチーム内で1体のみ装備できます。
アップリンク化視覚フィード(1EP)
ガンナー向けの装備、間違えても警戒射撃のできないアルケプスに装備させないようにしよう
サーヴォスカル+(3EP)
順当に便利な装備品、適当なスキタリにつけるとええです
機械触手+(2EP)
先述したシカリアン・インフルトレイター・プリンケプス向けの装備品。もちろんサーヴォスカル持ちと組み合わせてもよいです。ちなみにカタカナで表記すると機械触手、ゲームの方のメカニクスで酷使する奴です
香炉(2EP)
何が何でも接近戦をしたいシカリアン・アサシン向けの装備品。負傷しても重力波が展開してもネクロンのへんなのがあっても突破できます。香炉の持ち主もバリバリ動ける点も知っておくとええです
コマンド・アップリンク+(4EP)
ディクタットをCP生産機にする装備品。作戦目標に応じて持っていきましょう
強化弾薬(2EP)
威力が上がるのはよいことです。とりあえずポイントが余ったら入れるとよいです
最適化歩行(1EP)
つまり移動/突撃中に上記の3つのアクションがあれば〇分移動力が増えるワケです。戦場によっては登攀をよく行うので、装備するとよいでしょう。
リフラクター・シールド(3EP)
敵に貫通がおおければ採用の余地がある装備です。けして悪くありませんが、セーヴ値が良くなるわけではないのが珠にキズ
戦術目標
シンプルで分かりやすいものが多いです。初心者もあんしんだ
絶え間なき追撃
マップ中心にミッション目標があれば容易に達成できます
計算ずくの撃滅
命令教条を切り替えた後にダメージを多く与えればVPがもらえる戦術目標。現在の仕様ではターニングポイントごとに変更できますが、コアルールの都合上獲得できる最大VPは2VPまでです。
ちなみにオーバーキルをしても超過分は含まれないので注意です。英語版エラッタに書いてありました
暗殺指令
敵を選んでもらってシバけばVPをもらえます。敵プレイヤーが選ぶので、全員ぶっとばすくらいの勢いでいきましょう。日本語版アニュアル2022には第1ターニングポイント中に暗殺を完了させる必要がありそうに書かれていますが、実際は第4ターニングポイントまでです。そもそも第1ターニングポイント中じゃ□以内まで接近できないでしょうが。(あと1体以上ってのも謎です。1体しか選択できないんだし……)
編成例
以上でだいたい全部の情報が出そろったので、編成を考えてみましょう。
ショックトルーパー枠は好みで編成を変えましょう。レンジャーにしても良いですし、キットバッシュでサーヴェイヤーを作ってもよいです(左手のオムニスぺクスさえあればサーヴェイヤーです)
シカリアンを追加する際は、ショックトルーパー枠に追加/置換する形で編成できます。最大11体まで編成できることもお忘れなく!
ミニチュア調達
アデプトゥス・メカニカス:ボーディングパトロール
スキタリとシカリアンが入ったお買い得セット。個別の箱で買うのと同程度の価格で戦車っぽい奴とテックプリーストがついてきます(Killteamじゃ使えないけど)
週間インペリウム21,22号 + シカリアン箱
たぶんいちばん安い組み合わせ、Killteamにピッタリ
スキタリ箱 + シカリアン箱
価格的にボーディングパトロールとほぼ同じなので、そっちを買った方がお得かもです
さいごに
ハンタークレイドキルチームはわしが初めて編成したキルチームですが、非常に汎用性が高く、戦術で不利な点をカバーできる点が気に入っています。ちょうど今週と来週の週刊インペリウム(記事執筆2023/06/08当時)でハンタークレイドを揃えるチャンスです、この機会にぜひあそんでね。チャオ!